Bigscreen

VR仮想スクリーンアプリ Bigscreen が、ハリウッド映画を上映する仮想映画館 Bigscreen Cinema をオープンしました。

仮想の映画館内で最前列から最後列まで座席を選び、フレンドや見ず知らずの他人と一緒にアバターの姿で、仮想ポップコーンやトマトを持って3Dまたは2D映画を鑑賞できます。音声チャットも有効なので、プライベート設定ならば映画をネタにおしゃべりしたり、自主的に応援や絶叫上映も可能です。

上映作品は週替りで4本。現在はハリウッド版攻殻こと『Ghosts in the Shell』(3D)、『トランスフォーマー:Dark Side of the Moon』 (3D)、リブート版『Star Trek』(2D)、インディー・ジョーンズの第一作『レイダース:失われた聖櫃』 (2D)を30分間隔で上映中です。Bigscreen

鑑賞チケットは作品ごとに2D 400円・3D 500円。48時間以内なら何度でも視聴可能。

ストリーミング動画サービスが一般的になり、月に数百円も出せばつい最近の作品も含めて映画もドラマも観放題、多くのサービスは VR でも視聴できるこのご時世に、一本で400円や500円、週に4本からしか選べず、30分ごとの上映開始タイミングにあわせる必要があるのは、単なる映画視聴アプリとしては滅茶苦茶です。

一方、Bigscreen Cinema ならではの点は、ただのVR仮想画面ではなく仮想映画館をアバターで訪れ、遠隔地の友人知人と一緒に、会話しながら楽しんだり、パブリック上映では世界中の見ず知らずのユーザーと鑑賞もできること。

プライベート上映とパブリック上映から選ぶことができ、パブリックの場合は上映中にうるさい客がいた場合は個別にミュートも、全ミュートもできます。

最前列に座れば視界を覆う巨大スクリーンになる一方、横を見ればフレンドのアバターが頭の向きや両手の身振りと音声ありで座って / 立っていたり、仮想トマトを投げつけたりも可能。

要は一緒に映画にゆく体験、巨大なプライベートシアターに友人を招く体験を仮想で提供することが趣旨です。その気になれば応援上映なり絶叫上映も。

Bigscreen はもともとPCのVRヘッドセット向けに、デスクトップをVR仮想画面に表示できるアプリとして使われてきました。最近はアバターと仮想ルームを使うことで、共同作業やメディア鑑賞ができるテレプレゼンス的なアプリとしての拡張を進めています。

パラマウントから劇場映画のライセンスを取得して「開業」した仮想シアターも、映画館で人と一緒に見る体験を提供する狙いです。

Bigscreen

動画サービスとして見た場合の注目は、大手のストリーミング動画サービスではほとんど提供されていない3D作品が見られること。

一般的な動画サービスでは、3D版は通常版よりも倍の帯域を使うこと、またコンシューマ向けの3Dテレビや3D表示デバイスがほとんど死滅したことで需要がなく無視されてきた一方で、劇場では多くの作品で3D版が作られ併映されているのはご存知のとおりです。

自宅で3D映画を観るために3D版収録の円盤を買い、売り場では珍しくなった3Dテレビや、ホームシアター向けプロジェクターを使う必要があることを考えれば、オンラインレンタル程度の価格で3D映画が見られる点では魅力的なサービスともいえます。(週替りで4本からしか選べませんが)。

Bigscreen は Oculus Rift や HTC Vive 、Windows Mixed Reality などPC VRヘッドセット、Oculus Quest や Oculus Go モバイルVRで使えるクロスプラットフォーム対応。デバイスを問わず同じ仮想シアターに集まれます。

画質については、もともとVRヘッドセットのほとんどは一般的なスマホよりも解像度が粗く、精細度については4Kテレビの足元にも及びません。

ただ一方で、3D上映は映画館でもごく最近のプレミアムラージフォーマットなど恵まれた設備でなければかなり暗かったり、3Dテレビも原理的に解像度が落ちていたことを思えば、VRでの視聴は明るくはっきりと、意外なほど健闘しています。仮想ながら巨大スクリーンなのも雰囲気的には利点。さらにいえば、3Dは最初から左右ステレオを分離していることもVRヘッドセットの強みです。

Bigscreen では従来からユーザーの手持ち動画をストリーミングすることもできましたが、Bigscreen Cinema ではパラマウントから正式なライセンスを得て、サーバから直接広い帯域でストリーミングする点で画質に優位があります。ユーザーのネット環境によって異なるものの10Mbps、1080p程度。

Bigscreen Cinema の提供地域は日本を含む10か国。ライセンスの関係上、市場によって見られる映画多少変わりますが、提供地域のユーザーどうしならば同じ映画を一緒に見られます。

なお、3D映画好きの誰もが思う、サブスクで選べる観放題にしてくれ!については、開発者いわくVRユーザーはマルチプラットフォームアプリであってもまだまだ少なく、サブスクリプションでは観放題方式に必要となる莫大なライセンス費用を賄うだけの収益がとても見込めないため、一本数百円、週に数本程度が現実的に可能なラインとのこと。

なおVRでの2D / 3D映像サービスは、ソニーもPlayStation VR向けに『シアタールームVR』を提供しています。こちらも観放題ではなく、PlayStation Videoのレンタルや買い切り作品を観ることもできないなど、まだまだこれからのサービスです。

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