ソフトバンクが3月27日からスタートする次世代モバイル通信サービス「SoftBank 5G」。同サービスの展開当初には、5Gで高速化のカギを握るとされる"ミリ波帯"が利用されません。
SoftBank 5Gの当初の通信速度は、下り最大2.0Gbps、上り最大103Mbpsとされています。特に下り速度では、4G の2倍強程度の向上にとどまっています。5Gで利用される周波数帯には大きく分けて2種類あり、「サブ6」と「ミリ波」と呼ばれています。サブ6は6GHz以下の、これまでのモバイル通信に近い周波数帯で、技術的な難易度は低めですが、通信速度を拡大する効果は少なめです。
ミリ波帯は28〜60GHz帯という"高い"周波数帯を利用するもので、高速な通信を実現しやすい帯域ですが、干渉に弱く、技術的なハードルは高いとされています。
ソフトバンクではサブ6で3.9〜4.0GHz帯(N77)の100MHz幅の割り当てを受けており、ミリ波ではその4倍に相当する29.1~29.5GHz帯(n257)を割り当てられています。
一方でSoftBank 5Gの展開当初(2020年夏ごろまで)の計画では、サブ6帯の100MHz幅のみを利用するかたちで、販売するスマートフォンもすべてミリ波帯に非対応となっています。
ミリ波帯を活用すればより高速な通信サービスを提供できるものの、実際の運用には高度な技術が必要な上、5Gの立ち上げ当初は対応スマホも限られてしまいます。そのため、ソフトバンクは当初の5G展開においてミリ波帯を利用しない選択をしたものと思われます。
ソフトバンクが総務省に提出した5Gの開設計画でも、ミリ波帯の利用開始は2021年3月ごろとしています。
SoftBank 5Gの開始当初のサービスエリアはかなり限定的な展開ですが、ソフトバンクの榛葉副社長は5G展開について、提出した計画よりも「2年間前倒し」で進行し、2022年末までに「人口カバー率90%を目指す」としています。
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