EVになった新型フィアット500、欧州で受注開始。アルマーニやブルガリ仕様はオークションに

世界初のオープンエア・4シーター・ゼロエミッション市販車

Hirokazu Kusakabe
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2020年03月6日, 午後 05:00 in car
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Fiat 500フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、13年ぶりにフルモデルチェンジした新型「フィアット500」をイタリア・ミラノで発表しました。予告どおり、純粋な電気自動車に生まれ変わっての登場です。新型フィアット500のデザインは、1957年に登場した先々代と、2007年に発表されて現在も販売されている先代から伝統を受け継ぎつつ、将来のモビリティをイタリア流に定義したと、フィアットは説明します。

Fiat 500

全体的なスタイルは、一見すると先代とそれほど変わっていないようにも見えますが、全長が6cm、車幅も6cm大きくなりました。ホイールベースは2cm伸びています。これによって肩の周りや足元の空間が広くなり、快適性が改善されました。バッテリーは床下に積まれているため、荷室は狭くなっていません。それでも全長は3.6m強と、依然としてコンパクト。全幅も日本の5ナンバー枠に収まりそうです。

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キャンバストップのルーフは、先代の「500C」と同様に開閉可能。後部座席の後ろで折り畳むことができます。そのため、フィアットは新型500を「初のオープンエア・4シーター・ゼロエミッション車」と謳っています。テスラの新型「ロードスター」より先に発売に漕ぎ着けましたから。

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フロントのバッジは、これまでのようなフィアットのロゴではなく、新たに「500」の文字を模ったデザインが採用されました。サイドから回り込んだようなボンネットのパーティングラインは、先代よりもクラシックな先々代を思わせます。ヘッドライト上のボンネット側にはまつ毛のようなLEDが備わります。

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インテリアは、初代のようにシンプルで美しく、視認性と使い勝手を念頭にデザインされました。シート表皮には、海から回収されたプラスティックをリサイクルした糸「SEAQUAL」や、製造過程で環境に配慮したエコレザーを使用。センターコンソールはシフトレバーがなくなった代わりに物入れが備わります。

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リチウムイオン・バッテリーの容量は42kWhで、WLTPモードによる航続距離は320km。見た目でライバルと思われそうな「MINIクーパーS E」や「ホンダ e」を余裕で上回るだけでなく、日産の「リーフ」(40kWh)さえも凌ぎます。

ただし、モーターの最高出力は87kW(118ps)と、上記の3車種より控えめ。それでも、ガソリン・エンジンを搭載する先代500よりパワフルです。0-100km/h加速9.0秒、0-50km/h加速3.1秒と、街中では十分な速さを感じられるでしょう。最高速度は150km/hでリミッターが作動します。

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ボディ右側後方のハッチを開けると、直流と交流の双方に対応したコンボ2規格のソケットを備え、85kWの急速充電に標準で対応。35分間でバッテリー容量の80%を充電できます。5分ほど充電すれば、50kmの距離を走れるようになります。ENGIE EPSがFCAのために開発した「Easy Wallbox」(上の写真)と呼ばれる家庭用充電器も欧州では同時に発売されます。こちらは2.3kWhですが、7.4kWhにアップグレードすれば6時間で満充電が完了します。

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新型フィアット500は、ドライビング・モードを「ノーマル」「レンジ」「シェルパ」という3種類から選択できます。

「ノーマル」はフィアットによれば、できるだけ内燃エンジン搭載車の運転感覚に近づけたとのこと。「レンジ」に切り替えれば、アクセルペダルを戻すだけでブレーキを踏んだように減速させられるEVならではの「1ペダル・ドライブ」が可能に。ただし、完全に停止させるためにはブレーキペダルを踏む必要があります。

そしてエベレスト登山のガイドを務めるシェルパ族から命名したという「シェルパ」モードは、バッテリー残量が心許ないとき、とにかくなんとかして目的地または最寄りの充電ステーションまで辿り着くために使います。速度は最高80km/hに制限され、アクセルのレスポンスもゆるやかに。エアコンとシートヒーターは停止します(作動させることも可能)。

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シティカー・セグメントで初めてレベル2の自動運転機能を搭載したことも、新型フィアット500の自慢です。つまり、先行車に合わせて自動的にアクセルとブレーキを調整するだけでなく、車線から逸脱しそうになるとステアリングも自動的に制御するということです。ただし道路には車線がはっきりと描かれている必要があります。

フロントに搭載されたカメラは、他の車両や歩行者、自転車も認識。衝突の危険があれば自動的にブレーキを作動させます。さらに超音波センサーが死角を監視し、サイドミラーに備わる三角形の表示でドライバーに報せます。車内にはドライバーの疲労を検知すると休息するように警告する機能も備わります。

