d払い ミニアプリでモバイルオーダー機能搭載へ、ドコモと「O:der」運営社が資本業務提携

ドコモの競合との提携も制限しない緩い提携

石井徹(TORU ISHII)
石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2019年12月5日, 午後 08:30 in NTTdocomo
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O:der
モバイルオーダー「O:der」を運営するShowcase Gigは、NTTドコモの出資を受け入れ、資本業務提携を行うと発表しました。両社は今後、ドコモ支払いアプリ「d払い」に対応するモバイルオーダー機能の開発で協力します。

スマホの普及とキャッシュレス決済の広がりにあわせて、モバイルオーダーに注目が集まっています。モバイルオーダーとは「スマホから事前注文して、食事をお店で受け取る」という、新しい消費形態のこと。中国や米国、欧州などでは広がりを見せていますが、日本では現状、大規模な加盟店網を持つ事業者が存在しないブルーオーシャンな業態になっています。

そうした市場の状況の中で、2013年からモバイルオーダーの仕組みを開発してきたO:derは、順調に加盟店、取り扱い高を増やして成長を続けています。


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一方で、スマホ決済アプリは覇権を目指す決済事業者が多数登場し、しのぎ削る状況になっています。そのアプリ事業者の多くが究極の目標として掲げるのは「スーパーアプリ」と呼ばれるアプリになること。

配車サービスや出前注文など、日常生活全般にかかわるサービスを提供することで、決済以外での収益化を目指す、というのがスマホ決済を展開する各社の共通認識となっています。


そして、決済以外のサービスで稼ぐ、という点についてはドコモがd払い・dポイントを軸に掲げる目標においても共通しています。d払いでは9月に「ミニアプリ」という機能を発表し、アプリから配車予約やモバイルオーダーといった、生活関連サービスが利用できるよう拡張していく方針を示しています。


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■d払い上でO:derの一部加盟店と連携

今回の業務提携の目玉は、ドコモの「d払い」のミニアプリとして、Showcase GigのO:derの"プラットフォーム"を導入していくというもの。ユーザーにとってのメリットは、お店のアプリを入れずとも、普段使っているd払いアプリから予約注文ができること。そして決済機能によって支払いもオンラインで完了するため、あとは受け取るだけで済みます。

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ただし、d払いから「O:der」が使えるようになるわけではなく、O:derの仕組みを使って、加盟飲食店のモバイルオーダーが利用できるようになる、という形をとります。

たとえばd払いのミニアプリでは2020年春に「吉野家」の事前注文・事前決済が行えるようになりますが、これはO:derの仕組みを活用したものになるとしています。

この吉野家の例のように、d払いに対応するのは、当初は加盟店が1000店を超える大規模チェーンが中心になると見込まれます。

それはなぜかというと、現状のd払いミニアプリの仕組みでは、多数の加盟店が追加された場合に、すべてを整理して表示する手段が存在しないから。もしO:derの既存の加盟店をすべてd払いミニアプリとして並べてしまうと、アイコンが乱立する状況になってしまいます。

その対処策として、ドコモではd払いでO:derの中小加盟店を表示するための方法を検討しているとしており、それがd払いに実装される来年2020年の春ごろまでは、O:derの大半を占める中小の加盟店へのd払いの実装は待たれるものと思われます。

■Showcase Gigにとってはドコモ独占ではない

今回、NTTドコモはShowcase Gigの第三者増資の割当を引き受ける形で10億円を出資。出資完了、ドコモはShowcase Gigの少数株主となるとしています。

Showcase Gigが日本のモバイルオーダーサービスの中で加盟店網を抱えるほぼ唯一の存在となっていることに対して、ドコモではスマホ決済アプリでPayPayやLINE Pay、楽天Payなどの多くのライバルを抱えています。

O:der▲NTTドコモ 執行役員 前田義晃氏(左)と、Showcase Gigの新田剛史社長

そのPayPayやLINE、楽天も"スーパーアプリ"への展開を標榜していることを踏まえると、気になるのはドコモの出資によりShowcase Gigの他社との提携に制限が加わるのかどうかということです。

その「ドコモの出資によりShowcase Gigが他社との提携を妨げれる可能性があるのか」については、ドコモの執行役員 前田義晃氏は明確に否定しました。前田氏は「ドコモとの連携を一番に深めていただきたいが、ドコモは株主という立場。他の事業者との提携も株主価値を高めるために制限しない」と話しました。一方で、ドコモはdポイント・d払いの加盟店開拓がShowcase Gigのシステムの導入提案も行っていくとしています。

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両社は提携により、「d払いミニアプリにおいて、Showcase Gigのシステムを導入する加盟店を2020年度以内に1万店に増やす」という目標を提示しました。

■決済端末O:der KioskでQR決済対応

Showcase Gigではモバイルオーダー以外にも、注文システムをいくつか展開しています。ふらっと店頭に立ち寄った来店客が使える注文端末「O:der Kiosk」もその1つで、JR東日本系列のハンバーガーチェーン3店舗で導入されています。

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このO:der Kioskはいわば「食券販売機」ですが、スマホ版のO:derと同じ画面構成で、品物を選んでカートに入れて......というオンラインショッピングと似た手順で買い物ができる点に特徴があります。

JR東日本との発表会で披露されたO:der Kioskは交通系電子マネーとクレジットカードのみの対応でしたが、今回の発表会ではこのO:der Kioskで新たにQRコード決済に対応したバージョンが展示されていました。こちらはd払いのほか、PayPayやLINE Payなどもサポートしています。

O:derO:der

Showcase Gigの担当者は、「現在はJR東日本以外とも導入に向けた検討が進んでいる。2020年には少なくとも数社で採用が決まるだろう。決済手段は加盟店の要望にあわせて用意することになる」とコメント。今後、現金払いに対応したO:der Kioskの投入も検討していることを明らかにしました。
 
 
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