中国肺炎
米国国務省は新型コロナウイルスの流行を受けて、自国民に対して中国への旅行を中止するよう勧告しました。米国務省の国外安全情報ページによると、中国は4段階中で最上位となる「Do Not Travel」に指定されています。

1月頭から中国・武漢を中心に流行している新型コロナウイルス由来の肺炎は、致死率自体は3%程度とインフルエンザより低いとされているものの、感染後に有効な対策は未だ見つかっていません。

中国政府が公共交通や企業活動など停止させ、中国人の国外渡航を大幅に制限するなどの大胆な対策を取るもすでに世界に広がりつつあり、WHO(世界保健機関)は30日(日本時間31日)に緊急事態を宣言しています。

米国の対応はこれを受けたもので、自国民に渡航を控えるように要請しています。米国はすでに1月23日には武漢から緊急任務に携わらない米政府関係者の退去を命じていますが、今回の渡航中止勧告では中国全土の米国人に対して、国外への退避を検討すべきと呼びかけています。

中国と米国は2019年を通じて「貿易戦争」とも称される関税対立を繰り広げてきましたが、ハイテク製品においては、新製品を企画する米国と、それを製造する中国という相互の依存関係を保ち続けています。すでにアップルのiPhone生産体制に影響がでてきているという報道もあり、ロイター通信はGoogleが中国本土、香港、台湾を封鎖したとも伝えています。

新型コロナウイルスの封じ込めに難航すれば、ハイテク製品を製造する企業にとっては、米中の「貿易戦争」に匹敵する悪影響がでる可能性もあります。

なお、日本の外務省が提供する「海外安全ホームページ」では、武漢が所在する中国湖北省全域に「渡航中止勧告(4段階中レベル4)」がでているほか、中国全土で「注意(レベル1)」が発令されています(31日14時現在)。

WHOの30日付けレポートによると、新型コロナウイルスによる感染症は、中国では7711件の確定症例と12167件の疑わしい症例が報告されており、重症者は1370人、死亡者は170人で、124人は回復済みとしています。中国国外では18か国に83の症例がありますが、ヒトからヒトへの感染例が報告されたのは3か国にとどまっています(日本はそのうち1か国です)。

米ジョンズ・ホプキンス大学は、WHOなどの公的機関の情報を元に、新型コロナウイルスの感染状況を視覚的に把握できるWebサイトを公開しています。表示言語は英語のみですが、状況の把握に役立つでしょう。

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