ルノーからコンパクトカー「トゥインゴ」のEV版が登場。水冷式バッテリーを採用し航続距離180km

スマート EQフォーフォーの兄弟車ですがバッテリー容量はちょっと多め

Hirokazu Kusakabe
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2020年02月26日, 午前 07:00 in transportation
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Renaultフランスの自動車メーカーであるルノーから、「トゥインゴ」の電気自動車版「トゥインゴ Z.E.」が発表されました。トゥインゴは日本の軽自動車より少し大きな4ドア4人乗りのコンパクトカー。3代目にあたる現行モデルは、ドイツ・ダイムラー社のスマートと共同開発車になりました。日本でも179万円からという輸入車としては比較的手頃な価格で販売されていることから、ルノー・ジャポンの力の入れ具合が分かります。TVCMなどで見かける機会も多いでしょう。

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ダイムラーと共同開発された現行モデルは、当初から電気自動車化を想定して設計されています。プラットフォームを共有する兄弟車の「スマート・フォーフォー」は、既に2016年からEV仕様が用意されているのみならず、2020年よりルノー製のガソリン・エンジンの搭載をやめ、全車EVとなることを宣言。2019年の東京モーターショーではマイナーチェンジを受けた最新モデル「スマート EQフォーフォー」(下の写真)を展示し、日本市場での販売にも意欲を見せています。

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スマートよりだいぶ遅れて登場したトゥインゴ Z.E.ですが、けっしてルノーが電気自動車に疎いというわけではありません。トゥインゴより大きな5人乗りハッチバックEVの「ゾエ(ZOE)」をはじめ、広い荷室で日本でもファンが多い「カングー」や商用バン「マスター」のEV版、さらに超小型EV「トゥイジー(Twizy)」と、中国や韓国市場向けモデルも含めると、現在6車種のEVを販売しています。これらに、欧州のシティカー・クラスで販売台数4位(フランスではクラストップ)を誇るトゥインゴのZ.E.が加わるというわけです。

ちなみにルノーは、トゥインゴやカングー、マスターなど、内燃エンジン搭載車と併売されるEV仕様には「Z.E.」という名称を付けています。もちろんこれは、「ゼロ・エミッション(排出ガスを一切出さない)」の頭文字です。
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トゥインゴ Z.E.もスマート EQフォーフォーと同様、ガソリン・エンジンに代わって車体後部に搭載された1基の電気モーターが後輪を駆動します。最高出力60kW(82ps)、最大トルク160Nmというスペックも、スマートのモーターと変わりません。

トゥインゴ Z.E.がスマート EQと異なるのは、EVの最重要コンポーネントの1つであるバッテリーです。スマートが採用するダイムラー傘下のドイツ・アキュモーティブ社製リチウムイオン・バッテリーの容量が17.6kWhであるのに対し、ルノーは共同研究パートナーである韓国LG化学製バッテリーを使用。その容量は21.3kWhと、スマートを上回ります。

1度の充電で走行可能な航続距離も、トゥインゴ Z.E.はWLTPモードで180kmですが、スマート EQフォーフォーはNEDCモードで153kmに留まります。WLTPモードではもうちょっと差を開けられるでしょう。リミッターが作動する最高速度は、トゥインゴ Z.E.が135km、スマート EQフォーフォーは130kmと、こちらも僅かながら差があります。
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ルノーによれば、トゥインゴ Z.E.のセンターコンソールにあるボタンを押して、ドライブ・モードを「Eco」に切り替えると、加速や最高速度が制限される代わりに、215km程度の距離を(市街地・高速道路の混合で)走行可能になるとのこと。ただし、冬場はWLTPモードの航続距離が110kmに低下するので、寒い日のドライブには注意が必要です。

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既発のEVと同様、ルノーはトゥインゴ Z.E.にも「カメレオン・チャージャー」と呼ばれる様々な電力に対応した充電機能を標準装備しました。ごく一般的な交流の22kWで急速充電した場合、30分で80kmの距離を走れるようになります。

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また、ルノーはトゥインゴ Z.E.のバッテリー冷却システムに、同社のEVで初めて水冷式を採用しました。ルノーのゾエや、日産「リーフ」のバッテリーは空冷式ですが、従来のテスラ車やこれから発売になるホンダの新型EV「Honda e」は水冷式です。水冷式はコストが嵩み、定期的に冷却液の交換も必要ですが、バッテリーの温度管理が強化されることで、性能の安定化や劣化を抑えるという点において有利になります。日産も、次期EVプラットフォームには水冷式を採用すると噂されています。

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トゥインゴ Z.E.の外観は、内燃エンジン搭載モデルとほとんど変わりません。「エレクトリック・ブルー」の差し色がボディ・サイドとフロント・グリルに入り、「Z.E. Electric」のバッジが各部に付くことくらいでしょう。左後方の給油口はそのまま充電ポートになります。

インテリアでは、シフトレバーのマニュアル・モードに代わり、回生ブレーキの強さを3段階に変更できる「Bモード」が備わります。ドライバーの眼前に備わる液晶パネルには、バッテリー残量や走行可能距離が表示されます。

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他にも、エンジン音のしないEVならではの機能として、低速で接近する車両に歩行者が気付くように電子音を発する「Z.E. ボイス」システムが装備されています。音の種類は3種類からドライバーが選択可能。走行速度が30km/hを超えると自動的にオフになります。

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専用のスマートフォン・アプリを使えば、乗車前にトゥインゴ Z.E.を充電器に接続したまま、エアコンを作動させ、車内の温度を調整しておくことが可能です。走り始めてから車内を急速に冷やしたり温めたりしようとすると、車載バッテリーの電力を激しく消費してしまうからです。

トゥインゴ Z.E.は、内燃エンジンを積むトゥインゴと一緒に、スロヴェニアのノボ・メスト工場で生産されます。実車は3月3日にジュネーブ・モーターショーで公開予定。価格はその後、明らかになる見込みです。


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満を持して発表されたわりにトゥインゴ Z.E.は、ダッシュボードのほぼ全面に液晶パネルを搭載したHonda eあたりと比べると、面白みには欠けるかもしれません。日産リーフなら5人が乗れてもっと遠くへ走り続けることができます。しかし、内燃エンジン車ベースの強みを活かし、より手に入れやすい価格設定が可能になれば、街乗りや通勤用としてEVを求める人々に「こういうのでいいんだよ」と受け入れられることは十分に考えられます。

ちなみにトゥインゴ Z.E.よりバッテリー容量が少ない兄弟車のスマート EQフォーフォーは、欧州で約270万円からという価格で販売されています。日本市場で販売拡大を図るルノー・ジャポンの英断に期待したいところです。

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