『God of War』開発者がGoogleに移籍。Stadia独占ゲーム制作の新スタジオ設立

クラウドネイティブ🤔

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2020年03月5日, 午後 01:30 in google
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プレイステーションの人気シリーズ『God of War』で知られるSIEスタジオサンタモニカのトップ Shannon Studstill氏が、Stadia独占ゲーム開発のため Googleに移籍していたことが分かりました。

Studstill氏はGoogleが新たに設立するファーストパーティ開発スタジオの責任者として、クラウドゲームサービス Stadia でしか遊べないゲームの開発を指揮することになります。Shannon Studstill氏は、プレイステーション2の初代『ゴッド・オブ・ウォー』からプロデューサーを務める業界のベテラン。シリーズの開発を担当してきたソニーのスタジオサンタモニカを長年にわたり指揮してきました。

Googleは自社のクラウドゲームサービス Stadia 向け独占ゲームの開発に向けて、2019年にはカナダのモントリオールに開発スタジオを設立していました。

Studstill氏は、Googleが米国カリフォルニア州 Playa Vista に新たに立ち上げる新スタジオの責任者に就任します。

Googleでゲーム事業担当バイスプレジデント兼 Stadia Games and Entertainment ヘッドを務める Jade Raymond氏(元Ubi、アサシンクリードの人)によれば、Studstill氏が率いるプラヤビスタの新スタジオは、「まだ探り始めたばかりの新しいゲームプレイメカニクスや、一緒に遊ぶクリエイティブな方法、ユニークなインタラクションモデルなどを使った独占ゲームの開発に注力」することが役割。

具体的なタイトルや内容については明かさないものの、ゲーマーの求めるものに応えつつ、Stadiaならではの要素を加え、新規IPおよびエクスペリエンスを開発してゆくとしています。



Stadiaは巨人Googleがついにゲーミング分野へ本格的に攻め込むのか、いよいよクラウドゲーミングの可能性が実現するのか、資金力で業界の勢力図を一変させるのではと恐れられた一方で、一部でサービスが始まってからは肝心のコンテンツが乏しい、ネットワークの要求がやはり厳しい、発表でドヤった革新的機能の一部しか使えない、外部の開発スタジオにとって参入のメリットが薄いと伝えられるなど、当初の話題性への反動ともいえるニュースが続いています。



コケた!爆死!やっぱりダメだったな最初から分かってた!と見切りスキルを誇示する向きもありますが、サービスの提供地域が段階的に拡大している途中であること、何よりも試すには130ドルの専用キット購入が必要で、最大の魅力として語られた無料プランがまだ開放されていない状況を考えると、始まる前から終わったのか、まだ始まっていないのか、少なくともGoogleのStadia担当者の見込み的にはこれからなのかは、大いに議論の余地があります。

終わった論とは逆に、遅延軽減や帯域確保につながる5Gネットワークの普及、高性能なエッジノードの設置数、開発者側ノウハウの蓄積など、時間が経てば立つほどクラウドゲームサービスのコストは下がり魅力は増すのだから勝利はもはやマニフェストデスティニー、いま遅延やゲーム機・ゲーミングPCとの違いを挙げて否定するコアゲーマーよりも、ゲーム用のハードウェアを買う発想のない人、裾野のゲームプレイ人口のほうが桁違いに多いのだから狙っている場所が違う、ガーファガーファ! といった主張もありますが、仮にそのすべてが正しかったとしても、結局は遊びたいと思えるゲームがないかぎり、どんなプラットフォームも人が集まりません。

Googleが本気でゲーミング事業に取り組むならば、YouTube連動や無料プランの開放、デバイスの対応拡大といった当初の約束を果たしつつ、Stadiaで遊んでみたいと思うソフトを揃え、高い評価を得ることは極めて重要です。

サービスとしての成功はさておきゲーマー的に気になるのは、Stadiaの発表会で語られた「クラウドネイティブ」なゲームの可能性。かつての新型ゲーム機が、独自のアーキテクチャと専用ソフトで見たこともないゲームの世界を開いてきたように、実質的に処理能力の限界がない巨大な「新型ゲーム機」であるStadiaノード群でしか遊べないゲーム、ゲームデザインのレベルからクラウドを前提にした見たこともないゲームに期待したいものです。

独自性を売りにしつつ囲い込みに失敗したゲーム機が辿った運命を思えば、一社のサービスやプラットフォームと一蓮托生のゲームを開発するリスクを受け入れるには、やはりプラットフォーム側が抱えるファーストパーティであるか、それに準じる手厚い待遇を提供する必要があります。

どうやら後者のサードパーティ誘致があまり芳しくないという最近の報道が正しいならば、これぞクラウドネイティブという新しいゲームの開発は、今回のStadia独占ゲーム開発スタジオが頼みの綱ということになります。幸い高価な専用ハードウェアを買う必要はないことだし、せめて一作目をリリースするまで Google が「やっぱりやめます」と言い出さないことを祈るばかりです。


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