映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』で新Mac Pro大活躍、映像制作のプロが語る

アップルが新Mac Proをなかなか出さなかったため困ったとのこと

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2019年12月26日, 午前 07:50 in AV
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Frank Masi / Sony Pictures

新Mac Proは6月の発表から今月11日(日本時間)の発売まで半年はかかりましたが、本当に待ち望んでいたのは並外れた処理能力が不可欠となるプロユースの現場でしょう。

そうした創作の場の1つである英国のCGアニメーションスタジオが、新Mac Proの早期アクセス(通常の発売より早めにアップルからの提供を受ける)を得られたことで、どれほど仕事が助かったかを公式ブログで述べています。このスタジオは、現在公開中の映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』制作に参加している英国のLuna Animationです。同社は2014年にCGアニメ制作を開始して以来、制作パイプライン全体をMacをベースにしていたとのこと。しかし近年では「ゴミ箱」(先代のMac Pro)のハードウェアが更新されなくなり、事態(高度化するCGアニメの処理)は厳しいものに思われ、最終的にPC(Windows)環境にどうやって移行しようかと話し合われたと述べられています。

幸いなことに、2017年にはアップルがiMac Proを発表しました。あらゆるアーティストにとって主要なスタジオ制作マシンになり得るハードが出たことで、新Mac Pro登場までの繋ぎができたというわけです。

その後アップルは、Lunarに「ミッドレンジMac Pro」と呼ばれるモデルの早期アクセスを提供しました。そのスペックは以下の通りです。
  • 3.2 GHz 16コアIntel Xeon Wプロセッサー、最大4.4 GHzのターボブースト
  • 192 GB(6x32GB)のDDR4 ECCメモリ
  • それぞれ32 GBのHBM2メモリを備えた2つのRadeon Pro Vega II
  • 4 TB SSDストレージ
  • Apple Afterburnerカード
  • Pro Display XDR

これらの機材一式を受け取ったのは、ちょうどスタジオが『ジュマンジ/ネクストレベル』の作業を開始準備をしていた頃のこと。新マシンの投入にはこれ以上ないというタイミングであり、基本的には映画の最終アニメーションクレジットの作成に用いられたと述べられています。

これ以前に使用していたiMac Proは、仕事で使う上では十分ではなかったと振り返られています。アニメーション制作を始めてすぐに気づかれた点の1つは、グラフィックRAMを使い果たさないように、すべてのアセットを高解像度のテクスチャマップでシーンに取り込むのに苦労していたこと。シーン内のテクスチャ解像度を固定すれば問題は解決したものの、8Kで制作している映像の解像度がはるかに低くなってしまった......などの不満が語られています。

しかし新Mac Proで同じシーンを開くと、すべてのテクスチャが完全にロード可能に。これはテクスチャ用のグラフィックRAMが倍増(16GBから32GB)しているので理に叶っていますが、全般的な処理速度も向上。10コアのiMac Proで21分かかっていたタスクの1つが、新Mac Proではたった5分で終わったとのことです。

また、同時に導入されたPro Display XDRも作業に大きな違いをもたらし、クライアントがハイエンドのリファレンスモニターで表示するのと同じように見ることができたとのこと。おかげで受け取った映像ファイルをチェックするための施設を借りる金銭や、時間のコストが節約できたとされています。

新Mac Proの59万9800円〜という価格は一般ユーザーには雲の上の存在にも思えますが、カメラだけで100万円を超えるのが珍しくない映像業界では、さほど高価な機材とはいえません。それでいて公開後始めての週末の米国とカナダだけで興行収入が推計6010万ドルという大作映画の映像制作にも耐えるというプロの証言は、アップルにとって何よりうれしい言葉といえそうです。
 

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