アップルやソニー等83社がウイグル人「強制労働」から部品供給との報告

アップル自身の報告を待ちたいところ

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年03月3日, 午後 06:00 in apple
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China
Bloomberg via Getty Images

オーストラリアのシンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所」は、中国政府が新疆ウイグル自治区からウイグル人を全国に移送し、グローバル企業に部品などを供給する工場で強制的に働かせているとの調査結果を発表しました。

同シンクタンクは、そうしたサプライチェーン工場との取引がある企業としてハイテク、衣料品、自動車の分野で少なくとも83社があると指摘。その中にはアップルや米BMW、ソニーやサムスンなどが含まれています。このレポートによれば、2017年~2019年に新疆ウイグル自治区から少なくとも8万人が中国全土の工場に運ばれ、その一部は「収容所」から直接送られたと推定されています。

そうして移送されたウイグル人労働者は、勤務時間外も組織的にイデオロギーの再教育を受け、絶え間なく監視され、宗教的儀式への参加も禁じられているとのことです。その報告を裏付けるように、米Washington Postも仕事が終えた労働者らが工場内にある警察署(「党に忠誠を保ち」、「明確な規律を守り」と書いている)を通り過ぎ、常に監視下に置かれた寮に戻る様子を伝えています。

このレポートではアップルおよびサプライヤー向けの部品を製造する4つの中国工場を特定しており、そのうちの1つはiPhone 8およびiPhone X用の「自撮りカメラ」を製造しているO-Filmです。そして2021年にはアップルにとって第2位の有機ELパネル供給元になると噂されるBOE Technologyグループも直接または請負業者を通じてウイグル人の労働力を使っているとされ、AirPodsのサプライヤーGoerTekの名前も挙がっています。

こうしたサプライヤーはアップルのみと取引があるわけではありません。たとえば上記のO-Filmはファーウェイやレノボ、サムスンなどのカメラモジュールやタッチスクリーン部品も製造していると謳っており、中国サプライチェーン頼りの世界的企業にとって共通の問題というわけです。

オーストラリア戦略政策研究所は「サプライチェーンでウイグル人の強制労働を利用している企業は、強制労働で作られた商品の輸入を禁止したり、強制労働サプライチェーンのリスクの開示を義務付けたりする法律に違反する可能性がある」と指摘。さらには諸国の政府に「貿易協定を見直して、強制労働で生産される商品と製品を制限する」ことを提言しています。

アップルは2019年にサプライヤー責任の進捗報告書を発表して「わが社はすべての人が尊厳と敬意を持って扱われるように、自分自身とサプライヤーを最高水準に保ちます」と述べています。今回の報道が事実であれば、見過ごすことが出来ないゆゆしき事態のはずです。

Washington Postの問い合わせに対して、アップル広報は「アップルは、サプライチェーンのすべての人が彼らにふさわしい尊厳と敬意を持って扱われるようにすることに専念しています」と述べつつ「このレポートを見たことはありませんが、すべてのサプライヤーと緊密に連携して、高い基準が維持されるようにしています」と回答しています。つまり従来の方針を再確認しつつ、報告書については事実上のノーコメントです。

米MacRumorsの読者コメント欄でも指摘されていますが、もしも巨大企業が中国のサプライチェーンに依存しているために強制労働が放置されているのであれば、そうして作られた部品を含む製品を買う消費者も人権侵害の「共犯」になりかねません。

今回はあくまで1シンクタンクや新聞の報道に過ぎず、全ぼうが見えたわけではありません。「すべての人が彼らにふさわしい尊厳と敬意を持って扱われるべき」とするアップル自らの報告を待ちたいところです。
 
 

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