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PlayStation Storeで年末恒例のホリデーセールが始まりました。2019年11月にリリースされた目玉タイトル『DEATH STRANDING』もセール対象です。今から遊ぶ人はラッキーです。なんでかって? 時間が溶けるからです。

すでにレビューや攻略記事やプレイ動画は出揃ったタイミングですが、この記事では本作の「おもしろさ」を損なわないようにご紹介します。これから遊ぶ人には「ああ、そういうことなんだ」とコントローラを握ったままハッとしてほしいのです。

なお本作は17歳以上向けのD指定。17歳未満のみなさん、未来には楽しいことが待っています。

あったほうがいいもの

  • ネットワーク環境
  • 時間
  • シャープのホットクック

オフラインでも遊べますが、オンライン接続を強く推奨します。ゲームの本質が変わってしまうからです。1時間が体感15分になってしまうため、ホットクックなどの「勝手に温度管理をしてくれる調理器具」を稼働させながらプレイすると「牛スネ肉のシチューが一瞬でできた!?」となるので便利。おでんも大変よろしい。

なくてもいいもの

  • 協調性
  • 闘争心
  • アクションのセンス

他プレイヤーとの繋がりは緩くてやさしいものなので無言で遊べます。「オンゲー疲れ」とは無縁。本作のジャンルはアクションゲームですが「とにかく行ったれ!」という根性と好奇心でマイペースに押し切れば大丈夫です。

説明すればするほど「で、それおもしろいの?」となる

企画会議に出たことのある人なら覚えがあるはずです。偉い人からの「で、それおもしろいの?(売れるの?)」というセリフを。DEATH STRANDINGの内容も、言えば言うほど「なんだコレ」という気分になります。PlayStation Storeの内容説明をざっくりまとめるとこんな感じ。

  1. 小島秀夫が作った
  2. 未だかつてないゲーム体験
  3. 分断され孤立した人々と都市を再び繋げる
  4. 運ぶ
  5. ノーマン・リーダスとレア・セドゥとマッツ・ミケルセンが出てくる

これ全部ウソじゃないです。小島秀夫らしいお茶目でエモーショナルなゲーム。特に(4)。「なんか全然よくわかんないけどやるっきゃねえ」という勢いでプレイを始め、あっちに薬を運び、こっちに資材を運び、なぜかお漬物を届け......で100時間経ってました。

(5)については、男前すぎてCGかな?と思うくらい麗しいノーマン・リーダスが実際に渾身のCGで出てきちゃう時点でジワジワ面白い。

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本作でノーマンええやんと思った方は映画『処刑人』をご覧ください。レア・セドゥも人工ではデザインできない美しい人で、出演する作品によって顔の印象がガラッと変わる俳優ですが、本作では「あー、これ!これぞレア!」と感じる物憂い表情をたくさん見せてくれます。マッツ・ミケルセンも良い。サービス精神の塊。

「なんてことさせてくれるんだ」の冒頭2時間

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最初はブリブリ怒りながらプレイしていました。「見知らぬものへの恐怖」もプレッシャーで、怖くて怖くて。でも気になるから「いいよ付き合うよ!」となるわけですが、結構大変。

エクストリーム版ウーバーイーツです。「え!徒歩!?」とギョッとなり、「なんで私ばっかりこんなことやらにゃならんのだ......」と一人ぼっちで歩き、地図とにらめっこをし、すっ転び、怖い目に遭い、やっとの思いで目的地へ届けます。で、帰路ももちろん徒歩なんですね。

映画『マッドマックス 怒りのデスロード』で「あの道、また引き返すの......?」と愕然となるシーンがありましたが、あのドッと疲れる気分を思い出しました。マジで怒りのデスロード。

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自室でボーッとベッドに腰掛ける主人公"サム"。や、こっちもグッタリよ。手荷物と一緒にワープできる「ルーラ」って良い魔法だね。

でも、「美しい世界」に気づいてしまうから、このルーラのないゲームにのめり込むんです。

世界ってこんなに美しいのか

"美麗なグラフィック"ってもはや珍しくもないし使い古された言葉ですが、DEATH STRANDINGのグラフィックは本当に「美麗」でした。

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「この岩を超えた先に何があるの」と思っちゃう。ゼルダBotWやSkyrimでも感じた「バカでっかい自然の美しさ」がそこにあります。ビバ4K!

「美麗」な理由はもう一つあります。

私たちは道無き世界を少しずつ「便利」にすることができます。歩きやすくなったり、安全に移動ができたり。

そして「あること」に気がつくんです。

ここでオンライン接続が意味を持ちます。オンライン越しの誰かの存在でしょうか?じゃあ、その誰かは何をしてくれるのでしょう?私は何ができるのでしょう?

ここは実際に体感してほしいです。とてもかわいらしいのです。そして不思議な喜びを感じました。だから言及は控えます。

この「バカでっかい自然の美しさ」と「あること」の組み合わせによって「私たちは今、この世界で生きている......!」を体感し、脳から快楽物質がダーッと出ます。これは映画では味わえないもので、ゲームならではの強くて美しい体験だと思います。

俺の、プレイリストを、聴けー!

DEATH STRANDINGは音楽にも特徴があります。とても「くすぐったい」。

グザヴィエ・ドランというカナダの映画監督がおりまして。特徴として「既存の歌モノを劇中でふんだんに使う」ところがあります。「この歌、この映画のために作ったの?」と思うくらい、既存曲と映画をマッチさせてグイグイ押し出すのが上手い監督です。タランティーノや香港のウォン・カーウァイも既存曲グイグイ系の監督。

ドランのグイグイスタイルに文句はまったくないんですが「唐突にプレイリストを送ってきたクラスの男子」の熱意を思い出してニヤッとなるんですよ。これと同じ「くすぐったい心地よさ」を本作でも味わいました。ゲームでこれを体験したのは初めて。だから「未だかつてないゲーム体験」は真実ですね。

このアクションゲームで何が育つの?

アクションゲームの醍醐味は、プレイヤーが自身の成長を感じることです。俊敏性や戦略性など、自分のセンスが磨かれてゆくのがわかります。DEATH STRANDINGの場合も「私は成長している」と感じました。それは「たぶん大丈夫」と信じる力です。

タスクマネジメント力も鍛えられましたが、なにより「大丈夫。酷いことなんて起こらない」という子犬のような気持ちで世界を歩くことを思い出したんです。

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なんて孤独で面倒なゲームなんだろうかと思いました。でも、やがて「私たちは孤独じゃない」と山道をフンフン登っていることに気がつくのです。たった一人で登り、転がり落ち、散らばった荷物を拾い上げるのに。

エンディングを迎えた今、私はまだDEATH STRANDINGの世界に通っています。もう一度最初から始めて100時間溶かしてしまうのも楽しいはず。

ホリデーセールの勢いでデスストの仲間がさらに増えると嬉しいです。あなたをこのゲームで待っています。

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