飲酒なしにアルコール入りのおしっこが出る女性みつかる。膀胱内でエタノールを醸造する珍症例

お食事中を避けてお読みください

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年02月26日, 午後 11:05 in Medicine
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LightRocket via Getty Images

ピッツバーグ大学の医師が「アルコールを排尿する」特異な女性の症例を報告しています。この女性は糖尿病から来る肝硬変と診断され、ピッツバーグ大学医療センタープレスビティリアン病院に入院、肝臓移植の待機リストに入るための準備中でした。

ところが、入院中に何度尿検査をしてもアルコール反応に陽性が出つづける不思議な症状を呈したことから医師は女性がアルコール使用障害(AUD)と呼ばれる依存症の一種だと考え、まずその治療をするよう女性に勧めたとのこと。しかしその提案に対し、女性は一切飲酒をしていないと主張しました。考えてみれば、女性は入院後は一度も酔っ払ったような状態になったことはなく、血液検査でもアルコール摂取の兆候が確認されたことはありませんでした。また尿検査ではなぜかエタノールが陽性と出るものの、飲酒時に生成される他の代謝物、グルクロニドと硫酸エチルはすべて陰性のままだったとのこと。

不思議に思った医師らは膀胱内に酵母菌がコロニー状態となって存在し、糖尿病のせいで尿に含まれている糖を発酵させてアルコールを醸造しているのではないかと考えました。そして女性の尿を改めて分析し、その成分に大量の出芽酵母が含まれているのを発見しました。検出された酵母はカンジダ・グラブラタと称する種類のもので、これは人の体内に見られるほか、伝統的なビール酵母の一種でもあります。

この酵母菌が体内、たとえば腸などでアルコールを醸造してしまう症状として自動醸造所症候群(または腸発酵症候群:auto-brewery syndrome:ABS)が知られています。これは食物に含まれる炭水化物を腸内でアルコールに変えてしまい、さらにそれを吸収してしまうというもの。この症状を持つ患者は食事を摂るだけで酔っ払ってしまう場合があるとのことです。

ただ、女性の場合は膀胱内で酵母がアルコールを醸造する珍しい例です。膀胱では水分は吸収されないため女性は酔っ払うことはなく、醸造されたアルコール尿はそのまま排泄されていました。医師のチームはこの症例に対し"尿自動醸造症候群(urinary auto-brewery syndrome )"または"膀胱発酵症候群(bladder fermentation syndrome)"と命名することを提案しています。

なお、尿にアルコールが含まれる原因を医師が突き止めたことで、女性(61)は晴れて肝臓移植の待機リストに組み入れられることが決まりました。早く移植が行われ、少しでも長生きされることを祈りたいところです。

 
 

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関連キーワード: Auto-brewery syndrome, beer, budding yeast, Candida glabrata, cirrhosis, Medicine
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