NASA、大型ロケットSLS燃料タンクの破壊検査を実施。構造上の限界値把握で後の設計改善に活用

Artemis Dayイベントでは”最強のロケット”と紹介

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi
2019年12月11日, 午後 12:10 in Space
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NASA
NASAが開発中の大型ロケットSpace Launch System(SLS)が、その最大級の燃料タンクの構造性能検査を実施しました。この検査はタンクに定格以上の外力をかけ、故障した時点の各種センサー値を事前予測と照合するもの。実際に故障させることで設計上の使用限界とマージンが把握できます。12月5日、アラバマ州にあるNASAマーシャル宇宙飛行センターで行われた検査では巨大な油圧ピストンを使い、容器に対して圧縮、引っ張り、曲げの力を徐々に加えました。各所に設置された圧力、温度、応力を調べるセンサーが数値を測定し、タンクは構造的な座屈が発生してからも5時間にわたって飛行時予想負荷の260%以上の力に耐え得ることが確認されました。また座屈が発生したときの負荷は開発を担当するボーイングの試験評価グループが予測した数値と誤差3%以内であり、タンク設計に関する高い信頼性が得られたとのことです。
NASAの技術者は「我々は意図的に構造の限界点まで圧をかけ、この容器を破壊しました。これは故障に至る条件にシステムを晒すことで、ロケットを理想的に構築するために役立つ追加の情報が得るために行っています」と述べています。マーシャル宇宙飛行センターの主任テストエンジニア、マイク・ニコルズ氏は「この圧力容器検査はNASAのロケット用加圧タンク史上最大の故障検査だ」と述べ、ロケット用燃料タンクを設計するすべての航空宇宙企業に役立つものになるとしました。

NASA今回予測どおりの結果が得られたことで、サターンV以降最も複雑なロケット1段目の開発が完了したことになるとしました。SLSは、記事執筆時点では2020年に予定されるAltemis IミッションでのOrion宇宙船打ち上げに使われる予定です。


 

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