DirecTVの通信衛星に爆発の可能性。バッテリー損傷、墓場軌道へ移動急ぐ

バックアップ用なのでサービスは影響なし

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年01月23日, 午後 08:15 in Space
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Boeing
衛星放送サービスのDirecTVが、15年間稼働してきた通信衛星Spaceway-1が搭載するバッテリーに異常が発生し、爆発の危険性があると報告しました。現在、DirecTVは静止軌道よりも約300km遠くにある、いわゆる"墓場軌道"へこの衛星を移動させようとしています。Spaceway-1は、普段は太陽光パネルからの電力で稼働しています。しかし地球が太陽と衛星の間、つまり日陰に入ったときのために、必要な電力を供給するバッテリーも搭載されています。報告では、12月に発生した衛星の何らかの異常が、このバッテリーに対して「重大かつ修復不能な熱損傷」と引き起こしたと述べられています。

このため、もしこんどバッテリー駆動に切り替われば「壊滅的な障害」に発展してしまう可能性があるとのこと。次にSpaceway-1が日陰に入るのは2月25日で、DirecTVはこの日までに、衛星を軌道から外し、墓場軌道へ移動する必要があります。

しかし、それには大きな問題がひとつあります。米連邦通信委員会(FCC)による取り決めでは、人工衛星を廃止・廃棄する場合は、機体に搭載する燃料(推進剤)をすべて排出することになっています。これは残った燃料が何らかの際に爆発するリスクを避けるためです。しかし、Spaceway-1には約73kg(2025年まで使える量)の燃料が残っており、残された日数でこれを排出しきるのは不可能と考えられます。過去、同様の衛星が燃料を排出しきるには2~3か月もの時間が必要でした。

DirecTVはやむなく、衛星の廃止前の完全な燃料排出の免除を求めました。すくなくとも墓場軌道へ移動しておけば、仮に衛星が爆発したとしても、静止軌道上で稼働する衛星への害はないはずです。

幸いにも、Spaceway-1はバックアップ用の衛星であり、それがひとつ役目を終えたところで、サービスそのものに直接の影響はありません。ただ、DirecTVはSpaceway-1の廃棄準備とともに、代わりにバックアップに回せる衛星があるかを評価しているとのこと。

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