NASA、火星「埋蔵氷」の予測地図を公開。飲料・燃料資源として着陸地選定に活用

スコップで数cm掘れば出る場所も

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年12月13日, 午後 01:00 in Space
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ESA
NASAをはじめとして世界各国がいま、月へ飛行士を送り込むために必要な技術の開発競争を繰り広げています。それは将来、火星へと足を伸ばすためのステップでもあります。

現時点で火星への到達はまだまだ困難ではあるものの、到着したときに火星のどこへ降り立つかもまた、重要な検討事項です。これまでの地球を出発する有人宇宙飛行では、飛行士は非常に重い水を含め生存に必要な物資をすべて抱えて宇宙へ飛び出していました。しかし火星に行くとなると話は別で、到達した後の活動にはどうしても、飲料そして燃料の材料になる水を現地調達しなければなりません。NASAは最新の研究でMars Reconnaissance Orbiter(MRO)と2001 Mars Odysseyによる観測データから、火星の地下に隠れている"water ice"、つまり水が凍った状態で存在する可能性の高い「地下氷マップ」を作成、公開しました。

NASA

火星における地下の氷は、飛行士が現地で生き延びるために必要不可欠な飲料水となります。今回の地図は将来火星に降り立つ者にとって、それこそ埋蔵金のありかを示す地図と同様の価値があると言えるでしょう。

地図では、火星の中緯度から高緯度にかけてが着色された部分が氷が見つけやすいであろう地帯として表されています。また白い枠で囲った部分はアルカディア平原とよばれ、過去に氷河が地形を浸食したと推測されていることから氷の存在可能性が最も高い場所のひとつです。

さらに、地図上の紫色の部分は地表から立ったの2~3cm下には氷があるかもしれないとされる場所。この部分ではパワーショベルなどは必要なく、スコップで少し掘れば氷が顔を出すだろうとNASA JPLのSylvain Piqueux氏は述べています。一方、地図上の真っ黒な部分は塵の堆積した塵が多く、探査機の着陸に適さない場所です。

火星は大気が薄く、液体の水は蒸発して消えてしまいますが、氷の状態であれば水は安定してその場に止まります。NASAは2008年6月にPhoenix着陸機で地表を掘り起こし、氷とみられる白い塊を発見し写真を撮影しました。この塊は数日後に同じ場所を撮影したときには消滅しており、氷が溶けて蒸発してしまったと推測されています。

火星の極地にある氷冠とよばれる一帯の地下には液体の水も存在すると考えられており、今回の地図による情報も踏まえて、NASAは最終的に火星のどこへ飛行士を送り込むかを決定できるとしています。

 
 

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