人気動画共有アプリTikTok、親会社が持ち分売却を検討?トップは強く否定

米国にとって安全保障上の脅威という疑いを掛けられているため

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2019年12月25日, 午後 02:20 in bytedance
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ByteDance
SOPA Images via Getty Images

中国企業のByteDanceは、運営するショート動画共有アプリTikTokの持ち分売却を検討しているとの噂が報じられました。

これに対してTikTokのトップ朱駿氏は、親会社が売却や一部売却を計画している事実はないと強く否定したと伝えられています。
中国発のサービスとしては異例の世界的な大ヒットとなったTikTokですが、米規制当局や議員から安全保障上のリスクになり得るとして警戒され、前途に暗雲が垂れ込めています。親会社ByteDanceが米動画アプリMucical.ly(ミュージカリー)を10億ドルで買収した件も規制当局の承認を得ていなかったとして再調査され、米海軍も政府支給モバイル機器でTikTokの使用を禁止しました

さて今回の騒動を時系列に沿って追うと、まずBloombergが事情通の話として「ByteDanceはこれらの懸念に対処するために幅広い選択肢を検討している」と報道したことがはじまりです。

この記事によると、同社のアドバイザーは積極的な法的防衛やTikTokの運営分離、持ち分の過半数売却を含めあらゆる案を提示しているとのこと。さらに過半の売却額は100億ドル(約1兆900億円)を大きく上回る可能性があるとの話が伝えられました。

とはいえByteDanceにとっては、人気の高まりや利益拡大の可能性を考えて、できれば運営の完全なコントロールを維持することが望ましい。そのための選択肢としてはTikTokに安全保障上の脅威はない、あるいは米国側のTikTok事業への主張に法的な根拠がないと主張することもあり得るとされています。

そして持ち分を売却するとすれば、最も可能性の高いシナリオは過半数を金融投資家に売却することだと関係者の1人は述べているとのこと。これまでByteDanceには、ソフトバンクグループやセコイア・キャピタル、サスケハナ・インターナショナル・グループが投資しています。

一応、これらTikTokの先行きに関する協議は予備的なものであり、正式決定は下されていない--と但し書きは付けられ、ByteDance担当者もTikTokの一部ないし完全売却を検討している事実はないと否定していることを、Bloombergは伝えています。

とはいえ、「持ち分売却を検討」をタイトルとした記事が報じられたことに、ByteDanceおよびTikTok側は別のメディアを通じて強く否定しました。その1つが香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストであり、上述の朱駿氏の言葉を伝えたロイターという流れです。

ロイターが入手した社内文書によると、朱駿氏は「本日、ByteDanceがTikTokの一部または全部を売却すると主張する不正確なレポートがあった」「我々はそれが真実ではないと言ったが、彼らはそれを公開することに決めた」と述べていたとされています。

ByteDanceはTikTokを他の中国内事業との分離を進めており、データ管理チームをカリフォルニアに設置するなど、米国にとって安全保障上の不安はないと示すことに努力を払っています。

が、一方でTikTokは中国の外交政策に都合の悪い動画を検閲するよう指示されたと報じられまつげメイク風ウイグル弾圧批判動画を削除したことが批判を集めていました。中国企業のByteDanceがこれまで通り経営を握りつつも、一度は損なわれた信用を取り戻すのは、かなり困難な道のりかもしれません。
 
 
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