BMWのハイブリッド・スポーツカー「i8」、4月中旬に生産終了。数々の名車との写真を公開

手に入れるなら最後のチャンス

Hirokazu Kusakabe
Hirokazu Kusakabe
2020年03月12日, 午後 08:00 in bmw
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BMW i8BMWのプラグインハイブリッド・スポーツカー「i8」が間もなく生産を終了します。2020年4月中旬に予定されているその時を前に、BMWは同社の歴史的なクルマが所蔵されているミュージアムに1台のi8を運び入れ、過去の名車と並べた写真を公開しました。BMW i8

BMWが個人用モビリティの「持続可能な未来」に向け、環境負荷を減らしながら運転する歓びを高めるという「Vision EfficientDynamics」を宣言するコンセプトカー(下の写真)を発表したのは、2009年9月のフランクフルト・モーターショーでした。このとき公開された跳ね上げ式ドアを持つ未来的な2+2シーターのスポーツカーは、ほぼそのままのデザインで、4年後に市販モデルとして登場します。

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同時にBMWは、共通のデザイン言語によるコンパクトなシティカーも発表。電気駆動技術を根幹にいち早く未来のクルマを具現化するサブブランドとして「BMW i」を起ち上げ、前者に「i8」、そして後者には「i3」という新しい車名を与えました。

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環境にやさしいモビリティと運転が楽しいクルマ。その双方に寄与する技術の1つは軽量化です。そこでBMWはまず、他のラインナップとはまったく異なる専用設計の車体を開発。現代の一般的な乗用車に使われている鋼板モノコックではなく、軽量で強靱な炭素繊維強化樹脂(いわゆるカーボンファイバー)でパッセンジャー・セルと呼ばれる車体の中央部分(つまり乗員の周りとなる箇所)を作り、同じく軽量なアルミ合金製のフレームにエンジンとトランスミッション、モーターとバッテリー、サスペンションなど走行用の機械を収め、両者を組み合わせる構造を採りました。
ボディ外版にも鉄ではなく、アルミとサーモプラスチック(熱可燃性樹脂)が使われています。

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その炭素繊維を生産する工場の全電力量は水力発電によってまかなわれ、車体の組み立て工場には風力発電を導入。BMWはiモデルの生産過程においても排出される二酸化酸素の削減に努めました。

内装のレザーは自然に落ちたオリーブの葉から抽出したエキスでなめし処理を行い、カーペットやドア・トリムなどのファブリックには、リサイクルされたペットボトルが使用されています。高級感のあるキーケースの素材は、ゴマの種から得られるヒマシ油にグラスファイバーを混ぜて硬化させたものです。

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軽量化技術と並び、BMW iの鍵となるもう1つの技術は電動化です。ほんの10年前とはいえ、当時のバッテリー技術は今より未成熟だったこともあり、BMWは新世代のスポーツカーを純粋な電気自動車にはせず、電動モーターと小排気量のガソリン・エンジンを組み合わせる方法を選びました。排出ガスを削減しながら、同社のキャッチフレーズでもある「駆け抜ける歓び」も実現するためには、当時としてはそれが最良と判断したのでしょう。

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i8のトライブトレインは、ミドシップに搭載する直列3気筒エンジンが最高出力231psを発揮して後輪を駆動し、加えて131psを発生する電気モーターが前輪を駆動。このハイブリッド4輪駆動により、0-100km/hまで4.4秒という加速性能と、ガソリン1リッターあたり40kmという低燃費を両立しました。

走行状況に合わせてエンジンとモーターが最適な駆動力を前後輪に配分することで運動性能と走行安定性も高められ、一方では電気のみで最大35kmの距離を走ることも可能です。

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2017年にオープントップで2シーターの「i8ロードスター」が加わり、2018年にはバッテリー容量とモーターの出力が引き上げられたi8は、2019年に生産台数が2万台を突破。「507」や「M1」や「Z1」や「Z8」を抜き、BMWの歴史において最も多く生産されたフラッグシップ・スポーツカーとなりました(注:3万台以上生産されたE31型「8シリーズ」は、スポーツカーというよりグランドツアラーという位置づけです)。また現在のところ、世界で最も売れているハイブリッド・スポーツカーでもあります。

BMW i8

見た目だけでなく、車体もパワーユニットも革新的で個性的なi8でしたが、独自性が強いということはBMWの他のモデルと共有できる部品や生産工程が少なく、コスト高は避けられません。発売当時の日本における車両価格は8%の消費税込みで1917万円と、内燃エンジンで同等性能を引き出すスポーツカーと比べても高価でした。

間もなく発売されるテスラの新型「ロードスター」のように、i8とそれほど変わらない価格ではるかに高性能、そして排ガスを一切出さない新世代の電気自動車が登場しつつあることを思えば、確かにi8の役目は既に終わったと言えそうです。

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気が付けば、i3とi8の発表からだいぶ時間が経ってしまいましたが、BMWはこれから数年以内に「i」の文字で始まる新しいモデルを続々と投入する計画です。2020年内に発売が予定されている「iX3」や、2021年登場予定の「i4」は、これまでのi3やi8とは大きく異なり、BMWの内燃エンジン搭載車とプラットフォームを共有する電気自動車になります。カーボンファイバー製シェルも跳ね上げ式ガルウイング・ドアもない代わりに、i8よりずっと手が届きやすい価格になる見込みです。

BMW i8

それでも今から数十年後、路上にEVが溢れ、BMWが内燃エンジン車の生産をやめる時が来たとしても、もはやEfficientDynamicsという理念と、クラシックカーとなったi8の魅力がクルマ好きな人々の中で色褪せることはないでしょう。

現在の日本における税込み価格は、i8クーペが2135万円。i8ロードスターが2276万円。もう迷っている時間はありませんよ。

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