「復活させたDNA」で孤島のマンモスの絶滅理由を解明。生殖機能などに遺伝的な欠陥

まだマンモスのクローンは作られません

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年02月10日, 午後 03:30 in Science
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Aunt_Spray via Getty Images

われわれが"マンモス"と聞いて真っ先に思い出すのが、体中が長い毛で覆われたケナガマンモス。この"ゾウの祖先"が絶滅した理由を、研究者は調べています。研究者らは、約4000年前までシベリア東部のウランゲリ島に生活していたマンモスのDNAを復活させ、それが他のマンモスやアジアゾウなどに比べて、遺伝的な変異を発見しました。DNAを復活させると言っても、映画『ジュラシックパーク』のように生物そのものを作り出すわけではありません。培養する細胞に調べたい種の遺伝子を生成させ、その細胞内でタンパク質が正常に機能するかを調べることで、その種の遺伝的な特性を知る方法です。

その結果、ウランゲリ島のマンモスの少なくともひとつの個体には、生殖や神経の発達インスリンシグナルの伝達、花の匂いを感じ取る嗅覚などに問題があったことがわかりました。このことは、大陸から孤立した島に少数(300~500頭)で生息していたことで、遺伝的な問題を抱えていたことを示します。そしてそれは長期的な生存の可能性を減らしてしまう原因になったと推測されます。

この調査結果は、ウランゲリ島のケナガマンモス絶滅の最終的な根拠としては決定的とは言えません。ケナガマンモス(および当時の多くの生物)が死に絶えた一番の原因は、彼らの生活圏である寒く乾燥したツンドラが気候の変動で消滅していったとされます。

とはいえ、ウランゲリ島のマンモスたちが遺伝子に問題抱えて滅びたとする今回の研究結果は、2017年にカリフォルニア大学バークレー校の研究チームが発表した、この島のマンモスのゲノム解析の結果と一致しています。そしてこの結果は復活DNAやゲノム解析といった技術が、種が滅びた理由をより明確にし、文明が発達する以前の地上の謎を解明するのに役立つことを示しています。

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