裏表2画面や合体型モデルもあった!LGの変態・謎スマホを振り返る(山根康宏)

G8X ThinQが生まれた背景には過去の試行錯誤があった

山根博士 (Yasuhiro Yamane)
山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2019年12月20日, 午後 04:10 in mobile
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5万円台なのにSnapdragon 855を搭載し、2画面化ケースでデュアルディスプレイ化できるLGの「G8X ThinQ」は新しいアイディアと面白い機構を組み合わせたスマートフォンです。しかしLGは過去にも形状やギミックに凝ったスマートフォンを多数出しており、それらを開発した過去の技術がG8X ThinQを生み出したのです。「今見ても新しい」「同じアイディアで復活してほしい」そんなLGの過去の変態系なスマートフォンを振り返ってみましょう。

1.バッテリーカバーがカメラグリップなどに交換できた「LG G5」:2016年

LGのフラッグシップスマートフォンといえば「LG G」シリーズでした。G8X ThinQもその流れの延長にある製品です。しかしここ2-3年のGシリーズは他社のフラッグシップスマートフォンと比較されることがあまりありません。それは2016年に投入した「LG G5」の先進性過ぎた機能が受け入れられなかったからかもしれません。

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LG G5は最近のスマートフォンではめずらしくバッテリーが交換できます。交換方法は本体の下部がキャップのように外れる構造になっており、このキャップ部分を機能性のあるモジュールと交換できることが売りでした。

発売されたモジュールは「LG CAM Plus」「LG Hi-Fi Plus」。それぞれの用途は「カメラグリップ&シャッターボタンなどG5をデジカメ化」そして「Bang and olufsenのDACモジュール内蔵のハイファイオーディオアダプタ」でした。G5の機能をハードで拡張できる素晴らしいアイディアだったのです。

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しかしフラッグシップモデルゆえ本体価格が高く、2つのモジュールまで購入するユーザーは限られてしまいました。結局すぐにCPUをSnapdragon 652にスペックダウンした「G5 SE」も投入しましたが、結果として本体だけでフルスペックな他社のフラッグシップモデルと比べ、Gシリーズはそこから一歩引いたレベルの製品という印象をつけてしまったようです。

2.画面上部にセカンドスクリーンを搭載「LG V10」:2015年

サムスンとファーウェイが春と秋にラインの違うフラッグシップを投入するようになったのに対し、LGは長らくGシリーズを1年に1モデルという展開を行っていました。そこで秋のGalaxy Note、Huawei Mate、さらに新型iPhoneに対抗すべく生まれたのが「V」シリーズです。

初代「V10」と翌秋登場の「V20」は、メインディスプレイの上に2.1インチ1040x160ピクセルのセカンドディスプレイを搭載。メインディスプレイが消灯時でもここに通知を表示したり、あるいはよく使うアプリをショートカットとして置くこともできました。

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フロントカメラはデュアル仕様で、セルフィー機能も強化されました。しかしこのころはまだアジアでのセルフィー熱が高くはなく、中国でもようやくセルフィー人気に熱がついたころ。V10のデュアルフロントカメラはキラー機能にはなり切れませんでした。

その後2017年の「V30」からは通常の1枚ディスプレイに変わっています。

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3.透明カバーのFireFox OSスマホ「Fx0」:2014年

いまでこそスマートフォン市場はAndroid OSが事実上世界のほぼすべての市場で大きなシェアを取っていますが、2014年のころはまだノキア系のSymbian OSも使われており、年々他のOSにシェアを奪われて行く状況でした。

その中で出てきたのが第三のOS。Firefox OSを搭載したスマートフォンは新興国向けのロースペック機ばかりでしたが、LGが果敢にも日本のキャリア向けに投入したのがFx0(LGL25)でした。

CPUはSnapdragon 400でしたが4.7インチの当時としては大型のものを搭載。おサイフや防水非対応ですがFireFox OS版のLINEがプリインストールされており、日本でコミュニケーションツールとして使うことも可能でした。

本体背面は透明カバーで3Dプリンターでカバーや本体ケースの自作も可能、バッテリーは交換式でした。なお販売が終息したころ、なぜかアメリカのAmazon.comで大量に製品が出回ったのは今となっては謎です。

