アップル、技術ライセンス企業Wilanに93億円の賠償支払いへ。160億円から少し減額

両社とも痛み分けでしょうか

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年01月27日, 午後 06:00 in apple
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WiLan
アップルはカナダの技術ライセンス企業Wilan(ワイラン)の特許を侵害していたとして、米カリフォルニア州サンディエゴ連邦地裁での陪審裁判にて8500万ドル(約93億円)の命じる判決を下されました。

本件は2018年にWilanが1億4500万ドル(約160億円)もの賠償を勝ち取った裁判の再審であり、アップルは敗訴しながらも一応は減額されたかたちです。この訴訟は、2014年にワイランがiPhone 6およびiPhone 7が同社の特許を侵害しているとして提訴していたもの。主な争点となっていたのは、2つの特許です。1つは「無線通信システムの帯域幅要求プロトコルの方法と装置」、もう1つは「無線通信システムで使用する適応型呼受付制御」であり、これらを組み合わせて「電話をかけると同時にダウンロードする方法」が実現するというわけです。

2018年の判決に関しては、アップルはワイランが、iPhoneの販売台数に基づいて損害賠償を算出する際、不適切な方法を用いていたと異議を申し立てました。この主張を連邦地裁のDana Sabraw裁判官が正しいと認め、判決を破棄するよう勧告。選択肢として『再計算した1000万ドルの賠償を受け入れるか』『それとも新たな裁判をするか』を示したところ、ワイラインは後者を選びじました。

ワイラインはもともと、1992年にワイヤレス技術の開発に重点を置いて設立された企業です。しかし2006年には戦略を変更し、ライセンス保有企業へと転向しました。同社は「企業が特許ポートフォリオの管理およびライセンス供与により知的財産の価値を解き放つ」ことの支援を目的と掲げており、「世界でもっとも成功している特許ライセンス企業の1つ」と自称しています。

この件を報道しているBloombergは、ライセンス料の収入が同社の持ち株会社クォーターヒル(Quarterhill)にとって年間売上高の半分以上を占めていると指摘していますが、暗に特許トロール企業だと示唆しているのかもしれません。

ワイランは2011年にデルやHPなど9社を相手取ってWi-FiやLTE技術に関連した訴訟を、2016年には中国でソニーを対象にLTE技術の特許が侵害されたとしてスマートフォンの販売差止を請求したこともありました。今回ワイランの勝訴判決は、ほかの特許裁判にも影響をおよぼす可能性もありそうです。

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