NASA太陽観測機の最初の成果が太陽風の秘密を明らかに。磁場の反転現象など発見

まだ観測は続きます。

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年12月6日, 午前 07:00 in Space
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NASA / SDO
太陽に接近観測する探査機Parker Solar Probeの、最初の2度の接近観測で得られた大量のデータをもとにした研究論文がNatureに掲載されました。これら論文は太陽風が太陽の回転とどのように関係しているかに関する研究についてものになっています。Parker Solar Probeは2度のフライバイで太陽に約1500万マイル(約2400万km)にまで接近し、太陽風の振る舞いに関する新たな発見をしたとNASAの科学担当副長官Thomas Zurbuchen氏は述べました。

たとえば太陽風の磁場の方向が反転する"スイッチバック"とよばれる現象が、水星の軌道より太陽側で発生していることを発見しました。これは数分間しか続かない現象ですが、観測機は実際にいくつかのスイッチバックを通過していました。

我々の惑星からみた太陽風の放出される方向はまるで自転車のスポークのように太陽の周囲に放射状に出ているように観測されますが、Parker Solar Probeは太陽に約2000万マイルまで接近したときに、太陽風の方向には太陽の回転による横向きの力も加わっていることを観測しました。これは予測よりもはるかに強い力ではあるものの、一方で予測よりも早い段階で放射状に移行することもわかったとのこと。

さらに、Parker Solar Probeは、太陽風の中にまず地球に到達できないであろう小さなエネルギー粒子による現象や、重元素の比率が特に高く珍しい粒子バースト現象も捉えました。科学者はこれらがまれに発生するタイプの現象と考えていたものの、実際はより一般的に起こっている可能性がありそうだとしています。

また、太陽の熱が宇宙塵をガスに変えてしまうため、太陽に近いところでは塵がなく約700万マイル(約1130万km)ほどの距離から塵が観測され始めることも確認されました。これは1世紀ほど程前から予測されていたことですが、実際に確認されたのは今回が初。科学者らは、太陽から約200万~300万マイルの範囲が"本当に塵が存在しないゾーン"であると考えています。

これらの発見は太陽風が発生する理由や、その寿命を知ることができると考えられる太陽の減速率、宇宙の気象ともいえる粒子のイベントの影響などについて、これまでのわれわれの理解を変える可能性があるとされます。観測機は2020年9月に太陽から約200万~300万の距離の"本当に塵が存在しないゾーン"を観測する接近観測を予定しています。

ちなみに、2020年にはESAの太陽周回観測機Solar Orbiterも到着し、Parker Solar Probeが観測する現象の原因の調査し、太陽風が生まれ加速するしくみの解明を行うとのこと。Parker Solar Probeは最終的に太陽に600万kmまで近づいてコロナと呼ばれる太陽外縁のガス層を間近に観測する計画です。


 
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