2020年は水素元年に。世界最大級の大型貯蔵施設と国際輸送がスタート

NEDOが紹介する水素活用の現在地

石井徹(TORU ISHII)
石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年12月4日, 午前 11:00 in technology
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NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は3日、水素エネルギー事業に関するメディア向け説明会を実施。水素エネルギー活用を巡る世界と日本の状況を紹介しました。

水から精製できる水素は、燃焼させても温室効果ガスが出ないことから、次世代の燃料としての活用が期待されています。NEDOでは1981年から研究開発を開始し、家庭向けの燃料電池(エネファーム)や燃料電池自動車(FCV)といった製品の基礎となる技術を蓄積してきました。

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そんな水素・燃料電池を巡って、2020年には大きな動きがあります。世界最大規模となる水素の生産・貯蔵拠点「福島水素エネルギー研究フィールド」が稼働を開始します。この施設では1万kW級の水素製造設備を備え、燃料電池車や工場向けの水素を供給。さらに将来の水素社会の到来に向けて、水素エネルギーの需給調整の機能も兼ね備えており、水素社会のインフラとしての機能が研究されます。

2020年10月には、水素運搬船も竣工予定。この船は将来の水素資源の輸入に備えて液化水素を安全に運べる仕組みを備えており、2021年1月には2国間での水素輸送(オーストラリア 日本)の実験も行われます。

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また、冷却した液化水素を輸送する方法のほか、溶媒に水素を溶かすことで高密度で検証する方法も検討が進められています。今年2019年11月には、トルエンを媒体とした水素運搬船が東南アジアのブルネイから出航。12月中には日本に到着する予定となっています。

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水素社会の実現に向けて、日本政府は2030年までの具体的な目標を定めたロードマップを策定済み。そのインフラを支える技術の基盤が着々と整いつつある状況です。

世界でも水素エネルギーの活用は進んでおり、欧州では水素を燃料とした燃料電池電車が制作されているほか、中国では燃料電池自動車が急速に普及しているなど、各国の課題にあわせたかたちで水素エネルギーが導入されつつあります。


NEDO▲日本では製造・供給にかかる目標コストを設定し、コスト圧縮に取り組んでい取り組んでいます
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NEDO 次世代電池・水素事業部 統括研究員の大平英二氏は、「日本は2000年初頭から水素の安全性に関する試験を行っていて、実験に基づくデータの蓄積がある」と説明。今後、水素の輸送や供給に関する国際標準規格を策定する際も、日本が主導する立場を取り得るとの見方を示しました。

NEDO▲NEDOの大平英二氏

一方で世界の水素エネルギー市場をみると、特に中国の追い上げが激しく、大平氏は「日本の強みがいつまで強みとなるか分からない」と懸念も表明しつつ、基礎技術の蓄積を続けて行く必要があると強調しました。
 
 

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