SpaceXのStarship試作機が「離陸」。圧力容器試験中に破裂の衝撃で

次の試作機はすでに準備中

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年03月2日, 午後 03:30 in Space
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SpaceXがテキサス州ボカチカのロケット建造施設で組み立てていた大型ロケットStarshipが2月29日、燃料タンクの試験中に(おそらく意図せず)破裂、バラバラになってしまいました。この機体は直径9m、高さ約30mのやや大きめのサイロのような形をしたプロトタイプで、液体窒素を圧力容器に注入する加圧試験を実施していました。SpaceXはこの2日ほど前にいくつかのセンサーを機体に追加設置して、今回のタンク部分の極低温"実証"試験に臨んでいました。
試験開始後、タンク内部には極低温の液体窒素が送り込まれ、投光器で照らされたシルバーの機体は白い霜に覆われてゆきます。1時間ほど注入を続け胴体部分があらかた真っ白になったころ、機体の側面からスプレー状に何かが噴出するのが見え、その後機体下部のタンクが激しく破裂しました。この反動でおよそ30〜40トンはあるはずの円筒状の機体全体が数十mほど"離陸"しました。そして地面に落下するとこんどは機体上部のタンクも破裂し、ドーム状の蓋の部分がロケット弾のようにすっ飛びました。

この機体Starship SN1は、イーロン・マスクCEO曰く完全に機能するStarshipを開発するために必要なシステムごとに開発とテストを行うプロトタイプ群の1号機です。マスク氏は昨年末、複数の機体を並行して開発していくことで全体の開発をスピードアップするとしており、最初の本番用Starship V1.0が出来上がるまでには少なくともSN20ぐらいまでの機体が必要だろうとツイートしていました

SN1ではまず液体窒素による極低温試験で圧力容器であるタンクを加圧し、それが構造的に安全なことを確認した上で、次の段階の試験に進む予定だったはずです。マスクCEOによればSN1では液体酸素とメタンを注入する完全極低温試験(Wet Dress Rehearsal:WDR)を完了することが目的で、つづいてRaptorエンジンの静的点火試験(Static Fire Test)も実施する予定でした。
しかしその予定も機体がばらばらになってしまった以上、意味はありません。すでにSpaceXは次なるプロトタイプStarship SN2を準備中で、施設ではそのシルバーの胴体部分が積み上げられています。SN1は建造に4週間がかかったことを考えると、SN2がテストに臨むのは2〜3週間後と推測されます。もちろんSN2にはSN1の不具合修正は適用されないと思われますが、今回の失敗は必ず分析され、今後作られるプロトタイプのどれかで再び試験されると考えられます。

ちなみに、SpaceXは2019年11月にもStarshipのプロトタイプMk1をやはり極低温試験中に破裂させていました。SpaceXは今回の試験結果についてコメントしていません。


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