中国市場だけで世界シェアトップ獲得。中国バイドゥのスマートディスプレイ「小度在家」を試す(山谷剛史)

コンテンツてんこ盛りで低価格。音声認識の精度も高め

山谷剛史
山谷剛史, @YamayaT
2020年01月20日, 午前 11:45 in smartspeaker
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中国バイドゥのスマートディスプレイ
中国バイドゥ(百度)製のディスプレイ付スマートスピーカーこと、スマートディスプレイ「小度在家」を購入した。正確に言うと、筆者は去年の前半に購入し、中国拠点に設置。以来訪中するたびに使っている。購入価格は399元(約6000円)。かなりお得な値段だ。

小度在家はその機能の豊富さに対して割安な価格設定になっている。そのカラクリはバイドゥ自身もコメントしているのだが、バイドゥがスマートスピーカーを普及させるために補助金(販売奨励金)を出して、割安な価格を設定しているという。中国では大きい量販店から小さい雑貨屋まで、さまざまな規模のデジタルショップで百度在家が販売されているのを見かける。

中国バイドゥのスマートディスプレイ
▲雑貨屋で売られる小度在家

お得で手に入れやすいことから、スマートスピーカー市場で一気にシェアが高まっている。調査会社のCanalysが発表した2019年第3四半期のスマートスピーカー市場レポートによれば、出荷台数トップがアマゾンで1040万台、2位以下はアリババが390万台、バイドゥが370万台、グーグルが350万台、シャオミが340万台となり、バイドゥは3位にまでつけている。しかも前年同期の3ヶ月での出荷台数100万台とのことから、100万台から390万台と一気に増やしたのだ。

さらにスマートディスプレイに限れば、バイドゥが230万台で首位、2位にアマゾンが220万台、3位がグーグルの70万台、4位がシャオミの60万台と、なんとアマゾンを超え、世界トップシェアとなっている。補助金と中国人の消費力恐るべしだ。

中国バイドゥのスマートディスプレイ中国バイドゥのスマートディスプレイ▲Canalysの調査データより。バイドゥがもの凄い勢いで市場シェアを伸ばしている。補助金と中国人の消費力恐るべし

筆者は中国で、スマートスピーカー「小度在家」を利用した。これをレポートしていく。中国以外ではIPアドレスが異なるなどの理由で、利用が弾かれる可能性があるので購入は注意されたい。

■ウェイクワードは「シャオドゥ」

まずスペックだが、スペックシートによればクアッドコアのCoretex-A35(1.5GHz)、1GB RAM、8GB ROMとなっている。OSにはAndroid8.1を搭載する。ディスプレイは1024×600表示が可能な7インチタッチパネルディスプレイだ。全体のサイズは192mm×192mm×125mm、重さは1500gとなる。家の中で持ち運んで負担にならないサイズであり、重さである。カメラはおまけ程度にしか使わないので200万画素と非力だ。一方、スピーカーは10Wで音質は悪くなく、マイクは3つ内蔵されていて、部屋の中程度なら不満なく声を拾ってくれる。ウェイクワードは「シャオドゥ(小度)」だ。

Gallery: 百度のスマートディスプレイ「小度在家」 | of 6 Photos

  • 百度在家の待受画面
    百度在家の待受画面
    Image Credit: 山谷剛史
  • 百度在家の側面
    百度在家の側面
    Image Credit: 山谷剛史
  • 百度在家の背面
    百度在家の背面
    Image Credit: 山谷剛史
  • 百度在家でニュースを読み上げる
    百度在家でニュースを読み上げる
    Image Credit: 山谷剛史
  • 百度在家でタイマー機能を使う
    百度在家でタイマー機能を使う
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  • 百度在家でテレビ配信を観る
    百度在家でテレビ配信を観る
    Image Credit: 山谷剛史



