iPhoneがロシアで販売禁止に?ロシア製ソフトのプリインストールを義務づける法案が可決

ロシアの人々も迷惑がってます

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2019年11月25日, 午後 01:30 in apple
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ロシア議会が、ロシア製のソフトウェアがプリインストールされていない特定デバイスの販売を禁止する法案を可決しました。この法律は2020年7月に施行予定とされ、スマートフォンやコンピュータ、スマートテレビに適用されます。

この法律が施行されれば、来年の夏には国際的なハイテク大手のスマートフォン、特にアップルのiPhoneが販売禁止とされる可能性があると指摘されています。同法律の支持者は、これがロシアの技術を促進し、国内の人々が購入したガジェットを使いやすくなることが目的だと主張しています。

法案の共同執筆者の1人であるオレグ・ニコラエフ氏は「複雑な電子機器を購入すると、ほとんどの場合は欧米のアプリが事前にインストールされている。人々がそれを見ると、国内の代替手段がないと考えるかもしれません。もしもプリインストールアプリとともに、ロシア製アプリも提供すれば、ユーザーは選択する権利が持てます」と述べています。つまりロシア製のアプリが存在していると知らしめるため、そちらも同梱しておくべきというわけです。

しかし英BBCの取材では、この法律はロシアの製造業者や販売業者からの批判を浴びているとのこと。家電業界を束ねるロシア家電・コンピュータ製品販売・製造企業協会(RATEK)も、一部のデバイスにはロシア製ソフトをプリインストールできないため、ガジェットの背後にある国際企業がロシア市場を離れる可能性があると述べています。

また、ロシア製のソフトがユーザーをスパイするために使用される可能性があると懸念する声も上がっています。ロシアは過去5年間にわたってインターネットへの規制を強化しており、5月にもプーチン大統領がネット隔離法案に署名したことで、自由団体や国民からの強い反発を招いていました。

海外テックサイトのPhoneArenaは、アップルのiOSがクローズドシステムであることを考えると、ロシアのソフトがプリインストールされたiPhoneが提供される可能性は低いと推測しています。

すでにアップルはロシア当局からの要請を受けて、同国内にユーザーデータ保管用のサーバーを設置しています。これらの情報はすべて暗号化されてセキュリティが保たれているものの、ロシアのテロ対策法により、政府の要請に応じてユーザーデータを開示し引き渡すことを強いられる可能性もあります。

そうした経緯もある上に、ティム・クックCEOは中国当局の要請で約700本のVPNアプリを削除したときに「事業を展開している現地の法律に従う。たとえ同意できない政府だとしても、我々が関わることに価値があると信じている」とも述べており、今回も「法律に従う」可能性も否定できないでしょう。

Statcounterのデータでは、2019年10月時点でiPhoneのロシア市場シェアはサムスン、ファーウェイに続く第3位となっています。この市場を守るために妥協するのか、あくまでプライバシー重視の原則を優先し素性の怪しいアプリを入れるのを拒否して撤退するのか、今後の対応に注目が集まりそうです。

 
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