NASA、Flickr

NASAが、次代の宇宙飛行士候補の新規募集を開始しました。募集期間は2020年3月2日〜3月31日。NASAは現在、有人月探査を行うアルテミス計画を推進しており、さらにトランプ政権は2030年代に火星へ人類を送り込むことを目指しています。つまり、今回の募集で選ばれた飛行士は実際に月や火星を目指すことになる可能性があるということです。以前の募集時にもお伝えしたとおり、NASAが募集する飛行士候補はまず米国市民である必要があり、残念ながらわれわれ日本に住む日本人にはその資格がありません。

募集要件としては、STEM(科学・技術・工学・数学)分野の修士号または同分野での2年以上の博士課程を履修した人、医学博士、またはSTEM分野の学士号を持ちつつ、テストパイロットのスクールを修了済み(2021年6月までに修了見込み含む)の人が対象となり、これに加えて機長としての1000時間以上のフライト経験者であるか、2年間の漸進的に責任を担う実務経験を有する人物か、いずれかの条件を満たすことが求められます。

もちろん、NASAのミッションにおける長期間の宇宙滞在に耐えられる身体能力が必要なことは言うまでもなく、物理的な要件として宇宙服に入るサイズの体格であること、具体的には身長が157〜190cmの間に収まる必要があります。

これだけの条件を見れば、宇宙飛行士がいかに狭き門かがわかろうというものです。しかし、要件をすべて満たして採用されてしまえば、今後2030年代までは宇宙飛行士は月、そして火星を目指す冒険家として、そして行き着いた先で様々な調査を行う科学者として、他ではまず経験できない仕事を任されることになるはずです。
ひとたび宇宙に出てしまえばそこは決して安全ではなく、常に大きな危険が伴います。それでもこれは4年ぶりにやってきた、宇宙飛行士になるためのチャンスであり、たとえ任務が国際宇宙ステーション(ISS)との往復だけだったとしても、地球を飛び出して宇宙に滞在したごく少ない人たちの仲間入りを果たすチャンスと言えるでしょう。

ちなみに、われわれ日本人が宇宙飛行士になるにはJAXAが宇宙飛行士を募集するタイミングに適切な年齢で、適切な要件や資格を満たしていなければなりません。前回のJAXAによる飛行士募集は2008年のことであり、もう12年ほど募集は行われていません。ただし、宇宙環境を想定した閉鎖環境実験の希望者を募集したことはありました