TBSラジオが配信する音で観る映画「AudioMovie」でサスペンス作品を聴いたら没入感が凄すぎて放心状態に

AudioMovie、略してAM

砂流恵介(Keisuke Sunagare)
砂流恵介(Keisuke Sunagare), @nagare0313
2019年11月26日, 午後 12:30 in GUILTY
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TBSラジオが音で観る映画「AudioMovie(オーディオムービー)」をスタートしました。配信形式はポッドキャスト。第一弾コンテンツとして、スマッシュヒットしたデンマークの映画『THE GUILTY / ギルティ』を音声ドラマとして配信しています。1話約15分で、3話完結のコンテンツです。

この記事では、なぜポッドキャストでの配信なのか、ラジオドラマとの違い、などにも触れてAudioMovieを紹介します。

■なぜポッドキャストなのか?

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ポッドキャストで映画やドラマを配信する、ということに驚きをもたれる方もいるかもしれません。日本では非常に珍しい取り組みですが、米国ではポッドキャストでドラマを配信する事例が増えています。

例えば、MARVELはウルヴァリンを主人公にしたドラマ『Wolverine: The Long Night』をポッドキャストで配信しています。これはアニメやコミックが原作ではなく、ポッドキャストが原作です。サウンドは3D化されていて、ヘッドフォンやイヤフォンで聴くと立体的に聞こえる仕様となっています。

▲短い尺の紹介動画なののでサウンドの立体感を体験してみてください

ほかにも、アマゾン・プライムで配信されているジュリア・ロバーツのテレビドラマ初挑戦作『ホームカミング』も、元々はポッドキャストで配信されていました(原作がポッドキャスト)。このようにポッドキャストからはじまっているドラマが増えており、また、映画『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレックが、ポッドキャストのオーディオドラマ『Blackout』の主演を務めるなど、ポッドキャストでのドラマ配信が話題を呼んでいます。

日本でも2018年頃から音声コンテンツは注目を集めており、なかでも「Voicy」や「Radiotalk」など気軽に音声配信ができる(聴ける)サービスが人気です。それに加え、SoundCloudなどでポッドキャストを配信する企業や個人も増えましたが、これらは、ラジオ放送の延長線上に近いコンテンツです。

今回のTBSラジオのAudioMovieは、放送ではなくドラマで音声コンテンツを楽しむ取り組みとなります。

■ラジオドラマとの違いは?

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▲11月21日(木)に開催された特別先行試聴会がでは、トークセッションに登壇した芥川賞作家の羽田圭介さん(中央)が「AudioMovieは当事者感覚になれるメディア。説明台詞などの余計なものがないので当事者として没頭できる。AudioMovieは説明台詞のないラジオドラマ」とコメント。

日本で音声で聴くドラマといえば「ラジオドラマ」が代表に挙がると思います。ラジオドラマとAudioMovieの大きな違いは、ナレーションや主人公などが状況を説明するセリフなどがないこと。

例えば、ラジオドラマでは「誰々が明かりをつけた」といったナレーションや、主人公が「おれは〇〇。探偵をやっていて、今△△といったやっかいな事件を捜査している」といった説明が入ります。しかし、AudioMovieは説明台詞がないため視点がキャラクターにフォーカスされるので、当事者としてドラマを体験できるのが魅力です。

ちなみに、「ラジオドラマがなぜ音のつくり込みをしていないか」についてですが、携帯ラジオや車の中で聴かれることが多いので、細かい音の調整をしても聞き取ってもらえない、といった制約があるため細かい音のつくり込みをしていない、という背景もあるそうです。

筆者もさっそくギルティのAudioMovieをヘッドフォンで全話聴いてみました。映画のギルティは観たことがなく、ストーリーや設定なども予習していなかったのですが、頭の中で自然とキャラクターの人物像が思い浮かんできます。

電話を通して誘拐事件を解決していくというサスペンス作品なので、緊張感のあるシーンでは筆者も息を殺して耳を傾けていました。この臨場感や没入感は、映像や音で五感を圧倒する映画館での鑑賞とはまったく違う、AudioMovieならではの新しい体験でしょう。

AudioMovieはなぜこれほどの没入感を提供しているのかをしばらく考えてみた結論としては「役者の台詞と環境音だけという最小限な情報だから」だと思います。情報が少ないからこそ、能動的に頭を働かせることで想像力を掻き立てられます。物語に入り込むほど、事件の顛末が気になるのでユーザーが聞き逃さないようになってしまう構造や、題材選びも秀逸でした。

■まとめ

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2020年11月21日まで公式サイトなどで無料で配信されているので、少しでも気になったかたはぜひ一度聴いてみてください。ストーリーを聞きやすいヘッドフォンやイヤフォンがおすすめです。

現在公開されているのは『THE GUILTY / ギルティ』のみですが、コンテンツが拡充されていくとのこと。また、映画よりも制作予算が少ないので、新しいコンテンツのトライアルや登竜門としての役割も狙っているそうです。

今回のラジオドラマを制作するにあたって、何度も脚本の書き換えと、録音の撮り直しをしているそうです。さらに、「ナレーションを極力入れない」「聴覚は短期記憶なので序盤で伏線を張って終盤で回収するのには向いていない」などのメソッドも出来上がり始めているとのことだったので、次回作が楽しみになりました。

今回は元々ある映画のポッドキャスト化ですが、TBSだけに今後はポッドキャスト原作からテレビドラマ化や映画化の展開もありそうなのでそこにも期待したいと思います。

『THE GUILTY / ギルティ』

今年2月に公開され、小規模の公開ながら口コミが広がり大ヒットを記録したデンマーク発の新感覚サスペンス映画『THE GUILTY/ギルティ』。本作は「電話からの声と音だけで、誘拐事件を解決する」というシンプルな設定ながらも、予測不可能な展開で観る者を圧倒させ、サンダンス映画祭やロッテルダム国際映画祭をはじめ、世界中の映画祭で観客賞を総なめ、アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表にも選ばれ、ジェイク・ギレンホール主演でハリウッドリメイクも決定した話題作。


 

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