月・火星での収穫にも道すじ。ISS産レタスと地上栽培レタスの栄養価に差異なし

火星行き宇宙船内にも畑が作られるかも

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年03月8日, 午前 11:50 in Space
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NASA

地上約400kmの軌道を周回している国際宇宙ステーション(ISS)のなかにはレタス畑があり、またお花畑もありましたが、そこでとれたレッドロメインレタスの栄養価が、地上で栽培されたものと同等であることが確認されました。研究者らは温度、相対湿度、CO2濃度)をISS内と同じにした地上環境を作り、実際にレタスを栽培して宇宙レタスと栄養価を比較しました。ISSでは2014年から2016年にかけて、レタスの水耕・噴霧栽培が行われました。3度にわたって収穫されたレタスは一部が滞在中の飛行士のお腹に収まり、残りは地上に帰還する宇宙船に積み込まれてNASAへと"出荷"されました。

NASAケネディ宇宙センターのChristina Khodadad氏とGioia Massa氏は、ISSで栽培されたレタスの種子の微生物学的および栄養的品質について調査しました。そして、ISS産レタスには地上で栽培したものよりも多くの微生物が付着していることがわかったと報告しています。しかしこれは予想どおりで、マッサ氏は「飛行士はそれぞれ独自の微生物叢(びせいぶつそう)を持っており、ISSでしかみられないものもある」と説明しています。

一方で、レタスの栄養面についてはISSで収穫したものと地上で育てたものの間に差異はみられなかったとのこと。これに対しては「ISSで栽培した場合は異なる栄養水準になると予想していたので意外だった」と述べました。

将来、(月や火星で)地球に依存しない生活を送るためには、野菜はクルーの食事において重要なものになるはずであり、植物が地上と異なる重力や日照量、放射線レベルにできちんと育つ必要があります。また植物はCO2を酸素に変えることができるため、月や火星、宇宙の施設での長期滞在に必要な生命維持システムでも重要な役割を担う可能性があります。

なお、ISSで栽培されたレタスとその種子を地上で栽培したレタスは、いずれも大腸菌やサルモネラ菌といった有害な細菌は付着しておらず、おいしくいただけたとのこと。現在、ISSではケールやキャベツなどの種子を使って栽培しています。さらに今後数年のうちにトマトやピーマンと行った比較的小さな実のなる野菜を追加するとのこと。両氏は「様々な品種がこの生態系でどのように影響されるかを理解することが重要」で、「じきに飛行士たちが好きな作物を選んで育てられるようになることを望んでいる」とNewsweekに述べています。

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