GoogleのゲームストリーミングサービスStadiaが昨年末に開始されてから約4ヶ月が経ちましたが、現在のゲームライブラリはわずか数十本に過ぎません。
同社は年内に『DOOM Eternal』や『Cyberpunk 2077』といった大ヒット作品を含めて120本を追加すると発表済みです。だとしても、やはり寂しさが目立つのが独立系ゲーム開発者が手がけるインディーゲームであり、このカテゴリに属するものは現時点では数本となっています。
他社のPS4やXbox One、Nintendo Switchを活気づけた『ショベルナイト』や『デッドセルズ』といったインディー系ヒット作はなぜStadiaに来ないのか。「Googleが提示したインセンティブが少なすぎるから」といった匿名開発者の証言が報じられています。米Business Insiderが話を聞いた著名インディー開発者は、Stadiaチームからアプローチを受けたことを語っています。通常、そうしたプラットフォームへの参加を誘う場合は動機付けするような何かをオファーするものと述べつつ、インセンティブは「ないも当然だった」とのことです。
これと同じような発言は、いくつかの有名インディー開発者や2人のパブリッシャー幹部からも寄せられたとされています。「要は十分なお金が提示されなかった」し、「話にもならないほど安かった」との証言が伝えられています。
ここでいう「インセンティブ」はお金だけではなく、そのゲームプラットフォームそのものの魅力も含まれています。ある開発者いわく「ユーザーがいて、そのユーザー層にリーチしたいから、参加したいプラットフォームがある」「それがSteamであり、Nintendo Switchです。彼らはプラットフォーム上に大きなユーザー層を抱えており、そうしたゲームを遊んでくれる人達と共にいたいんです」とのことです。
しかし、少なくとも現時点でのStadiaユーザーは多くは無いため、そのギャップを埋めるために開発者向けのインセンティブを設ける必要があるわけです。そしてBusiness Insiderが取材した範囲においては、お金以外でStadia向けにゲームを作る理由はあまりないと語られています。
ある開発者は「Googleと長期的な関係を築くこと」をインセンティブの例としてあげつつも、「Googleの歴史を振り返れば、彼らがStadiaを1年続けるかどうかさえ分かりません。Googleがそうすると信じる理由は何もない。今までの実績からすれば想定の範囲内です」と述べています。
長年にわたって他の多くのサービスでそうしてきたように、Googleはある時点でStadiaに見切りを付けて停止するかもしれないーーそうした懸念は、取材した全ての関係者から指摘されてきたとのことです。
実際、Google社屋内に終了したGoogleサービスの墓場が登場したこともあります(ハロウィン向けの一時的な催しですが)。
Not sure whether spooky or just sad? pic.twitter.com/E8uvavkuQf
— Dana Fried (@leftoblique) October 2, 2019
GoogleリーダーやGoogle Buzz、Google+といった墓碑銘に、Google Stadiaが加わることはないと信じたいものです。