折りたたみの「BlackBerry」にも期待!TCLのスマホは復活なるか:山根博士のスマホよもやま話

TCLへのブランド変更は日本への最新モデル投入が期待できる

山根博士 (Yasuhiro Yamane)
山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2019年12月25日, 午後 01:00 in Alcatel
46シェア


TCLPLEX


シャオミの日本参入で大いに沸いた2019年12月。ところが年末にもなってさらに驚くべきニュースが入ってきました。FOXがTCLブランドにスマートフォン「PLEX」を日本で発売します。TCLといえば中国の大手家電メーカー、そして中国国外ではアルカテルブランドのスマートフォンを展開中。さらにブラックベリーのライセンスを受けQWERTYキーボードスマートフォン「KEY」シリーズなどを出しています。

TCLPLEX
とはいえブラックベリーは新機種の投入ペースも減り、アルカテルブランドのスマートフォンは日本からいつの間にか消滅してしまいました。この状況は海外も同じで、ヨーロッパではアルカテルのスマートフォンの数が急減。アジアや新興国は前述のように大手中国勢力に敗れ、アメリカでプリペイド向けに低価格機を続けている程度。ODM事業も展開していますが、Vodafoneなどのキャリアブランドモデルも減少しています。

そもそもアルカテルブランドのスマートフォンはコスパの良さが売りで、フレンチテイストなカラーリングなどカジュアルな製品を数多く出していました。ミッドレンジに注力したことで一定数のボリュームを稼いでいたのです。「idol」「Pixi」「Pop」といった製品ブランド名は一部日本でも知られた存在になりました。

しかしシャオミやOPPOが低価格なだけではなく高性能なCPUやカメラを搭載する製品を出してくると、安さを売りにしていたアルカテルのスマートフォンは太刀打ちできなくなっていきます。これは実は同様に日本にも参入した「Wiko」にも当てはまります。スマートフォンは大衆製品にはなったものの、まだまだ機能進化は続いています。新しい技術開発に投資を行わなければ、たとえミッドレンジやエントリーレベルのモデルですらも年々引きあがっていくスペック競争の中で打ち勝てなくなっていきます。

アルカテルは先進国ではプリペイド向け、新興国ではお手頃価格の製品として一定の人気を保っていました。しかしPixiとPopの2つのラインは価格や性能が被るために2017年にモデル名を一新。「A」「U」という新しいラインで再出発を図りました。中でも「A5 LED」は背面がLEDカバーやスピーカーカバーに交換できる意欲的な製品。しかもアマゾンAlexaアプリも搭載、音声でAlexaの操作ができたのです。
TCLPLEX
しかしこのモデルチェンジはうまくいかず、アルカテルのブランドイメージも変えることができませんでした。そこで翌2018年には「わかりやすさ」を考えラインナップを一新。数字+アルファベットとすることで明確な製品を次々と生み出しました。しかしこれは過去にノキアが犯した過ちと全く同じ歴史を繰り返す結果となってしまいます。

新しい製品は「1」「3」「5」「7」と数字ごとにベース機能の上下を区別。さらには「3」「3c」「3v」「3x」と、アルファベットを付けて製品間の機能をわけました。しかしこのモデル名を見て製品の特長がすぐにわかる消費者は皆無だったでしょう。しかも愛着もわかないはずです。
TCLPLEX
2019年9月、ベルリンで開催されたIFA2019のTCLブースには、ブラックベリーKEY2シリーズのほかに目立っていたのは今回日本で販売されるTCLブランドのPLEXくらい。アルカテルの数字モデルが展示されていたかも筆者は記憶にないほどです。そこまでアルカテルのスマートフォンには全く魅力が感じられないものになってしまっていました。
TCLPLEX
とはいえTCLブースはほかの展示で賑わっていました。それはディスプレイ。TCLの子会社のディスプレイメーカー、チャイナスターによる内折、外折、そしてモトローラrazrのような縦折と様々なタイプのフォルダブルディスプレイを展示していたのです。
TCLPLEX
サムスンがGalaxy Foldをいち早く製品化できたもの自社でディスプレイを開発しているから。TCLも関連会社でディスプレイ開発を行っていることから、これらのディスプレイの商用化はそう遠くないはず。「TCLにはまだまだ技術がある」そう感じさせてくれたのです。

アルカテルブランドのスマートフォンは価格競争の道を選んだため失敗したと言えます。しかしこれから主流となるであろうフォルダブルディスプレイを開発できるなら、TCLのスマートフォン事業はまだまだ復活できるはずです。

TCLPLEX
アルカテルブランドのスマートフォンは、価格以外の差別化要素がなければこれからフェードアウトしていく可能性があります。一方TCLはTVとしてのブランド力を持っています。アルカテルブランドを廃止してTCLとして海外で再出発するのはいいアイディアでしょう。

2018年2月にバルセロナで開催されたMWC19 Barcelonaでは5Gスマートフォン「Alcatel 7 2019」を参考展示していました。おそらく2020年には5Gスマートフォンも出してくるでしょう。アルカテルブランドで展示していたということは海外向けであり、当然日本を含む先進国市場へ投入されるはずです。TCLブランドで販売されればTCLのスマートフォンイメージを高める効果も期待できます。
TCLPLEX

2019年のPLEXに続き、2020年は5G、さらに適度にラインナップを固めた後は、折りたたみスマートフォンも当然出してくるでしょう。TCLブランドで出てくればブランドイメージをさらに高めることができます。あるいはブラックベリーのラインナップで出せば、価格が高くとも一定数売れるでしょう。ブラックベリーにはまだまだそれだけのブランドの強さがあるからです。

TCLPLEX

そしてFOXが日本でPLEXを出すということは、今後海外で出てくるTCLのスマートフォンや、引き続きブラックベリーブランドのスマートフォンを日本に展開していくという意思表示と取ることもできます。「開くとソフトウェアQWERTYキーボードが現れる真っ黒なボディーのBlackBerry Fold」。そんな製品が日本でも出てくることを期待したいものです。

 

広告掲載についてのお問い合わせはad-sales@oath.com までお知らせください。各種データなどはこちらのメディアガイドをあわせてご覧ください。

 

関連キーワード: Alcatel, blackberry, key2, PLEX, smartphone, Tcl, TCL Communication Technology
46シェア