ボーイングの宇宙船、ISSにたどり着けず・ALS患者が自分の声で会話できるAI: #egjp 週末版196

話せなくなっても話せる技術

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2019年12月21日, 午後 08:50 in Weekend
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1週間の間に拾いきれなかったニュースをダイジェスト形式でお届けします。今週はボーイングの宇宙船CST-100 StarlinerがISSにたどり着けなかったり、ALS患者が自身の声をAIに覚えさせて会話できるようにする技術、ウルトラキャパシター搭載のかっこいい電気バイクなどの話題をまとめてみました。

ボーイングCST-100 Starliner、初の無人打ち上げでISSに到達せず

Boeing

ボーイングが開発しているCST-100 Starliner宇宙船は、12月20日に初の無人打ち上げ試験を実施しました。当初の予定では国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングが予定されていたものの、目標とする軌道に到達できなかったためこれを見送り、早くて22日に地上へ帰還する予定に変更されています。

NASA長官のジム・ブライデンスタイン氏はISSとのドッキングを見送った原因として、Starlinerのシステム時刻が正しく同期されていなかったためにタイミングを逸したとの見方を示しています。

本来なら2018年8月の予定だったStarlinerの無人飛行試験は、すでに遅れているものの、今回の失敗はおそらくさらに計画を遅らせることになるはず。NASAは次の飛行試験がいつになるかはまだ決定していないと述べています。

ALS患者の声で会話を可能にするAI「Quips」

Peter Byrne - PA Images via Getty Images

YouTubeで配信が開始されたトニー・スターク...もといロバート・ダウニーJr.がMCの『THE AGE OF A.I.』では、ALSの患者の発音でも動作する音声AIアシスタントを開発するProject Euphoriaが取り上げられていました。それは筋力が衰えていくALS患者の人たちにもテクノロジーを等しく使える様にする素晴らしい研究ですが、一方で病状が進行して言葉が出なくなってしまった患者に適用することはできません。

ロールスロイスの研究機関R²Data Labsは、ALS患者が言葉を失ってしまってからも、自らの声で周囲と会話ができるようにするためのAIを研究しています。そして、運動ニューロン病(MND)協会やインテル、マイクロソフトからの支援を受けて開発したのがQuipsと称する新しいAIツールです。

このツールは"音声バンキング"と名付けられた技術に人工知能を組み合わせて、ALSやその他のMND患者が話す能力を失わないうちにその音声サンプルを大量に取得し、それをもとにしてイントネーションや口癖まで本人そっくりな合成音声を作ります。

まだ初期の段階ではあるものの、すでに既存方式の会話システムよりも「リアルタイムに近い」コミュニケーションが可能になるとMND協会は述べています。Quipsは患者の会話相手の話を聞いており、話題を解釈して自動的に返答になる選択肢を提示、患者はそれを選べば自分の声で返答できます。

ロールスロイスのリリース文には、Quipsはたとえば職場や自宅、バーや居酒屋といった周囲環境に応じてもその会話パターンを変えることができ、さらにはスラングすら使えるようになるとしています。ロールスロイスはQuipsを将来、患者がコミュニケーションに使っているツールに組み込める形で提供したいとの考えですが、それがいつ頃になるかはまだわかりません。

米の児童誘拐時警報、車両認識技術と連携へ

Witthaya Prasongsin via Getty Images

米国では児童・未成年者の誘拐や行方不明事件が発生した際にテレビ・ラジオその他一般向けメディアを通じて警報を発するAMBER Alertと呼ばれるシステムがあります。そして、車両認識技術を開発するNASDAC上場企業Rekorは、自社技術にAMBER Alertの二次配信に対応させることで、Rekorの車両認識技術を使用する法執行機関にも速やかに警報を発信可能にすると発表しました。

Rekorの発表によると「2017~2018年には、AMBER Alertで子供が救出されたケースの1/4以上が、この警報から逃走車両を認識したことで解決された」とのこと。したがってRekorの技術にAMBER Alertが追加されることで、事件発生時の法執行機関の初動や支援がさらに迅速になる効果が期待されます。

BMW、電気自動車の通算販売台数が50万台を突破

BMW

日本ではまだ実感がわくほどではないものの、欧州北米では確実に電気自動車の販売は伸びています。BMWは12月19日、BMWグループの電気自動車の通算販売台数が50万台を超えたことを発表しました。BMWは最初の10万台を販売するのに3年かかりましたが、そこから50万台に達するまでにかかった時間も3年だったと述べており、今後もその数は加速度的に伸びてゆくことになりそうです。

日産の電気自動車リーフの販売台数が40万台に達したと発表されたのは今年3月のことでした。またテスラは2019年第3四半期だけで9万7000台のEVを販売したと発表しています。

BMWは、次の目標は2年以内に100万台に台数を伸ばすことだと述べ、それが実現すれば世界の市場に置いてEVが主流になるのは間違いないと見積もっています。

なお、BMWが言うEVにはPHEVやハイブリッド車なども含まれ、i3MINI Cooper SE のような完全電気自動車(BEV)だけではありません。わざわざこういう発表をするのはやはりEVが世界的に注目されるようになってきたからと言えるでしょう。スペック上のCO2排出量削減に有効なPHEVに手厚い優遇措置を設けている欧州の政策を考えると、いまBMWがグループ全体のEV合計販売が50万になったという発表は、BEVで、しかも単独車種で40万台を売って来ている日産リーフもすごいと思わせる発表と言えそうです。

ウルトラキャパシター搭載電気バイク「Nawa Racer」、回生効率化で航続距離300km

Nawa

エネルギー貯蔵技術開発を行う仏Nawa Technologiesと称する企業が、Nawa Racerと名付けられた電気バイクを2020年1月のCESに出展すると発表しました。この電気バイク、通常のリチウムイオン電池の他にウルトラキャパシターと称する急速な充放電が可能なデバイスを搭載するハイブリッドバッテリーシステムを搭載し、リチウムイオンのみの電気バイクに比べて最大80%のエネルギー回生効率を向上させています。

さらにNawaは「ウルトラキャパシターの採用がリチウムイオン電池の長寿命化と軽量化にも貢献し、リチウムイオン電池のサイズを半分にしつつ航続距離を最大2倍にも延長できる」と豪語しています。

Nawa Racerは通常のバイクで言うガソリンタンクの部分にウルトラキャパシターを、そしてエンジンが搭載されている部分に9kWhのリチウムイオン電池を乗せています。車重は150kg。ハーレー・ダビッドソンのLivewireよりも100kgも軽い軽量さながら、搭載するハブレス式のモーターは100bhpを発揮、0~60mph加速は約3秒でこれはLivewireと同等です。

Gallery: Nawa Racer | of 6 Photos

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    Image Credit: Nawa Technologies
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減速での回生とウルトラキャパシターの効果により、街乗りでの航続距離は最大180マイル(約290km)に達するとのこと。一方、回生をあまり使わない長距離走の場合は90マイル(約145km)程度になってしまうとのこと。

Nawa Racerはあくまでコンセプトバイクであり、CES 2020へはデモンストレーションとして出展するもの、計画としてはこのスーパーキャパシターを2020年から生産に入るとのこと。
 
 

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