物欲を煽ってくるHPのSpectre x360 13。4K有機ELとLTEだけじゃない評価のポイントをズバリ!(本田雅一)

気になる部分もあるけれどWindows機では最右翼

本田雅一
本田雅一, @rokuzouhonda
2019年12月5日, 午後 04:00 in personal computing
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Spectre日本HPが新しいプレミアムラインのPCをバーニーズ ニューヨーク銀座本店で発表しました。なんでも高級百貨店のバーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEWYORK)に展示スペースを作るのだとか。

パソコンとバーニーズ ニューヨークの組み合わせの不思議さを感じながら現地を訪れると、そこにあったのは16インチMacBook Proの取材で訪問した際にニューヨークの家電店に置いてあった超小型13インチノートPCだったのでした。

Spectre

......ということで、すでに米国では発表済だった製品ですが、ズバリ「この製品のココがいい!」と煽り気味にレポートしたいと思います。



「ENVY」「Spectre」と、2つのモデルが登場していますが、Engadget読者向けの本命モデルはSpectre。価格はやや高めですが、この仕上がりとデザイン、サイズ感。それでいてベースモデルは14万円を切ってるのですから、選ぶなら圧倒的にSpectre x360 13でしょう。今回のインプレッションでは、Spectre x360 13にフォーカスしますけれど、先に結論を書いちゃいますね。

薄いぞ! 軽いぞ! というのが、国内における13.3インチクラスのノートパソコンの競争ルール。でも、この製品はそうした枠から外れ、"体験の質"を上げるために製品バランスをどう取るのか? そこを考えて設計された製品だと思いました。

もちろん、軽ければ軽いほうがいいという価値観もあるでしょうけれど、モノとしての質感なども含め、Windows機で選ぶならこれが最右翼に来るかなぁと思いましたよ。

天板面積の90%!超狭額縁OLEDを採用

Spectre

HPの新Spectre。新モデルで目立つのは、やはりその狭ベゼルぶりでしょう。4Kの13.3インチOLEDもしくは液晶から選択できるディスプレイは、天板の90%の面積を占める超狭額縁設計。その決め手となっているのが、薄型設計のカメラ部です。

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▲高さ2.2mmのカメラモジュールユニット

高さ2.2mmしかないカメラモジュールユニットは、Windows Helloに対応。カーソルキー手前に指紋センサーも置かれており、どちらを使っても生体認証できます。

しかし、自発光ディスプレイのOLEDということで、気になるのはやっぱり「焼付き」ですよね。画素が自発光するデバイスの場合、画素ごとに発光時間や発光する強さが異なるため、画素ごとに焼付きが起きやすく、輝度ムラが生じやすいのは周知のこと。常に動画ばかりを映すテレビとは異なり、タスクバーなどの固定された表示が多いパソコンの場合でもOLEDは問題ないのか?

そのあたりを日本HPの担当者の確認したところ、表示シフト(画素を定期的にずらしながら表示することで焼き付きを緩和する、昔、プラズマディスプレイで使われていたテクニック)などは使っていないものの、実用上、気になる焼付きは発生"しません"と断言していました。

本当に断言して良いのかな? と思いつつもう一度尋ねましたけれど、「しません!」と力強く返ってきましたよ。

Spectre

OLEDということで、漆黒の黒を表現できるコントラストの高さも魅力ですが、実はsRGB、Adobe RGB、Display-P3を切り替えて使うことができるそうです。これは便利。実際にどこまでカラーがマッチするかは実機で試したいところですが、発表会場での印象ではかなり高画質だと感じました。

さらには前面をガラスで覆い、低反射コートが施されています。コーティングの質という部分はMacBook Proに匹敵するもので、OLEDとの組み合わせもあって素晴らしい見え味でしたね。

"薄さへの欲"を捨てたことで生まれた美しさと機能性

さてOLEDには"薄い"という特徴もあるのですが、実は今回のSpectreの13インチモデルは旧モデルよりも本体が厚くなっています。

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▲ステイシー・ウルフ氏

HPのデザイン部門を率いているステイシー・ウルフ氏によると、これはあえて"薄くないことを選んだ"のだと言います。超狭額縁にするために厚みを許容したとも言えますが、一方で厚みを許容する......言い換えるなら"より薄くを目指す欲求"を抑えたことで、かえって美しくバランスのよい、今のPCに求められる機能と性能が得られているのだと思います。

