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1週間の間に拾いきれなかったニュースをダイジェスト形式でお届けします。今週はハト羽根で飛ぶドローン、宇宙豪華客船が舞台のSFコメディドラマ、ヴィトン印の完全無線イヤホンなどの話題をまとめました。

鳩の羽根で飛ぶロボット

スタンフォード大学のデイヴィッド・レンティンク助教授率いるチームが、鳩の翼の動きを研究し、実物の羽根を用いて羽ばたくハトロボット「PigeonBot」を開発しました。

レンティンク氏は鳩の死骸から得た翼を風洞で実験し、人間の手首と指に相当する部分の動きが翼の幅と面積を微調整し、必要な揚力を得ていることを発見。PigeonBotの羽根を遠隔操作できるようにし、実際に飛行させて鳥のような急旋回が可能なことを確認しました。

またこの研究において、羽根の微細な構造は翼を拡げるときは互いをしっかりつなぎ合わせ、たたむときは緩める役割を果たすことで、乱流下でも翼の形状が維持されることも判明。これは鳥が主に指先の動きだけで自在に空を飛べることを証明するとしています。この成果により鳥と同じように羽ばたき、気象条件によらず飛行可能なドローンが将来作られるかもしれません。

ビョークがマイクロソフトのAIとホテルのロビー音楽でコラボ

過去、iPadアプリやVRなどのテクノロジーと音楽の融合をはかってきたビョークが、ニューヨークのSisterCityホテルのロビーで流すための音楽を生成する実験を試みています。この実験ではアイスランドの合唱団The Hamrahlid Choirのサンプルと、ビョークが過去17年の間に書きためた楽曲の断片を用い、屋上に設置したカメラ映像とマイクロソフトのAIを組み合わせてリアルタイムに音楽を生成します。

AIは屋上カメラ映像から雲の形状や色、羽ばたく鳥の群れ、過ぎゆく飛行機、気圧といったパラメーターに反応してサウンドを生成します。さらには天気の移り変わりもサウンドに影響を与えるとのこと。

SisterCityホテルとマイクロソフトAIによるアーティストを起用した実験はこれが最初ではなく、昨年4月にはアンビエントサウンド製作者のジュリアナ・バーウィックによってロビー音楽の生成を実験していました。2度目となる今回はビョークというテクノロジーにも敏感な世界的アーティストの起用でさらにその実験に深みを与えます。

それを心地良く感じるか耳障りに思うかは人それぞれ。どのようなサウンドスケープになっているかはご自身の耳でお確かめください。

移植用肝臓を1週間保存する技術

Wavebreakmedia via Getty Images
従来、移植のために取り出された肝臓は24時間ほどしか保存が利きませんでしたが、ハーバード大学ウィス研究所、スイス連邦工科大学チューリッヒ校などからなるプロジェクトLiver4Lifeは、肝臓の保存期間を1週間ほどにまで延ばしせる肝かん流(liver perfusion)装置を開発しました。

Nature Biotechnologyに発表された論文によれば、この装置は肝臓にインスリンとグルカゴンを注入してグルコースレベルを制御するとのこと。つまり膵臓が肝臓に対して行う役割を肩代わりします。また装置には腎臓のかわりをする透析膜、酸素を供給する人工肺、そのほか栄養分を供給する腸、血液を送る心臓の代替機能をそなえることで、肝臓の状態を保つとのこと。

研究者らは豚の肝臓での実験を成功させた後、移植に不適合とされたヒトの肝臓を使ってその機能を確認。10個のうち6つの肝臓を完全な機能を保ったまま1週間生きながらえさせました。

まだ課題は残されているものの、この技術が発展すれば、将来的により多くの肝臓移植が可能になることが期待されます。肝臓は強力な再生機能を持つことが知られており、この機器を使うことで将来患者の肝臓の一部を取り出し、完全な肝臓を再生させて本人に戻すことも可能になるかもしれません。

宇宙豪華客船が舞台のドタバタSFコメディ『Avenue 5』

ITスタートアップあるあるで人気を博したコメディ『シリコンバレー』は2019年、シーズン6で完結してしまいましたが、HBOははるか未来に豪華ホテルのような惑星間クルーズ船内で最新テクノロジーに振り回される人々を描くSFシチュエーションコメディドラマ『Avenue 5』を新たに開始しました。

『Dr.HOUSE』でおなじみのヒュー・ローリーが宇宙クルーズ船の船長ライアン・クラーク役で出演するほか、『アナと雪の女王』のオラフ(声)、『スティーブ・ジョブズ』ではウォズを演じたジョシュ・ギャッドが、いかにも成金ですといった雰囲気を漂わせるクルーズ船オーナーのハーマン・ジャッドとして、さらに『シリコンバレー』のジャレッド役ザック・ウッズは船の広報係マット・スペンサーを演じます。

物語は、宇宙を航行中のクルーズ船が軌道を外れ、そのままでは8週間だった目的地への到着予定が数年間もずれ込むと判明したところから始まります。船長のハーマンは、地球上で成功した経験から希望的なビジョンを打ち出そうとするも、宇宙物理学の前にそんなものは役に立ちません。死人も出るなど現実ならば状況がどんどん悪化している状況にもかかわらず、明るい色彩の映像ととぼけた雰囲気が笑いを誘う『Avenue 5』はHBOで2020年1月19日に開始。日本でも早く視聴できるようになってほしいものです。

ルイ・ヴィトンの完全ワイヤレスイヤホン

Master & Dynamic
完全ワイヤレスイヤホンはオーディオメーカーだけの製品ではありません。AirPodsが大人気になっているのは、大多数のユーザーがイヤホンに音質だけを求めているわけではないことを示しています。そして、ファッションブランドのルイ・ヴィトンも昨年完全ワイヤレスイヤホンにその名を冠した製品Horizonを出しています。

オーディオブランドのMaster&DynamicとヴィトンがコラボしたイヤホンHorizonは、1年が経過して第2世代を発表しました。ベースとなるのはMaster&DynamicのMW07 Plus(299ドル、約3万3000円)ですが、ヴィトンのロゴを記したHorizonはそのブランドバリューを反映した1100ドル(約12万1000円)で販売されます。

仕様を軽く記すと、バッテリーはフル充電で10時間駆動、周囲のヒトと会話もできる環境音取り込みモード、音楽に集中するために改善されたアクティブノイズキャンセル機能を備えます。充電機能付きケースはワイヤレス充電に対応しており、イヤホンに追加の20時間を供給します。

一般人であれば、800ドル(約8万9000円)の差額に目をむくはずですが、信奉者なら、そこにヴィトンのロゴがあれば他の細々したことは屁とも思わないことでしょう。