CESでわかる「5G元年のガジェット大予想」Engadgetイベントレポ

MaaSや5G、CES取材の過酷な裏話も

山本竜也(Tatsuya Yamamoto)
山本竜也(Tatsuya Yamamoto)
2020年02月3日, 午前 11:00 in event
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Engadget Event
Engadget 日本語版の2020年最初のイベント「5Gで何が変わる? CESで見えてきた2020年ガジェット大予想」が1月31日(金)に開催されました。

1月上旬に開催されたCES 2020では、5Gをはじめ、様々な新しい技術や製品が発表されており、すでに本誌でも大きの記事を掲載しています。本イベントでは、実際にCES 2020の会場を取材された弓月ひろみさんや山根博士、そしてEngadget日本語版のIttousaiにより、それらの記事ではあまり触れられない、現地の様子や実際に見てきた製品について、生の声を語って頂きました。


盛り上がりを見せるMaaS

まずは、弓月ひろみさんによるCESのレポートから。ラスベガスで開催されるCESですが、以前はコンシューマー・エレクトロニクス・ショウ(Consumer Electronics Show)、国際家電見本市と呼ばれていました。

しかし、現在は家電だけではく、テクノロジー関連など幅広く扱うようになっていることから、その名前を使わず、単に「CES」というワンワードで紹介するよう主催者から言われているとのこと。ちなみに発音は、セスではなくシーエスだそうです。

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その会場は非常に広く、規模のイメージとしては、幕張メッセ3つ~4つ分ほど。しかも1か所にまとまっているわけでは無く、ビックサイト、船の科学館、海上といったぐらいにばらけているのだそうです。

そんなCES、今年の発表ではMaaS(Mobility as a Service:マース)が注目されていたようです。MaaSとは「情報通信技術の活用によって自家用車以外のすべての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな移動の概念」のこと。

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CESでの車関連の発表は、4年くらい前から目立ち始めており、今年はソニーが車を作ったとして大きな話題になりました。ただし、ソニーが作りたいのは車そのものではないとのこと。自動運転が普及すると、車の中ですることが無くなってしまうので、その中でどうするかということに各社注目しているようです。



MaaS関連でもう一つの注目は、トヨタが発表した「Woven City」。2020年末に閉鎖する東富士工場跡地に、人が住みながら実証事件を行うラボ機能を持たせた街づくりを行うというもの。道交法の問題もあり、自動運転車をふくめ、公道ではなかなかテストをしづらのが現状。そうならば街ごと自分たちで作ってしまえという考えなわけです。




CESのプレスカンファレンスは、通常1時間程度とのことですが、トヨタに関しては15分ほどと短く、エンタメ性が強いものだったようです。かなりSFチックで遠い未来のような話に思えますが、2021年には着工するとしており、意外と早く実現するかもしれません。

そのほか面白そうな技術としては、デルタ航空の、人によって見え方が変わるパラレルリアリティというディスプレイも紹介されていました。カメラによりディスプレイを見ている人を認識し、1000人が同時に別々の内容を見れるというもの。見る角度によって絵が変わる、レンチキュラーに似た感じだそうです。

これにより、乗客1人1人にそれぞれ違った内容を案内し、ストレスなく移動できるスマートトラベルの実現を目指しているとのことでした。

CESで振り返るEngadgetと2000年代テックメディア

続いてのセッションは、Engadget日本語版のIttousaiさんによるCESとテックメディアの関わりについての振り返りです。なお、本人は顔出しNGとのことで写真はありません。

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先にも書いた通り、CESは最新技術やコンセプト製品の発表場にもなっており、海外とくに米国のテックメディアが重要視しているイベントの一つです。米国の本家Engadgetも当然取材には力を入れており、駐車場にコンテナを持ち込んで作業環境を作っています。

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▲コンテナの中は意外と広い

ただ、仕事場が会場に隣接しており、宿泊するホテルも目の前にあるため、せっかくのラスベガスでも行動範囲は非常に狭いのだとか。そしてホテルに戻ると翌日の打ち合わせなどが始まっており、気が休まる場所がないとも......。

