アップルとMS、患者の医療データアクセスを推進する会議に参加

まだ一般的にはCD-ROMやFAX経由でしかアクセスできないとのこと

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年01月28日, 午後 12:40 in healthcare
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NurPhoto via Getty Images

アップルとマイクロソフトが、患者が自分の医療情報に簡単にアクセスして(医療機関の間で)共有できるようにすべく、米保険社会福祉省(HHS)の取り組みを支援するグループ主催の会議に代表者を派遣すると報じられています。米CNBC報道によれば、この会議は超党派のカリン・アライアンス(The Carin Alliance/患者が自らの医療データを管理できることを推進する組織)が開催するもの。公式サイトに掲載された参加者リストには大企業の代表者40人以上が直接または電話で参加するとされ、そのなかに両社の名前があったことから明らかになったかたちです。

カリン・アライアンスは本会議の焦点は「ヘルスケアにおける消費者主導の(情報)交換の促進」と述べています。具体的には、医療データの相互運用性を促進するため、2019年にHHSが提案したルール変更を推進する取り組みの一環であるとのことです。

医療データの相互運用性とは、異なる医師や医療機関が管理している患者の医療データを互いにやり取りしあい、また患者自らがアクセスしやすくすることです。カリン・アライアンスの説明では「命に関わるできごとが進行中の患者にとって、複数の医療機関や健康管理システムにまたがる情報を集約するのがいかに重要で、一刻を争うかに注意することは不可欠です」と説明し、そうした情報が、治療計画、外科的処置への同意、臨床試験の調査と登録、および緊急のセカンドオピニオンの迅速化を考慮する上で必須だと述べています。

さらに同組織は、医療情報へのアクセスは「患者の安全、よりよい結果、コストの改善、そして多くの場合は生死の問題に関わります」ともコメントしています。要はそれぞれの病院や組織に散らばっている患者のデータを本人あるいは他の医師も参照できれば、再検査の費用や時間も節約できるということでしょう。

こうしたHHSのルール変更を支持する人々は、患者の医療データへのアクセスを近代化するよう訴えているとのことです。現在の仕組みでは一般的にCD-ROMまたはFAX経由に限定されており、一部の患者は完全にアクセスが拒否されていると伝えられています。これにより、患者が異なる医師や医療システムを自由に移動したり、使用アプリや情報の共有が難しくなっているわけです。

こうした動きに反対を表明しているのが、米国最大の医療データ企業であるEpic Systemsです。同社のCEOは先週、顧客でもある大病院に手紙を送り、患者のプライバシーに関する懸念から、ルール変更に反対するよう促したとのことです。

今回の会議には、アップルのヘルスケア担当幹部で医師のRicky Bloomfieldが電話で参加すると公表されています。同社は公式にはコメントしていませんが、医療記録のアクセス改善を支持する理由は明らかでしょう。昨年11月にも同社は米退役軍人省と提携してiPhoneによる健康管理サービスを開始するなど、iOSのヘルスケアアプリ経由でユーザーが自らの医療記録を参照できる動きを進めているためです。

先日ティム・クックCEOもヘルスケア産業にハイテクを導入することで「劇的に、おそらく根本的に」医療費を削減できるとも発言したばかりです。いずれ日本でも、iPhoneやApple Watchからいつでも自分の医療記録を閲覧でき、初めての病院でも以前の検査結果を参照した上で迅速な診療が受けられるようになるかもしれません。
 

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