米司法長官、軍施設襲撃犯のiPhoneロック解除を要請。しかしアップルの「実質的な協力」なし

一度応じてしまうとどうなるか

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年01月14日, 午後 01:00 in Security
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Naval Air Station Shooting

米国のウィリアム・バー司法長官が、2019年のアメリカ海軍基地銃撃事件で犯人が所持していたiPhoneのロック解除に関して、アップルに協力を要請しました。この件に関してアップルは、当初FBIからロック解除を求められていたものの実質的に拒否しており、司法長官からの要請にも応じない構えです。司法長官は月曜の会見でフロリダ州ペンサコーラの海軍基地を銃撃し3人を殺害、8人を負傷させたとされるモハメド・サイード・アルシャムラニ容疑者が所持していたiPhoneを調べるため「ロックの解除をするためにアップルに支援を求めたが、これまでのところ実質的な協力はない」と述べました。

アップルは先週の段階で「ひと月前にFBIがこの事件に関する情報を要求した際、我々は所有しているすべてのデータを提供した」と述べていますが、その中にはパスワードロックの解除は含まれていなかった模様です。

この会見では、容疑者が所持していたiPhoneは2台あり、ひとつは狙撃手によって破壊され、もうひとつは破損していたと説明されました。FBIはそれらのiPhoneを修復し起動はできたものの、パスワードなしにはロックを解除できない状態になっています。司法長官は、ロックを解除するにはアップルの支援が必要であり、アップルや他のテクノロジー企業に対し「米国民の生活をより安全に保護し、将来の攻撃を未然に防止できるように解決策の発見を助ける」よう求めました。

バー長官の発言は法執行機関の側の視点からの不満を強調しているためアップルが協力的でないかのような表現になっています。しかし実際のところは、iPhoneが搭載するiOSは暗号化を前提に設計されており、ロックされた個人情報にはパスワードなしにはアクセスができません。もし、アップルがロック解除できるとしても、これが先例となり事件のたびにiPhoneのロック解除に応じなくてはならなくなってしまいます。さらには権威主義の外国政府にも同様のアクセスを許し、逆に犯罪者やハッカーらからの保護を弱めてしまうことにもなりかねません。

2016年に発生したサンバーナーディーノにおける銃乱射事件でも、射殺された容疑者のiPhoneのロック解除にアップルは応じず、最終的にFBIは第三者機関による特殊なツールを使ってロックを突破しました。ただし、その特殊なツールはiOSのセキュリティ上の欠陥を突くことで効力を発揮されるため、iOSが更新されるたびに使える可能性が増減します。

アップルは先週開催されたCES 2020でプライバシー保護について語っていました。そこでアップルは、法執行機関からの要請には24時間体制で対応すべく専門チームを用意しているとしつつ、(司法長官が求めている)iOSへのバックドア設置に関してはサポートしないと述べていました。

 

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