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そんな環境で取材されていた今年のCES、フォルダブル関係が数多く登場していましたが、まだコンセプト段階のものも多く、完成度が高かったのはLenovoのThinkPad X1 Foldぐらいだったようです。

ThinkPad X1 Foldについては、「なぜ日本でこういうものが作れないのか」といったことが書かれることもありますが、日本の大和研究所で開発されており、普通に日本人が日本で作ったものだとのこと。なお、ThinkPad史上、最も開発期間がかかった製品だとのことです。

ちなみに、ThinkPad製品と同等の耐久テストをクリアしているものの、ThinkPadブランドで出すかどうかは、まだ議論が続いているそうです。

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▲取り外し不可な革製ケースが付いており、実機は厚くて重いとのこと。革のエイジングを楽しめるほどには耐久性があるとしていますが、フォルダブル端末をそれほど長く使うかは未知数......

このほか、海外大手テックメディアのThe Vergeは、当時のEngadget編集長がシニアエディターを引き連れて設立したなどの裏話も披露されていました。

CES 2020で見つけた次世代スマホのトレンド

最後は、山根博士による、CESで見つけた最新トレンドの紹介です。まずは何といっても5G。5G端末はハイエンドのものが多く、高額なイメージがありますが、そのような中でTCLが500ドルで購入できる5Gスマートフォンを発表、米国で発売するとのこと。また、ハイセンスも5Gスマートフォンを出しており、こちらは500ドル以下になるようです。

すでに5Gは特別なものではなく、格安スマホなどにも広まりつつあるようです。

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続いては、TCLと同じく中国のテレビメーカであるKONKAの話。海外ではIPTV(ネットテレビ)が当たり前になっており、テレビを買って来て最初にするのはネット接続。その中で、KONKAは8Kテレビに5Gモデムを載せた製品を出展していました。もはやテレビもケーブルレスの時代になるわけです。このテレビと5Gの組み合わせは、今後急速に広まるかもしれないとのことでした。

なお、初日には5Gスマートフォンも展示していたそうですが、1日だけで撤収してしまい、実機に触れることはできなかったそうです。

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また、ハイセンスは、カラー電子ペーパーを搭載したスマートフォンも出していました。通常のディスプレイのように綺麗に見えるわけではありませんが、十分にカラーで見えるとのこと。また、バックライトを使うわけではないので目に優しいのも特徴です。実際、ハイセンスでは絵本や子供向けの勉強アプリなどをデモしており、教育向け端末として出てくるかもしれないとのことでした。

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Samsungがリリースした「Lite」についても言及がありました。liteを名乗る廉価版端末と言えば、HUAWEIのliteシリーズを思い浮かべますが、HUAWEIが仕様を落としたエントリー~ミドルクラスなのに対して、SamsungのGalaxy Note 10 Lite、S10 LiteはLiteでもハイエンド仕様です。湾曲したディスプレイをやめフラットにすることでコストを抑え、ハイエンドながら若干価格を安くしたモデルとのこと。

なお、画面がフラットになったことで、Galaxy Note10 LiteはSペンが使いやすくなったという副次効果もあるようです。

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このほか、円形ディスプレイのスマートフォンや、ドローンが飛び出すスマートウォッチなど、いつも通りの変態端末の話題もありました。記事もありますので、是非チェックしてみてください。



最後は、いつものように懇親会で締めくくり。

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今回は、参加者の方にイベントの感想もうかがってみました。
  • 弓月さんや山根博士のマニアックな話を聞けて面白かった。「Ittousai」が襲名制だったとは知らなかった......(40代 男性)※Ittousaiのセッションでそういう話題がありました。
  • CESには行けないが、その雰囲気が分かって興味深った(40代 男性)
  • CESでのモバイル以外の情報には、なかなか接しないので、目線が面白かった。日本での5Gも安くなるといいなぁ(40代 女性)

なお、イベントの様子はハッシュタグ「#エンガジェ」で確認できます。また、CESの各記事は下記でまとめられていますで、こちらも併せてご覧ください。


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