JR西日本が「自動運転」を試験、大阪環状線と桜島線で実用化目指す

JR各社が進めています

石井徹(TORU ISHII)
石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2020年02月19日, 午後 04:50 in autonomous
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JR西日本は19日、大阪環状線で列車を「自動運転」する試験を行ったと発表しました。

JR西日本が今回実施した実験では、駅を出たときの加速から状況に応じた速度の変更、停車駅での減速や停止操作など一連の運転の流れの自動化を目指します。

試験では大阪環状線で使われている制御装置(ATS-P)に加減速制御と定位置停止制御の機能を加えて自動運転を実現。大阪環状線外回り線の大阪~京橋駅間にて終電後に行われました。試験は安全への配慮として、運転士が乗車した状態で行われています。

JR西日本では大阪環状線と桜島線にて最初の自動列車運転の実現を目指すとしています。両線とも踏切がなく、自動運転が比較的実現しやすい路線と言えます。



自動運転というと新しい技術のように聞こえますが、鉄道における自動運転技術は長年にわたる列車制御・保安装置の改良の歴史の延長上にあるもので、自動車の自動運転とは状況が異なります。

実は、地下鉄や新交通システムなどでは「自動運転」が実用化されています。
「ATO(Automatic Train Operation/自動列車運転装置)」と呼ばれる仕組みがそれで、新交通では東京のゆりかもめや神戸のポートライナーなどではATOの仕組みによる完全無人運転も実施されています。

ATOは完全無人運転の新交通システムだけでなく東京メトロや大阪市営地下鉄などの地下鉄やつくばエクスプレスなど新しい路線でも採用されていて、運転士は乗務するもの通常は運転操作を行わないようになっています。

また、2020年現在、日本の多くの鉄道路線にはATS(Automatic Train Stop/自動列車停止装置)という技術が導入されていて、速度を出し過ぎて前の電車にぶつかるおそれがあるときなどに警告して自動でブレーキを掛けられるようになっています。新幹線など一部の路線ではATC(Automatic Train Control/自動列車制御装置)と呼ばれる速度制御の仕組みも備わっています。

つまり、多くの鉄道路線で自動運転を実現する下地(ATS、ATCの配備)があり、一部の路線ではATOによる完全無人運転まで行われている状況にあります。一方で、ATOが導入されている新交通システムや地下鉄路線は、全線高架や地下など人の立ち入りが制限されている環境にある路線がほとんどで、地上を走り、踏切もあるような鉄道路線では導入されていません。

2019年末ごろより、この状況に変化が見えつつあり、JR各社がATOの導入に向けた動きを活発化させています。JR東日本は2019年10月、2020年度末に常磐線各駅停車にATOを導入すると発表。JR九州も2020年春に香椎線でATOを導入すると発表しています。

自動車の場合と同様に、鉄道での自動運転もまずは「ドライバーレス運転」の実現が先行しそうです。つまり、運転技術と資格を持つ「運転士」を廃止して、非常事態が発生したときに緊急停止ボタンを押す「乗務員」などへと置き換えられる可能性があります。

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