土星の月、タイタンの「世界地図」完成。地球同様に多様な地形、カッシーニ100回超のフライバイデータから

メタンの雨が降る世界

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年11月25日, 午後 02:00 in Space
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NASA
カッシーニ探査機が100回以上も行った土星の衛星タイタンへのフライバイで撮影した画像やレーダー観測データをもとに、タイタン全体の詳細な地図が制作されました。そこには、地球と同じように山々、平野、谷、クレーター、湖といった多様な地形が存在します。NASAのジェット推進研究所の惑星化学者ロザリー・ロペス氏は「タイタンには地球のように待機があり、風雨があり、山があります。このとても興味深い世界は、生命の存在を探すのに最高の場所のひとつです」と述べています。

タイタンの地表は2/3が平坦な地形で覆われているものの、赤道付近など全体の17%の場所で隆起した砂丘が形成されており、また14%の範囲で丘陵地帯や山岳地帯が存在します。さらに地表の1.5%ほどは液体メタンの雨に浸食された谷が迷路のように走り、地図には現れないもののやはり1.5%ほどの広さでそれがが流れ込んでできた湖があります。また、他の惑星や衛星でよく目にするクレーターがわずかしか存在しないのは、この地形が1~10億年前という比較的最近に(もちろん宇宙の尺度での話)形成されたからと考えられます。

この地図によって、研究者らはタイタンに季節があるのか、なぜこのような地形が形成されたのかといった謎の解明に取り組みます。たとえば、湖の多くが北極方面に形成されるのは、土星の楕円軌道に起因する北半球と南半球の夏の長さの違いが影響している可能性があります。また地形が若いのは、土星から受ける引力の変化で発生する潮汐加熱のせいでタイタンの地中にある硫酸アンモニウムやそれを覆う氷が溶けて上昇し噴出する低温火山のはたらきで、地表が更新される可能性が考えられています。

この地図の研究によって、タイタンの謎が少しずつ解明されていくことが期待されます。また、この地図は2026年に打ち上げを予定するNASAのDragonflyミッションにも役立つはずです。Dragonfly探査機は2034年にタイタンに到着し、そこから約2年半ほどをかけてタイタンの地表をドローンのような回転翼機で飛び回って探査する予定。その際、この地図は着陸機がどこへ降り立ち、どのように探査するかを前もって決定するために使われることになるでしょう。
 
 

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