スマホの新製品発表会は変わるのか、MWC20中止に見るファーウェイや各社の動き:山根博士のスマホよもやま話

ビデオ発表会は思ったよりも悪くない。発表会後のタッチアンドトライが重要に

山根博士 (Yasuhiro Yamane)
山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2020年03月1日, 午後 12:00 in mwc2020
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MWC20out
本日(2月28日)は4日間開催されたMWC20 Barcelona(MWC 2020)が終わり、現地を取材しているジャーナリストやライター陣がようやく一息をいれることができる、一服の日となるはずでした。しかしMWC20が中止となり、今年のバルセロナは発表会が1本行われただけ。ホテルや飛行機の手配を済ませていたためバルセロナ行きを中止せずに現地に飛んだものの、例年と比べて仕事量は1/10以下にすぎませんでした。

MWC20では例年スマートフォンの新製品発表会が会期に合わせて行われます。今年はVivoがMWCで初の新製品発表会を開催、昨年初だったシャオミも予定し、さらにOPPOからも新製品が華々しく発表されるはずでした。他にもファーウェイ傘下のHonorもプレスカンファレンスを予定。さらには筆者が内々に聞いていたところでも複数の中国メーカーが新製品を発表、または展示予定だったのです。

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1月に開催されたCES 2020では、世界初の折りたたみスマートフォン「FlexPai」を昨年発表したRoyleのブースに勢いがありませんでしたが、同社はMWC20で後継機を発表する予定だったとのこと。このようにMWC20では中国メーカーから10機種近い新製品が出てくる予定だったのです。日本勢ではソニーが「Xperia 1 II」「Xperia Pro」などを発表予定でした。

しかし新型コロナウィルスの影響を受け、MWC20が会期直前に中止になりました。スマートフォンメーカーの中にはそれを待たずして発表会中止を決めたところもありましたし、最後まで開催するか否かを悩んでいたメーカーもありました。結局多くの中国メーカーが発表会を中止したのは、GSMA(MWC開催の主催団体)が2月10日に出したアナウンスを受けて判断したようです。

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アナウンスは「中国湖北省からの渡航者はMWC20へ入場禁止、他エリアからの場合でも14日以内に中国国内に滞在した場合はパスポート印など証明書が必要」というもの。MWCは24日から開始ですから、そのアナウンスと共に中国を離脱しなくてはMWCに参加できなくなります。発表会はMWCの会期前日などに行われ、MWCとは別でメーカーが個別に開催します。とはいえもしも発表会を開催し、そこで来場者が感染しそのままMWC20へ参加してしまえば大きな問題となります。MWCは最新の通信技術を披露する場でもありますし、中止になれば参加費の返金や出展社のブース設営費をどうするかといった問題も起きます。しかし人命を第一にするのは当然のことでしょう。

このようにMWC20に合わせたイベントがほとんど中止になる中、ファーウェイは新製品発表会の日時を当初の2月23日(日)から2月24日(月)に1日遅らせたうえで、現地開催を行いました。発表会に出席したメディアの数はおそらく300から400人程度。パートナーの姿も少なく、毎年1000人近くが参加する発表会と比べると規模は大きく縮小されました。

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このファーウェイの新製品発表会は、同社のコンシューマービジネスグループのCEO、リチャード・ユー氏がビデオで登壇するという新しいスタイルでした。つまり会場の参加者はオンライン配信を見るかのように、会場の椅子に座ってビデオを見るというもの。このビデオは発表会の前にあらかじめ会場で録画されたもので、ユー氏本人の動きや話しぶりを直接見れないため臨場感にはやや欠けるものがありました。

しかし発表会が終わった後には「Mate Xs」など最新モデルを大量に用意したタッチアンドトライコーナーが設けられ、どの新製品もメディア関係者がこぞって写真やビデオを撮影。発表会で説明された新機能を試すなど、実製品にふれてじっくりと試すことができたのです。またユーCEOは個別にインタビューも受けていました。なおユーCEOは今回の動きが起こることを予想してか、24日の発表会の14日以前に中国大陸を出発したとのことです。

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ここ数年、新製品発表会をライブでストリーミング中継することは一般的になりました。発表会会場へ行かなくとも、自宅でその様子をリアルタイムで見ることができるわけです。しかし発表会を見ただけでは新製品の魅力や特徴はわかりにくいのが事実です。スペックの数字や特徴を聞いたうえで、実際に製品に触れて試すことができる。これが新製品発表会の利点であり醍醐味でしょう。

また今回のバルセロナではライターが集まって某社のプレスカンファレンスを一緒に見ましたが、進行をみながら「この機能はどうなの?」など、意見交換が進みました。発表会の会場では発表中はもちろんそんなことはできませんが、実機のタッチアンドトライの時間に他の国のメディアなどと「どうだった」と話をするのはよくあること。世界中のジャーナリスト・ライターと本音の意見交換ができるのも発表会会場だからできることです。

「発表会をストリーミング(あるいは動画)で流す」という動きはこれからも増えてくるでしょう。しかしメーカー側としては製品の記事をすぐに書いてほしいでしょうし、自慢の新機能を試してもらいたいもの。ファーウェイの今回の新製品発表会は、これからの新製品発表会のあり方の1つの事例になったと感じました。

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今後は大型展示会の直前に発表会を放送し、実機は展示会会場の自社ブースで触ってもらう、という例が増えるのかもしれません。そうなれば発表会会場を借りるコストや手間も省けます。来年のMWC21では新製品が今年以上に登場し、発表会の数も増えることを期待したいものです。
 
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