電動飛行機でタイムアタック「エアレースE」機体が発表。2020年後半にシリーズ戦開始予定

初年度は8チームが参戦

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年11月18日, 午後 01:00 in Transportation
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航空機メーカーエアバスが支援する電動航空機による「エアレースE」シリーズが、その競技用電動飛行機"White Lightning"を発表しました。コンドル航空製の機体は典型的なシングルシーターのスポーツ飛行機に見えますが、搭載するモーターは高さわずか10mの低空で飛行するエアレースコースを時速483kmで飛行する性能を有するとのこと。機体重量をできるだけ軽量にするためもあり、搭載するリチウムバッテリーは10分間の予備的な飛行と、わずか5分間のレース飛行しか行えません。エアレースEのジェフ・ザルトマンCEOは、この飛行機とシリーズ戦が電動飛行機開発のテストベッド、いわば「飛ぶ実験室」としての役割も持っていると説明しています。

電動化によるCO2排出削減に向かう自動車業界に比べ、航空機はいまだ技術的にも完全電動化は難しい状況です。エアレースシリーズ「エアレース・ワン」の運営も行ってきたザルトマン氏は「航空業界の電化への取り組みは自動車に20年遅れている」と指摘。「フォーミュラEでは自動車メーカーが技術開発や市販車へのフィードバックに取り組んでいます。エアレースEが航空宇宙技術開発を助けられない理由はありません」とそのシリーズ戦開催の意義を唱えました。

またザルトマン氏はフォーミュラEが当初完全なワンメイク(統一仕様のマシン)でシリーズを始め、後に自動車メーカーにモーターやその他パーツの開発の余地を与えていったことに対し、エアレースEでは最初から飛行機に独自技術を持ち込めるようにする方針を示しています。これに対してBBCは、元アメリカ海軍の航空機エンジニアが「企業が次世代航空機の電気推進開発を飛躍的に進めるのを支援するのには良いやり方だ」と述べたと伝えています。

また、シリーズを支援するエアバスは、スポンサー契約の詳細は機密事項だとしつつ、電気飛行機の将来に対するいくつかの答えがこのシリーズからもたらされることになるだろうとの考えを述べています。また、シリーズ戦では通常の航空宇宙業界では出会えないような優秀なエンジニアや学者との交流機会が生まれる可能性があるとして、異なる業界からも情報の共有や相互に影響をおよぼす良い効果が生まれる可能性があると期待を示しました。ちなみに、エアバスはすでに2021年に初の実証実験飛行を行う予定の"E-Fan"と称する小型ハイブリッド航空機を開発中です。

「空のF1」と呼ばれ、室屋義秀選手の活躍によって日本でも人気があったレッドブル・エアレースシリーズは2019年シーズンをもって終了しましたが、電動飛行機による新たなシリーズが環境保護の時流も味方に付けて勢力を拡大するなら、いずれは日本でもその大会が開催されることになるかもしれません。エアレースEは2020年後半に最初のイベントを開催する予定。今週中に参戦する8つのチームを発表するとしています。
 
 

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