auは、サムスン製の縦折りスマートフォン Galaxy Z Flipを本日(2月28日)発売しました。すでに初回引き渡し分は完了しているなど、auとしては想定通りの売れ行きのようです。
いざ実機に触ってみて感じたのは「軽い」ということ。7.3インチという大画面で、特殊な折り曲げ機構を採用するにも関わらず、iPhone 11の194gよりも軽量。サイズも薄さ7.2mm、横幅74mmと、一般的な大画面スマホと変わらず、折り曲げさえしなければ『普通のスマホ』という印象です。
また、ディスプレイが縦長なことにも驚きました。アスペクト比(縦横比)は22:9で、縦長スマホとして知られるXperia 1の21:9よりも縦に長くなっています。
この縦長を活かせるのがマルチタスク機能で、上下に2つのアプリを並べても、一般的な端末に比べて表示領域を広く取れます。また、縦スクロールするWEBページやSNSなどを表示する際も、視認性は良好です。
加えて、折りたたみスマホとして世界で初めて、画面の保護カバーにガラスを採用。厚さ1mm以下の極薄ガラスのため、ディスプレイの湾曲にしっかりと追従します。なお、ガラスの表面には樹脂層があり、傷はつきやすいとの報告もあります。
Galaxy Z Flip、片手でパカッとする感じ、完全にガラケーのそれだわ... おじさんおばさんホイホイ pic.twitter.com/zvo3BZ2TAr
— 小口貴宏 / EngadgetJP (@TKoguchi787) February 17, 2020
開閉の感じも懐かしのガラケーそのもの。片手で問題なく「パカパカ」っとできます。折り目は「目立たない」ということはないですが、あえて意識しなければ気になりません。
実用性はどうか
折りたたみスマートフォンのメリットは至ってシンプル。それは『大画面をコンパクトに持ち運べる』ということ。Galaxy Z Flipもこのメリットの恩恵を受けており、縦に長い7.3インチの大画面にも関わらず、ジーンズのポケットにもすっぽり収まります。このサイズ感は、かつてのガラケーを彷彿とさせます。
また、ヒンジの角度は無段階に調節可能。ビデオチャット時にはスタンド風に設置できます。さらに、カメラ機能などは折りたたみを前提にした独自のUIを採用しています。
このように、『大画面をコンパクトに持ち運ぶ』という価値が、この端末の最大の特徴です。これは、2010年代では殆どのユーザーが経験できなかったもの。それをひと足早く体験できるという意味で、本端末の価値は大いにあります。
留意点も
と、書き連ねましたが、いくつか留意点もあります。税込17万9000円という価格は、いくら「折りたたみ」というギミックがあるとはいえ、一般ユーザーは購入しづらいでしょう。『大画面をコンパクトに持ち運ぶ』という前述の価値を十分に理解したユーザー向けの製品です。SoCは1世代前のSnapdragon 855 Plusを採用。日本で3月に商用サービスが始まる「5G」にも非対応です。ただ、Snapdrgaon 855 Plusでも昨年(2019年)のフラグシップを上回る高性能ですし、5Gの立ち上がりも比較的時間がかかると予想される中、実用面ではあまり問題にならないでしょう。
また、FeliCaにも非対応のため、同機能を使いこなしているユーザーは、残念ながらメイン端末としては検討外となってしまいます。
とはいえ、2020年代のディスプレイ技術の新機軸を真っ先に体験したい──。そう感じているユーザーは、即購入すべきでしょう。