NASA、ニューホライズンズが探査した天体Ultima ThuleをArrokothに改名。新名称は「空」の意

宇宙にもポリコレの波

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年11月14日, 午後 07:00 in Space
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NASA
NASAが、探査機ニューホライズンズが2019年1月1日に到着して探査したカイパーベルト天体"Ultima Thule"の名称を"Arrokoth(読みはアロコット)"に変更しました。正式な識別名である"2014 MU69"に変更はありません。

これまでのニックネームUltima Thuleは「われわれの知る世界のさらにむこう」を意味する名前として命名されました。しかし、後に白人至上主義者が「神々の故郷」という意味で使う言葉でもあることがわかり、論争の火種になる可能性がありました。国際天文学連合(IAU)の規約では、天体は発見者に命名権があります。Ultima Thuleはニューホライズンズの延長ミッションにおけるハッブル宇宙望遠鏡を使った太陽系外縁天体捜索で見つかったため、ニューホライズンズのミッションチームがIAUへの名称変更を申請したとのこと。

チームは、事前にネイティブアメリカンのポウハタン族(ポカホンタスで有名)らが使うアルゴンキン語で"空"を意味する"Arrokoth"をUltima Thuleに代わる通称とすることを決め、ポウハタン族の同意を取り付けました。

NASAの惑星科学部門のディレクターであるロリ・グレーズは名称変更の声明で「我々はポウハタン族からのこの贈り物を謹んで承ります」「Arrokothという名前はアルゴンキン族の強さと忍耐力を意味します。彼らの遺産は宇宙の起源と意味、そして人々の美しいつながりを理解するための道しるべであり続けます」と述べました。

また発表の場では、ポウハタン連合の一部だったパムンキー族のニック・マイルズ牧師が登壇し、伝統的なアルゴンキン語の歌を用いてArrokoth命名の儀式を行いました。

Ultima ThuleもArrokothも結局は天体の"通り名"であり、これが変わっても本質的になにかが変化することはありません。しかしこの変更は、この天体が天文学的に存在する理由を解き明かすという、本来の目的に集中できるようにするでしょう。この場合重要なのは、名前が持つ歴史的な意味ではなく、太陽系の歴史に対するこのカイパーベルト天体の意味です。

 
 

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