「Mate 30」はGoogle Play非対応。今後のファーウェイスマホはどうなる?

代替エコシステムの構築は不可能ではないが、困難な道のりに

石井徹(TORU ISHII)
石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年09月20日, 午後 05:00 in HUAWEI
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9月19日にドイツ・ミュンヘンで発表されたファーウェイの新フラッグシップ「Mate 30」シリーズ。上位モデルのMate 30 Proでは1/1.7インチ以上のセンサーを2つ搭載するなど"スマホ離れ"したカメラ性能を誇ります。


一方、販売していく上で障害となりそうなのが、Android OSを搭載するスマートフォンにかかわらず、Google Play Storeを含む各種Googleサービスが非搭載となっていること。これには背景として、米中の貿易を巡る対立に起因して、ファーウェイが米国からの制裁を受けているという事情があります。

HUAWEI▲Mate 30シリーズはAndroid 10のオープンソース版を搭載。Googleサービスはプリインストールされません

Mate 30シリーズの発表の中でファーウェイはGoogle Playを含むGoogleサービス「Google Mobile Service(GMS)」の代わりに独自のアプリストアを含む「HUAWEI Mobile Service(HMS)」を強化していく方針を示しました。HMSの開発者向けの投資として、10億ドルという巨額を支出することも紹介されています。

発表会後に実施されたインタビューでは、ファーウェイでスマートフォン製品を統括するKevin Ho(ケビン・ホー)氏が日本と香港のメディアに対応し、HMSへの期待を述べました。

Ho氏:Google Mobile Serviceを含まない、新しいスマートフォンへの挑戦をポジティブに捉えている。優れたスマートフォンを提供し、機器に優れたユニークな機能を提供するチャンスは今でもあると考えている


HUAWEI▲ファーウェイ コンシューマビジネスグループ ハンドセットビジネス プレジデントのKevin Ho(ケビン・ホー)氏

ただし、ファーウェイは、ユーザーにとってもっとも重要と言える「どのようなアプリ群を独自ストアに並べるのか」について、現時点で明確な回答をもっていません。Mate 30シリーズ発表会場の展示端末は、中国版とおぼしきアプリ群がインストールされていたものの、発表地で販売対象にも含まれるヨーロッパ向けのアプリについては、ほぼ含まれていない状況でした。TwitterやFacebookなど、主要なSNSを独自のエコシステム上で提供できるのかについても、未だに明らかにされていません。

これについてHo氏は「アプリケーション開発者との協力が進み、時間の経過とともに、HUAWEI Mobile Serviceのエコシステムの中で消費者にとって十分なアプリケーションを提供できると確信している」と自信を示しています。

HUAWEI▲HUAWEI AppGalleryを核としたHUAWEI Mobile Serviceの構成図。サードパーティのアプリストアも妨げないオープンなプラットフォームとするとしています

もっとも、"Google抜き"のAndroidスマートフォンは、Googleが撤退して久しい中国国内向けスマートフォンではごく当たり前の存在です。ファーウェイの販売の多くを占めるこの大国では販売に影響がないため、同社の中国での事業には影響はほぼないと言って差し支えありません。独自のアプリプラットフォームを含めたエコシステムを構築する経営体力は、まだファーウェイに残されていると言えるでしょう。

その一方でファーウェイには、Androidエコシステムへの復帰に期待をかけているような姿勢も見られます。米国から受けた制裁(エンティティリストへの登録)は、"安全保障上の理由"が原因としていますが、米国はその詳細を明らかにしていません。ファーウェイ制裁はいわば、米中対立の交渉カードの1つとして米国のトランプ大統領が切ったカードと言えます。

また、ドイツやニュージーランドなど、ファーウェイへの制裁に反対している国もあります。今後の米国と中国との交渉次第では、ファーウェイへの制裁が緩和される可能性もありえます。

実際問題として、数年後にファーウェイ独自のエコシステムを構築する計画が可能だとしても、Androidを代替するアプリストアを数か月のうちで構築するのはほぼ不可能でしょう。このままMate 30シリーズを発売したところで、中国以外の国で販売数を増やすことはできません。ファーウェイとしてもそれを理解していて、米中の対立を静観しているというのが実情と言えそうです。

Mate 30シリーズの発売日について、明確な発表はありません。Ho氏は「今後1〜2か月中にはヨーロッパの主要市場で発売されるだろう」と語っています。

 
 

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