Apple 丸の内でアプリ設計を体験!講師は神田外語大学の石井雅章氏

iPad×ApplePencil×Keynoteで問題解決のためのアプリをつくってみた

相川いずみ
相川いずみ
2020年01月31日, 午後 02:30 in apple
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Today at Apple 2019
 2019年12月、Appleが開催したToday at Appleセッション「Code with Apple」において、「アプリケーションラボ:石井雅章に学ぶモバイル・アプリケーションのプロトタイプ設計と問題解決発想」が、東京のApple 丸の内で開催された。
 セッションには教育関係者などが集い、石井氏による神田外語大学でのプログラミング授業の紹介や、実際に問題解決のためのアプリを考え、グループでプロトタイプをつくるアクティビティなどが行われた。

Today at Apple 2019
▲神田外語大学の准教授/言語メディア教育研究センター長の石井雅章氏。

プログラミングで、今生きている時代の「基盤」を学ぶ

 講師を務める石井氏は、神田外語大学で学生にプログラミングの授業などを行っており、「プログラミング素人のわたしが、どうして外語大の学生とプログラミングを行っているか話したい」とあいさつ。まずは、石井氏が専門としているSDGsの取り組みや、神田外語大学のキャンパスなどを大型スクリーンで写真とともに紹介した。

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▲2017年に完成した、神田外語大学の新校舎「KUIS 8」。ガラス張りの開放的な外観で、3面プロジェクターなどICTを効果的に活用できる教室が用意されている。

 神田外語大学では、2014年からiPadを導入し、2017年からはiPadをはじめとしたICTを有効に活用するための教室の運用も開始している。
 石井氏は「以前の授業では、マルチメディアとして動画編集などを行っていた。しかし、現在はスマホやタブレットで、誰でも簡単に動画編集が行える時代になった。そこで、『今いちばん基盤になっているメディアをやろう』ということで、生きている基盤を学ぶという意味でプログラミングの授業を始めた」と話す。

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▲使っているプログラミング言語は「Xcode」。

 学生が使っているのは、「Xcode」と「Swift」だ。「教室にMacBookが用意されているが、自分のパソコンを持ってくる学生もいる。ひとつの教室におさまりきらないので、廊下でも学べるオープンなつくりになっている」という。
 石井氏は、プログラミングの授業では「教えない」と話す。
 「わたしはプログラミングについては素人だから教えられない。学生たちは、Quicktimeで用意した動画を見て、お題に沿って、時には仲間と話し合ったりしつつ、自分の力で調べてコーディングしている。90分の授業では終わりきらず、なんとかその日のうちに動くものがつくりたいと、頑張る学生もいる」

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▲学生が実際に作ったアプリ。

 プログラミングの授業では実際にコーディングを学ぶだけでなく、チームで問題解決のためのアプリをつくる。
 「アプリ設計では、まずプロトタイプの設計を行うが、学生は色々と機能や要素を詰め込みたくなる傾向がある。そこで、たとえば時刻表アプリなら『本当に知りたいのは時刻表なの?』と会話をしながら考えを引っ張り出していくと、『本当は、バスに間に合うかどうかを知りたい」といったふうになっていく。 学生のアイデアから削ぎ落して、よりシンプルにプロトタイプをつくるように指導している」と、石井氏は話す。

 さらに、「神田外語大学は『対話するするための言語』を学ぶ大学であり、コーディングはタブレットとのコミュニケーションだ。また、自分の身近なものについて、手を動かして学ぶことができる。5年間やってきてよかった」と、石井氏は外語大学でプログラミングを学ぶ意義を語った。

課題解決アプリをつくるアクティビティ

 セッションの後半では、実際にアプリをつくるアクティビティを行った。参加者が隣や前後の席の人と2~3人で即席のチームを組み、簡単に自己紹介した後、テーマを決めてプロトタイプをつくっていく。1人につき、iPadとApplePencilが1セット貸し出され、それぞれ真剣な顔でApplePencilを走らせていた。

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▲今回のセッションの後半では、「待たずにランチをする」「買い物を抑制する」「信号待ちを解消する」という3つのテーマから1つを選び、プロトタイプ設計に全員で挑戦した。

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▲使うアプリは、Keynote。

 今回はKeynoteを使い、アプリのプロトタイプを設計していった。Keynoteは、小学校のICT教育でも採用されているほど使い勝手がよいため、参加者はあまり操作に戸惑うことなく、自分たちの考えるプロトタイプを作っていく。

Today at Apple 2019▲まずは、チームで話し合って、ターゲットやジャンル、概要など、アプリのディテールを決めていく。

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▲アプリのイメージを、ApplePencilを使ってわかりやすく表現していく。

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▲短時間ながら、女性の参加者はかわいらしいイラストを描いていた。

 20分ほど経ったところで、制作は終了。まだまだ作り込みたい様子の人も多かったが、ここで、プレゼンテーションの時間となった。我こそはというチームが挙手し、前方の大型スクリーンにつくったばかりのプロトタイプ画面を表示し、プレゼンを行った。

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▲参加者がつくったアプリをプレゼン。「ARしゃべる信号機」。

 「ARしゃべる信号機」は、iPhoneをかざし「間に合うスピードなのか」を判定するアプリ。
 信号を見送り待つ場合、「止まったほうがいい人生もある」といったメッセージとともにモーツァルトが流れるという発想が光る作品で、石井氏は「アイデアの使い方がよい」と評価した。

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▲「信号待ち」アプリをプレゼンする参加者。

 つくられたアプリは多種多様で、同じ「信号待ち」をテーマにしたものでも、別のチームはゲーム仕様で考えていた。信号を待っている間、ランダムに出るクイズに答えるというもので、「高齢化社会を考え、ボケ防止の脳トレーニングとして、朝食のメニューや1年前のニュースなどをランダムに出題する」という。ヨガのポーズという問題では、会場から笑いが起きた。
 石井氏も「ターゲットがあり、わかりやすい。画面もシンプルで、特にヨガのポーズが良かった。やっている間に、信号を2回ぐらい過ぎてしまいそう」と、高く評価した。

プログラミングを無料で学べる「Everyone Can Code」

 最後に、Apple 丸の内のスタッフから、Appleが提供している「Everyone Can Code」が紹介された。
 「Everyone Can Code」は、Appleのプログラミング学習教材「Swift Playgrounds」を使って学べる学習ガイドで、すでに多くの学校で採用されている。昨年11月には、学習ガイドをはじめとした新しいコンテンツを強化した。
 また、Appleでは、子どもから大人まで参加できるプログラミング体験会を開催している。今回のセッションもそのひとつで、「誰でも、プログラミングができる」ということを改めて実感する体験となった。

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▲Appleが無料で提供している「Everyone Can Code」。

 新たに追加された「Everyone Can Code パズル」をはじめとしたガイドは、Apple Booksから無料でダウンロードすることができる。学校の授業向けに、生徒用と教師用のガイドが用意されているが、個人で利用し学ぶことも可能だ。
 また、こうしたプログラミングのセッションは、全国のApple Storeで開催されているので、「Today at Apple」の公式ページから、近くのApple Storeのセッションを検索してみるとよいだろう。すべて無料で、プログラミングだけでなく、ビデオや写真、音楽などをテーマにしたセッションが多数開催されている。筆者も何度か参加したが、いずれも少人数でじっくり学ぶことができ、iPhoneやiPad、アプリの新しい活用法を知り大変勉強になった。興味のある方は、ぜひ参加してみることをおすすめする。
 
 

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