NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)が、CES 2020に合わせて、米国向けにパソコンの新製品を発表しました。同社は以前にレノボブランドで『Lenovo Lavie Z』などを販売していましたが、今回は自社ブランドでの販売となります。
中でも注目が集まりそうなモデルが、日本でも未発表の新シリーズとなる、15.6インチ画面の高級ノートPC『LAVIE VEGA』(PC-LV95GRAL)。最大の特徴はNEC PC製ノートPCで初となる、有機EL(OLED)ディスプレイ(4K・HDR対応)を搭載する点です。
加えてTDP45W版のCPUをはじめとするハイパワー装備を搭載しつつも本体重量は約1.9kgに抑えた、「大画面、高速ながら比較的軽量」というバランスのモデル。市場的には、いわゆるMacBook Pro対抗的な位置づけとなりそうです。米国での発売時期は2020年3月で、価格は2099.99ドルから。なお日本向けモデルも、後日発表予定とのこと。
デザインも凝ったものとなっており、本体カラーは「特徴的な光沢のある深いブルー」(NEC PC)とアピールする『Alumite Navy』色。さらに天板は、昨今のノートPCとしては珍しい全面ガラス張り仕上げ。これにはコーニングのゴリラガラス6が使われており、曲げや衝撃などの耐久性にも配慮されています。
さらに天面のLAVIEロゴには『Smart Light』と呼ばれる機能が仕込まれています。これは、Windows 10のコルタナ(音声アシスタント)と連携し、本体を閉じている状態での反応をLEDによる光で表現するというもの。
つまり、スマートスピーカーのステータス表示用LED的な動作となるわけです。
また電源制御は、モバイルノートPC以外では珍しいモダンスタンバイに対応。これにより、スリープ時からでも音声によるアプリ起動などが可能となります。「本体の蓋を閉じた状態でスリープさせていても音声応答ができる」という、スマートスピーカー的な使い勝手を実現します。
また、スピーカーをはじめとするオーディオ部は、昨今NEC PCが力を入れるヤマハとのコラボによる仕上げ。「音楽プレーヤーとして使用する場合、YAMAHAのサウンドマイスターと共同開発したYAHAMAサウンドシステムが威力を発揮します」と謳います。
隠れた注目点としては、キーボードの配列が挙げられます。基本的にはUS配列なのですが、日本語配列がベースのため、Enterキーが2段仕様だったり、BackSpaceの左に『FWD space』と名付けられたキーが配置されるなど、他に類を見ない配列となっています。
基本的な仕様は、
- 本体サイズ.....約359.8×243.9×18.3mm(幅×奥行き×厚さ)
- 本体重量......約1.9kg
- ディスプレイ......15.6インチ、4K解像度有機EL(最大輝度400nit)
- CPU......インテル製Core i7-9750H(TDP 45W、6コア12スレッド、標準2.6GHz、ターボ時最高4.5GHz)
- GPU(例)......CPU内蔵(Intel UHD Graphics 630)
- RAM......8GB/DDR4-2666(増設・交換不可)
- ストレージ......Intel Optane H10 512GB(NVMe/PCIe 3.0 x4)
- バッテリー駆動時間......約8.3時間(Mobilemark 2014測定)
- 生体認証機能......顔認証(Windows Hello対応)
- 標準搭載OS......Windows 10 Home 64bit版
といったところ。
このようにLAVIE VEGAは、「NECのPCなのに米国で先に発表される」という、珍しい形でのデビューを飾る新シリーズとなります。また価格的にも「約2100ドルでの有機EL搭載ノート」となるため、米国にあってもお買い得度はかなりのものとなりそう。
日本向けにも有機EL搭載が継承されるのであれば、有機EL搭載ノートPC市場を広げる一角を担う存在となりそうです。このあたりを含めて、なかなか楽しみなモデルではないでしょうか。
なお今回NEC PCは、本機に加えて軽量モバイルノート『LAVIE Pro Mobile』米国版と、4辺ナローベゼル設計を採用した一体型デスクトップPC『LAVIE Home All-in-one』も発表しました。両モデルに関しては別記事をご参照ください。