Spectre

スペックをみると、先端部が16mm、ヒンジ側の最厚部が18.5mm。充分に薄いと思いますが、薄さにこだわらなかったおかげで良いことがいくつもあるという印象でした。

画面サイズが同じでサイズが大きな旧モデルと比較して2倍の性能を持つのは、第10世代Intel Coreプロセッサを採用しているから。それでいて、22.4mm奥行きを詰めたコンパクトサイズにも関わらず、22時間(液晶モデル)のバッテリ駆動時間を確保しているのはバッテリを内蔵するスペースがあるからに他ありません。

たくさんのバッテリを搭載するため、重さは1.24kg(OLEDモデルは1.22kg)となっていますが、これだけの性能を外観だけなら11インチモデルと間違えそうなコンパクトさにまとめ上げる、という方向性は、薄型・軽量の追求とは別のものとして肯定的に捉えました。

22時間駆動なんていらないだろう! というツッコミは、テキスト文書中心のオヤジ世代の発想。HPによると、若年層はパソコンを使う時間が増えているんだそうです。その背景にあるのは、動画を中心としたメディアを操るひとが増えているから。動画などリッチなデジタルメディアを扱うために、若年層でスマートフォンやタブレットよりもパソコンを使う時間が長くなっているという調査結果があるのだとか。

話が飛んだように思うかもしれませんが、動画などリッチなメディアをたっぷり扱っていると、バッテリはガンガン減っていきますよね。しかし、22時間というスペックならば、どんなにパフォーマンスを引き出しても安心でしょう。

また、過剰とも言えるバッテリ性能だからこそ、OLED搭載モデルが用意できているとも言えます。OLEDは消費電力が大きく、本機のOLEDモデルならバッテリ駆動時間は10時間にまで減ってしまいます。

まぁ10時間あれば充分だろうという指摘もあるかもしれませんけれど、もし並のノートPCなら5時間以下のバッテリ駆動時間になっていたはずです。

ウルフ氏は13.3インチOLEDのサイズに合わせ、ギリギリまで詰めた狭額縁デザインにした一方で、詰めた空間をあえて"厚さ"に割り付けることで各種部品の収まりを良くしたと話していました。

しかし、それだけではありません。空間が広がるため放熱性能も高まります。Ice Lake(第10世代Intel Coreプロセッサ)はクアッドコア構成ですが、コア数が増えるほどに放熱性能が実用性能に影響します。

そんなわけで、実際に製品を目にして「分厚いのは"アリ"」と思ったわけです。

キーボードもよくできているのだけど、ひとつだけ......

Spectre

最薄・最軽量を目指した製品と明らかに異なるのはキーの感触も同じ。シャーシ剛性の高さが、そのまま打鍵感時のしっかりした感触へとつながっています。360度、クルリと回るヒンジ部も重厚かつ剛性が指に伝わるもの。

キーはストロークも十分に取られ、明確なクリック感を持ちつつ、底付きはソフトな感触。打鍵音は極めて静かで、普段、MacBook Proを使っている身からすると音がしないに近いぐらい静かです。

しかし、近年のHP製パソコンの多くがそうであるように、メインのキーレイアウトのさらに右に、隣接してキーが配置されているのが気になりました。日本語キーボードの場合だと、Enterキーの右に、PageUp/PageDownが並んでおり、しかも間隔も空けられていない。ちなみに今回はモデルチェンジ対象ではない15インチモデルはテンキーが隣接しています。

慣れの問題とはいえ、普段フルサイズのキーボードを使っているならば、やや左にオフセットして手を置く感覚になるはず。もちろん好みもあるため、この配置については実際に店頭などで確認しておきたい部分でしょう。

いずれにせよ、シンプルなアップルのデザインとは真逆の価値観ながら、ディテールにこだわった作り込みは個人的に気に入りました。

個人的に購入するならば、LTEモデム搭載の液晶モデルが第一候補になりますが、ディスプレイを重視してOLED搭載モデルにしたとしても価格はほぼ同じ。もっとも無難なモデルはまだ出荷前のスタンダードモデル(15万9800円)になるのかもしれませんが、この程度の価格差ならば"物欲に任せて"みるほうがトータルの満足度は高そうですね。

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