4.画面が曲がる&本体の傷も自動で治る「LG G Glex」:2013年

2019年は折りたためるディスプレイを搭載したスマートフォンや、本体側面に滝が流れるように鋭角カーブしたディスプレイを採用した製品が次々と誕生しました。2013年にLGから出てきた「G Flex」は最初から湾曲したディスプレイを採用。これが世界初と思いきや、そのわずか直前にサムスンが「Galaxy Round」を発表。この2社は常に「世界初」を競い合ってきた長い歴史があります。

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横に湾曲したディスプレイのGalaxy Roundに対し、G Flexは縦に湾曲。本体を顔に当てるとスマートフォン本体が耳と口の位置にうまくフィットします。しかもG Flexのディスプレイは多少圧力をかけても「たわむ」ため、ジーンズの後ろポケットに入れておいても割れてしまうということも無かったのです。

さらには本体は自動修復できるSelf Healing仕上げになっていました。今ではガラスや金属仕上げの製品が多いのですが、当時は樹脂ボディーが主力。ケースを付けずに利用中、軽いこすり傷がついても自動的に消えるという優れた製品でした。

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5.スライド式キーボードの中央にセカンドディスプレイを搭載した「DoublePlay」:2011年

LGは実は過去に多数のQWERTYキーボード搭載端末を出しています。しかも本体の横からスライドする形状のものが多く、長文入力もお手のものでした。

そんな製品の中でも特殊な存在と言えるのが「DoublePlay」です。メインディスプレイは3.5インチ480x320ピクセルで、さらにはスライド式キーボードの中央に2インチ480x320ピクセルのサブディスプレイを搭載します。

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このサブディスプレイは、よく使うアプリのショートカットを配置可能で、さらにはサブディスプレイ内でアプリを開いてメッセージ内容などを表示可能。あるいはメインディスプレイ側と表示を切り替えたり、メインディスプレイ上のアプリの表示をサブディスプレイ側に表示するといったこともできます。

画面サイズと解像度が狭いものの、この時代に2つのアプリの同時利用や拡張表示ができていたとは驚きです。

6.閉じても開いてもディスプレイな「Genesis」:2011年

QWERTYキーボード搭載スマートフォンの中でも贅沢な作りと言えるのがGenesisです。キーボードはスライド式ではなく開閉式。メインディスプレイを横から開くとキーボードが現れ、そのメインディスプレイの裏側にも同じサイズのディスプレイがあるため開閉操作だけでキーボードの有り、無しのスタイルを選んで使うことができます。

ディスプレイメーカーでもあるLGだからこそコストを抑えてこのような製品を実現化できたのでしょう。

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なお開いてキーボードが現れるスマートフォンはAndroid OSが市場に登場したころの2008年に「KT610」を発売していますが、こちらのOSはSymbian。閉じた状態のサブディスプレイは1.45インチと今となっては古さを感じさせますが、このスタイルの製品はノキアの高価なコミュニケーターしかなかったことから、メッセンジャー端末として話題になりました。

7.Windows Phoneにもキーボードを搭載「Optimus 7Q」:2010年

2010年に発売された「Optimus 7Q」はWindows Phone OSを採用したモデルながらもQWERTYキーボードを搭載。LGは同年に同OSでQWERTYキーボード機「Quantum」「GW910」も出しているので、よほどのキーボード推進派が社内にいたのでしょうか。

なお、QWERTYキーボード搭載Windows PhoneはHTCが「Arrive」「7 Pro」の2機種、DELLが縦スライドの「Venue Pro」だけと、LGが最大勢力を誇ります。


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ちなみに、ノキアもQWRTYキーボード搭載Windows Phone機を開発していたようですが、市場には登場せず。同OSはビジネスユーザーが増えることも想定されていましたが、対応アプリの少なさや、ノキア(後にマイクロソフト)主導の製品展開となってしまったことから、賛同メーカーも徐々に離れて行ってしまいました。2019年12月10日にサポートも終了しています。

LGはフィーチャーフォンでも数々の面白い端末を出してきたメーカーです。そういえば日本でドコモ向けに発売された「L-03C」はデジカメライクな形状をしたカメラフォンでした。またスライドして出てくる10キー部分が透明パーツという美しい「GD900」を2009年に海外でリリースしたこともあります。

最近はミッドレンジやエントリーモデルに注力している印象の強いLG。2020年には過去製品をうわまわる驚きのギミックやデザインを採用した製品を生み出してほしいものです。

 
 

 

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