アップル技術陣、新Mac Proの冷却システムを詳しく解説。多数の穴の理由とは?

冷却システムの秘密が明らかに

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2019年12月14日, 午前 06:30 in apple
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MacPro
新Mac ProとPro Display XDRは11日(日本時間)から販売開始となりましたが、6月の発表当初から前面と背面に敷き詰められた穴が大きな話題となっていました。これらは圧倒的なパワーを存分に発揮させるための冷却効果が目的とされています。

アップルの開発担当者らが、これらの設計に含まれた革新的な冷却機能の一端を詳しく説明しています。同社のハードウェアエンジニアリング担当バイスプレジデントJohn Ternus氏とプロダクトデザイン・アーキテクチャー担当シニアディレクターChris Ligtenberg氏は、海外技術メディアのポピュラーメカニクス(Popular Mechanics)にて新Mac Proの冷却システムに注いだ苦労と工夫を語っています。

一般的なハイグレードPCやディスプレイは大きなファンやポンプ駆動の水冷式といった大きな音を立てる冷却方式も選択肢に含まれますが、Macにおいては「限りなく静音」は死守すべき一線です。そうした制約のなか、新Mac Proの途方もない処理能力を最大限に引き出すために、「熱力学の法則を活用する」新たなアプローチを見つけなければならなかったと語っています。

たとえば、新Mac Proの動的な内部冷却は、ケース前面の内側に設置された3つの軸流ファンと背面にある送風機で構成されています。6月の発表のさいにもCPUやGPUのクーラーはファンレスとなっており、にも関わらず冷却システムはこれだけ、ということが驚かれていました。

これら3つの軸流ファンは全て、既製のファンが大きすぎるために社内で開発する必要があったと述べられています。

Ligtenberg氏いわく「数年前、ファンの再配置を開始しました」とのこと。「それらは動的にバランスが取れていますが、BPF(ブレード通過周波数/ブレードによる風切り音の周波数)は実際にはランダム化されています。そのため、とても煩わしく思われる高周波は出ません」と語っています。

静音に近づけるソリューションは、自動車タイヤからほぼ丸ごと応用したとのこと。「その音を聞こえないか、聞こえたとしてもある種の心地よいノイズとなるように、素晴らしいパフォーマンスを目指しました。そのように最適化するために、莫大な分析を注ぎ込みました」と振り返られています。

そうした動的な内部冷却システムを助けるのが受動冷却、すなわち前面および背面に多くの穴が開けられて十分なエアフローを確保した金属製ケースです。「このパターンは多くの表面積を与えてくれます。とても有益です」ということで、全面冷却穴の有用性が強調されています。

またPro Display XDRにも冷却穴が開けられていますが、通常の穴であれば90度回転させるとエアフローが減少してしまいます。そこを半球形の穴とすることで、どちらの方向であっても同じように空気が流れるようにしたと語られています。

そうした苦労や工夫のかいあって、絶大な処理能力を発揮するための冷却効果をファン3つで実現にいたった新Mac Pro。まさに59万9800円(税別)、フルスペックだと574万円超のハイエンド製品に相応しい労力が注がれたといえますが、「正面に冷却穴だらけ」はビジュアル上のインパクトを少しは狙ったのかもしれません。

 

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