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アップルが雑誌・ニュース読み放題の定額サービス「Apple News+」を3月に開始してから、すでに9ヶ月が経過しました。しかし、これまでの結果では、参加した出版社の収益にほとんど影響を与えていないとの噂が報じられています。Apple News+は数百もの雑誌や新聞が、月額9.99ドルですべて読めるもの。年間にして8000ドルもの価値があると謳われており、当初の提供地域は米国およびカナダのみでしたが、後にオーストラリアやイギリスでもサービス開始されました。

開始当初こそ48時間で20万人以上ものユーザーが購読を申し込んだとして好調が伝えられていましたが、先月には「最初の数日から実質的に増加していない」との観測もありました

さて今回の続報は、オンラインメディアのDIGIDAYが伝えるものです。参加した出版社にとっては収益を増やし、世界各国の読者にリーチする役には立ったことは事実ではあるものの、これまでのところApple News+から得られた収益は控えめであるとのことです。

Apple News+の収益は、月額9.99ドルのうちアップルが50%を取り、残り50%はユーザーがコンテンツを読むのに費やした時間に応じて、各出版社に配分されるしくみです。つまり購読者が増えれば取り分は増える一方で、加入者数が足踏みであれば各社が手にする利益は少なくなります。

ある出版社の話によると、Apple News+からの収益は月額2万ドル(約220万円)未満ではあるが、サブスクリプション収入と購読者数を維持したい欲求はあり、来年もアップルとの契約を更新する価値はある。とはいえ「わが社のBusinessにとって大きな恩恵というわけではありません」と但し書きを付けています

また別の出版社はApple News+に参加してからの結果が「励み」になっており、米国外で読者を増やすのに貢献していると述べています。もっとも、Apple News+の中でどれほど読者が増えたかは明かしていません。

さらに「有料版(無料のApple Newsに対して、Apple News+を指す)はある程度読まれてはいるし、アップルはこれに力を入れ続けるとは思う。我々のような出版社にとっていいかどうかはまだ決まっていない」と口を濁したコンデナスト(多国籍雑誌出版社)CEOの言葉も伝えられています。

アップルがApple News+の購読者を増やそうとする動きは、これまでも何回か報じられています。今月初めにもブラックフライデー限定として米国およびカナダ向けに初回無料期間を通常の1ヶ月から3ヶ月とするキャンペーンを行い来年はApple Musicや動画配信のApple TV+とバンドルして多くの加入者獲得を目指すとの噂もありました。

有料会員数が伸び悩んでいることは窺えるものの、大手ではない中小の出版社にとっては、当初のユーザー20万人の数分の1といえども大きな数字であり、知名度や購読者を増やすチャンスには違いありません。アップルのテコ入れ施策や各出版社の動向、さらには日本など世界各国でもApple News+を提供するのか、今後の展開を見守りたいところです。