NASA、小惑星ベンヌの 粒子放出 を調査中。サンプル持ち帰れば「ほぼ確実に小惑星の理解深める」

帰還予定は2023年

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年12月10日, 午後 06:30 in Space
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NASA/Goddard/University of Arizona/Lockheed Martin

NASAの小惑星探査機OSIRIS-RExは2018年の暮れに直径490mほどの小惑星ベンヌに到着しました。そしてこの小さな星を周回しながら観測し、さらに2020年のサンプル採取のための準備を進めています。しかし、すでにOSIRIS-RExは驚くべき現象を発見しています。12月6日付けでScienceに掲載された論文によると、2019年のはじめに、探査機は小惑星から何らかの粒子が吹き出しているのを発見しました。ただし、その粒子が何かは判明していません。一般的に氷でできた彗星などからは太陽への接近に伴って水蒸気が噴出したりするものですが、活動している小惑星、そしてなにかを噴出している小惑星などはめったにあるものではありません。しかしベンヌはこれまで80万個の小惑星のなかからわずか12個だけ発見されている「活動的な」小惑星の仲間だと考えられるとのこと。

OSIRIS-RExは1月1月11日から2月18日までの5週間に少なくとも11回、バスケットボール大の"粒子"を毎秒数cm~数mの速度で噴出する現象を起こしました。
NASAの管制チームはまず、この粒子の放出がベンヌを集会するOSIRIS-RExに影響する可能性がないかを心配しました。しかしその可能性は非常に低い事がわかり、その後は粒子の軌跡を計算して、その発生源を突きとめようとしています。粒子の多くは宇宙空間に放出され、ベンヌの周囲を数ヶ月から数年間回る軌道に乗ります。また一部はベンヌの地面に落下します。

ベンヌからこのような粒子が噴出している理由はには2つの仮説が考えられます。ひとつは流星物質と呼ばれる小さな物質がベンヌに衝突して粒子を放出しているとの説、もうひとつは、4.3時間で自転するベンヌの"昼"と"夜"の表面温度変化による熱応力破壊と呼ばれる現象。OSIRIS-RExはベンヌからの水蒸気の放出も観測しています。これは水分を含む粘土層が表面のひび割れで露出した際にも発生する可能性がありさらにひび割れが粒子の噴出にも関係するとも考えられます。

NASAはOSIRIS-RExを2020年夏に予定するベンヌでのサンプル採取の際に、放出された粒子も採取しようと考えています。そして、それが持ち帰られれば「ほぼ確実に小惑星の理解を深める」だろうと述べています。NASAは最低でも60g以上、最大で2kgのサンプルをベンヌから収集し、2023年9月に地球に戻ることを計画しています。

ちなみに、小惑星ベンヌは2169年から2199年までの間に8度地球に接近し、そのうちのどれかで地球に衝突する可能性が指摘されています。その確率は最大でも1/2700とされるものの、これはこれまでに知られているどの天体よりも高い確率とのことです。
 
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