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最新の「UConnect5」インフォテインメント・システムは、Apple CarPlayだけでなく Android Autoにも対応。ドアを開けると、わずか5秒でスマートフォンと無線で接続されます。車内では、ダッシュボードに搭載された10.25インチのタッチスクリーンで、スマートフォンのアプリがシームレスに使えます。

クルマに乗っているとき以外にも、スマートフォンの専用アプリを使えば、バッテリーの充電レベルを確認したり、電気料金のお得な時間帯に自動で充電開始するように充電スケジュールを設定できます。乗車前の充電プラグがつながっている状態でエアコンを作動させ、車内を暖めておく/冷やしておくことも可能です。

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また、スマートフォンから目的地を車載ナビに送信すれば、距離のみならず渋滞や天気の予測、スピードカメラの位置まで考慮してルートを決定。マップはOTA(無線通信)で常に自動的にアップデートされます。

コネクテッドカーの新型500は、事故の際には自動的に救助を呼ぶだけでなく、もしクルマが盗難されたら、直ちにオーナーのスマートフォンに通知すると同時に、カスタマー・セーフティ・アシスタンスが警察に通報。位置情報を知らせて犯人逮捕の手助けをします。日常的にはタイヤの空気圧から整備スケジュールまでチェックし、車両に問題があれば通知する機能も備えます。

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新型フィアット500は、まず欧州で3月4日から、発売記念限定車「ラ・プリマ」の予約受付が開始されています。ボディ・カラーは地球、海、空をイメージした3色を設定。ミネラル・グレー(メタリック)、オーシャン・グリーン(パール)、セレスティアル・ブルー(3層)から選べます。この特別仕様車には、フルLEDヘッドライト、エコレザー・インテリア、17インチのダイヤモンドカット・ホイール、クロームのサイド・トリムが標準で装備され、さらにモノグラム・ソフトトップと、シリアル・ナンバーや国名が刻まれた専用バッジが特別装備として与えられます。家庭用充電器の「Easy Wallbox」も付属し、価格は3万7900ユーロ(約450万円)となっていますが、予約サイトに郵便番号を入力すれば自動的に国や自治体の補助金が計算され、実質支払金額が表示されます。

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冒頭に書いたように、フィアットは新世代の500について、単なる変革(revolution)ではなく転生(reincanation)と称しています。同社によれば、地球にとって本当の革命を起こすには、単に法律や規制で縛るだけではダメ。自ら進んで乗りたいと思えるような美しいクルマを作る必要があるとのこと。

ただ、そんな本物の革命はフィアットだけでは成し遂げられない。そう考えた同社は、同じ目標のために協力してくれる同志を募ることにしました。

その1人目は、ご存じ俳優のレオナルド・ディカプリオ。彼が熱心に地球環境保護のための運動を続けていることは有名です。

フィアットはディカプリオと組んで「All-In」と題するビデオを制作しました。これは単なる有名俳優を起用した"プロモーション"ではなく、地球環境改善のための"キャンペーン"であると、フィアットは主張します。

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さらに、フィアットと同じイタリアを代表するブランドであるジョルジオ・アルマーニ、ブルガリ、カルテルが協力を表明。それぞれ特別にデザインしたフィアット500をワンオフで製作しました。

アルマーニが手掛けたフィアット500は、ボディにレーザーで模様を刻んだ金属製のカバーを装着。これに絹のような光沢を放つグレー・グリーンのペイントを施しました。エコレザーのシートにも同じ模様が立体的に加工されています。ダッシュボードはオープン・ポアのウッド。その周囲をアルミのインレイが囲みます。

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ブルガリのフィアット500には「MAI TROPPO(Never Too Much)」という名前が付けられています。サフラン色のペイントは、金粉入りの塗料を手作業で吹き付け「宝石」感を強調。ダッシュボードとシートにはブルガリのシルク・スカーフが使われています。ステアリングホイールの中央にはめ込まれたアメジスト、トパーズ、シトリンは、取り外すとブローチになります。

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家具ブランドのカルテルは、イメージ・カラーのブルーでボディを塗装。廃棄されたパラボリック・プロジェクターからリサイクルしたポリカーボネートを使って、フロントグリルやホイールキャップ、ミラーキャップを覆いました。その模様はフェルッキオ・ラビアーニがデザインしたカルテルの「カブキ」ランプから着想を得ています。同じパターンが型押しされたシートのファブリックは、リサイクルされたポリエステル。インテリアのプラスティックには、100%リサイクルのポリプロピレンを使用しています。

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これら3台の特別なフィアット500は、ディカプリオの環境保護活動を支援するため、チャリティ・オークションに出品される予定です。普通のフィアット500では物足りないという方は、地球のためにもぜひ高額の入札を。

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