タッチパネルでの操作が可能なので、用意された多数のアプリをタッチ操作でチェックすることができる。確認すると実にたくさんのアプリが内蔵されている。ニュースや天気や音楽などの基本的なアプリはもちろん、加えてミニゲーム系や、子供向けの教育系アプリが多数プリインストールソフトされていた。

肝心のスマートスピーカー的な声掛けの音声認識の精度だが、さすが検索のバイドゥがAI事業を柱にしただけあり、アリババやテンセントや他社製品より聞き取ってくれる。筆者は中国語が話せると言っても所詮は外国人訛りの中国語であり、アリババやテンセントやマイナーメーカーのスマートスピーカーはなかなか聴き取ってくれず、何度も中国語を正しい発音で丁寧に話した。そんな筆者の中国語をバイドゥのAIはちゃんと聴き取ってくれるのである。中国在住者としてはそれだけでバイドゥのスマートスピーカーを選ぶ価値があるといえよう。

中国バイドゥのスマートディスプレイ
▲時間になったら声がけしてくれるタイマー機能も搭載

■コンテンツ山盛りでもはやスマートテレビ

中国のスマートスピーカーは、概して複数の音声配信サービスや音楽配信サービスと提携するなど、コンテンツが充実しているが、小度在家も例外ではない。ラジオや音楽などの音声コンテンツに加えて、映像面ではテレビの同時配信も観られるし、ネットフリックス的な動画サイトの愛奇藝(iQiyi)の動画コンテンツも視聴できる。もちろん、中国ナンバー1の動画サイト「テンセントビデオ(騰訊視頻)」も見ることができる。愛奇藝については百度の傘下企業ということもあり、3か月分の会員権がついてくる。

中国バイドゥのスマートディスプレイ
▲テレビも観られる

これだけコンテンツが豊富に見られると、ライフスタイルにもよるが、スマートテレビが不要になってしまうかもしれないと感じた。つまり寝室や書斎やスマホを利用しながらのながら見、ながら聴きなら、これで十分ではないかと思うのだ。むしろがっつり大画面で腰を据えて見たいというのであれば、大画面スマートテレビももちろん選択肢ではある。小さくてタッチ操作や音声で様々なコンテンツがオンデマンドで見られるとなると、小度在家は見逃せない。

中国バイドゥのスマートディスプレイ▲さまざまなアニメも用意されている

またこの製品は子供向けの教育コンテンツが多数入っている。これで幼少向けのアルファベットや数字の勉強や国学読み聞かせ系学習コンテンツを見ることができる。中国ではスマートディスプレイ登場以前から出ていた、学習アプリてんこもりの学習パソコンからの伝統だ。

ゲームはミニゲームばかりで、じっくりやりこむものはなかった。ジグソーパズルやマインスイーパーのようなタッチパネル操作のものもあれば、意欲的な音声操作だけのゲームもあった。例えば画面のピカチュウ(著作権的に大丈夫だろうか......)に決まった言葉で話しかけると、それに対応したアクションを動画で見せてくれるというもの。

中国バイドゥのスマートディスプレイ▲ゲームは用意されているが......

またキャプテン翼のアニメがオープニングで流れるサッカーゲームでは、試合中に「敵がボールを取ろうとしている、後ろにパスする?そのまま進む?」といった声掛けをうけて、どちらかの回答をすると、試合が進んでいくというもので、2択の質問がずっと続くという単調な内容だ。

他にも、体調が悪いときに音声でAI診断してくれるアプリや、連携しているスマホの場所を知るべく呼び出してくれるアプリなどがある。ECアプリもアイコンはあるが、実際利用できる状況ではなかった。

中国バイドゥのスマートディスプレイ▲買い物はこれから

まとめると、スマートディスプレイは、スマートスピーカーに画面がついたものというイメージがあったが、実際利用して見ると、タッチパネルにも音声操作にも対応する小さなスマートテレビだ。むしろ、スマートテレビ以上に多機能なスマートテレビだとも言える。これが6000円で買えるのだから、買って得したと大満足な製品だった。

 

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