VRをとりまく環境はどうなる? 2020年の動向を予想

一体型デバイスの普及と5Gが鍵に

堀江くらは
堀江くらは, @kuraharu
2020年01月29日, 午前 07:20 in VR
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Oculus Quest
2019年にはOculus Questが登場し、大きな話題を呼んだVR市場。比較的安価な一体型デバイスということで2020年にはVRデバイスの更なる普及が期待されます。また、春には5Gが日本にも登場し、VRを含めたさまざまなデジタルデバイスに革命をもたらすかもしれません。

もちろん、変化といっても今年急激に市場が急速に拡大するようなものではなく、ゆっくりと進むものになると思われますが、それでも昨年以上に革新的なコンテンツやデバイスが芽を出すのではないでしょうか。

本稿では、そんな2020年のVR世界について予想をしていきたいと思います。

■Oculus QuestがVRゲーム市場をけん引

昨年登場した「Oculus Quest」はハイエンドPCや高性能なゲーム機がなくても楽しめる一体型のVRデバイスでありながら、5万円前後で入手することができることで話題になりました。

確かにスペックでは他の高価なPC連携型デバイスには劣りますが、手軽・気軽にVRを楽しむことができます。また、Facebookは本機を「ゲームハード」と定義していることもあってか、コンテンツも順調に増えていき、Oculus Linkを用いてPC向けのVRコンテンツも遊べるようになっています。以上のことから、2020年のVRゲーム市場でもOculus Questが大きな存在感を放つのではないでしょうか。

今年から数年かけて、こうした安価で手軽なデバイスが今後も市場に増えることで、VRデバイスの普及率も上昇していき、VRゲームも活性化していくことでしょう。

また、VRゲームタイトルでは人気シリーズのVR版「Half-Life: Alyx」や「The Walking Dead: Saints & Sinners」が期待されており、今後も他のAAAタイトルのVR進出が期待できそうです。また、さらなるハイエンドVRデバイスや、「PS5」の発売など、高性能機で遊べる超画質のVRゲームにも期待できる要素は多く存在します。

Half-Life: Alyx
▲2020年3月リリース予定のVR探索・アクションゲーム「Half-Life: Alyx」

ゴーグルも4K画質で楽しめるものが増加したこともあり、現実と仮想現実の境界がどんどん薄くなってきているという印象です。

とはいえ、VRゲーム市場にとって重要なのは、いかにユーザーにVRでゲームをする楽しみを打ち出せるかにかかっていることは変わりません。「VRでなくてもいい」ゲームでは、需要を喚起することはできないでしょう。


■VRキャラクターの進出と個人化


また、昨年に引き続き好調だったVTuberのライブや他メディア(テレビ・雑誌等)への進出の流れはより規模が大きくなり、様々な場所で彼らを目にする機会が増えると思われます。恐らく企業や自治体がプロモーションにVTuberを活用することも増えるでしょう。
 
一方で、個人がVTuberとしてデビューし、「大物VTuber」を目指すのには既に遅い感が否めませんが、既にスマホだけでVTuberとして配信が行えるアプリもいくつか存在していることに加え、先に触れた一体型の安価なデバイスの登場でより気軽に配信できる環境が手に入りやすくなっていることもあり、企業運営や事務所所属ではない、純粋な個人が"中の人"になるVTuberが多く登場する年になるかもしれません。これは筆者独自の予想ですが、参入障壁が低くなることで、既にネットで有名になっている個人がVTuberとして活動し、話題を呼ぶことが増えそうです。

VR CHAT
▲VR空間内で交流できる「VRChat」

また、同じ理由で「VRChat」や「Favebook Horizon」といったVR×SNSのサービスも活発化するのではないでしょうか。こうしたサービスは人口が命なので、デバイスの普及に比例する形でコミュニティも活性化し、各サービスの競争も激しくなっていくでしょう。

後述する5Gの動向によってはTwitterレベルの気軽さで行えるVR×SNSサービスの登場も期待できますが、それはもう少し先の話になりそうです(いつの日か、美少女アバターばかりの大規模SNSが登場するかもしれません)。

とにかく、今年は既存のVTuberがますます世に進出する一方で、VR配信の個人化も進む年になりそうです。VR×SNSサービスも人口が増え、多くの人とバーチャル世界で交流できるかもしれません。


■5Gにより360度VRが活性化


今年の春には「5G」が日本にも到来します。大容量・高速化・低遅延化を盛り込んだ5Gは、IoTやXRを筆頭に様々なデジタルデバイス・コンテンツに影響を及ぼします。VRにおいてはHTCやパナソニックといった企業は5G時代が本格化するのに向けて、小型・無線化されたVRデバイスの研究開発を進めていたり、360度VRライブの実験が行なわれるなど、さまざまな動きがみられます。

特に筆者が注目したいのはこの360度VRライブです。アーティストのライブやスポーツ観戦を、360度VRの高い臨場感・没入感でリアルタイム体験できるだけでなく、医療の現場における遠隔教育や、建築現場での安全管理での遠隔監視・機器の遠隔操作など、さまざまな分野での活躍が期待されています。

新体感ライブ
▲360度映像を生かしてまるでライブ会場にいるかのように楽しめる映像コンテンツが増えそうだ(写真はNTTドコモの「新体感ライブ CONNECT」

また、ゲーム分野でもVRのストリーミングゲームや、高速通信を活かしたMMORPGやPvPゲーム(対人ゲーム)などの登場が期待されます。

2020年にこうしたコンテンツが一気に登場することはあり得ませんが、まず最初に5Gを背景にして、これまでよりも大容量の動画コンテンツは多く登場するのではないでしょうか。5Gに関しては今後の研究開発に注目していきたいですね。

■競争が激しくなるVR市場


VR市場はほぼ確実に右肩上がりになるでしょうが、VRデバイスの普及は革新的なデバイスが突然登場しない限りは緩やかなものになるでしょう。それでも、2020年はデバイスの進歩と5Gの到来で今までにない変化が期待できます。

一方で、今年は競争と淘汰がより激しくなる一年になるでしょう。デバイスからコンテンツまで、新しいものが登場し、不要なものは淘汰される循環のスピードは加速していくと思われます。

例えば、Oculus Questがこのままの勢いで普及していけば、中途半端に安価を売りにしていたデバイスやVRのためのハイエンドスマホは存在価値が危ぶまれます。イベント物でも、昨年からもはやVRが珍しくなくなったので、VRを単純に体験するものではなく「どうVRを使うか」「何と組み合わせるか」がより重要となっていくでしょう。

2020年は何が覇権をとり、何が衰退していくかを楽しみにしながら、VR市場全体をウォッチしていきたいと思います。
 

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