EU「修理する権利」にスマホ/タブレットを組み入れへ。「取る作る捨てる」の成長モデルは限界

経済的なテコ入れの面も

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年03月12日, 午後 05:00 in politics
0シェア
FacebookTwitter
Maximkostenko via Getty Images
欧州連合(EU)が循環型経済行動計画の一環として、電気・電子機器メーカーにできるだけ多くのリサイクル材料を使用し、長期間使用できる製品作りをするようにする法的義務を導入する方針です。

バッテリー交換ができないなど修理不能または困難な電子製品のリユース、修理、リサイクルを簡単にし、これによってEU域内の電子機器からの廃棄物が40%削減できると考えられます。"the right to repair(修理する権利)"が欧州委員会(EC)によって可決されると、エコデザイン法の対象に新たにスマートフォンやタブレットも含め、これら製品が交換もしくは修理可能な部品で製造されるように技術基準が策定されます。すでにこの法律にはコンピューター、テレビなどから食洗機や洗濯機といった白物家電までが含まれ規定されています。

現在、ほとんどの電化製品は消費者が修理方法に関する情報を手に入れることが難しく、特にスマートフォンなどはiFixitのようなウェブサイトで製品内部に関する情報を調べるほかありません。欧州委員会は「製品の使い捨ては制限され、まだまだ使える製品の陳腐化を早めたり耐久消費財を破壊し廃棄することなどは禁止されるだろう」と述べています。

現在の電化製品のブラックボックス化は、消費者が内部にアクセスしての感電事故などを防止したり、修理によるコストと商品交換コストの兼ね合いなどを背景に広まったと考えられますが、修理する権利が可決されれば、IT・家電企業は製品設計の方向性を大きく変更する必要が生じそうです。

欧州環境委員のVirginijus Sinkevičius氏は世界人口と消費の増加のおかげで「『取る、作る、捨てる』という線形成長モデルは限界に達している」と述べ、循環型経済計画を実行しなければEUはCOP25で示した2050年ネットゼロエミッション(温室効果ガス排出実質ゼロ)を達成できないとしました。

今年1月、EUではデバイスメーカーに対して充電ケーブル標準の採用を要請する法律に賛成しました。新たな法律は独自のコネクターを採用するメーカーからの激しい抵抗に遭う可能性があります。
たとえばiPhoneの充電ケーブルにLightningコネクターを使用しているアップルはこの法律について「イノベーションを抑制」するものであり、最終的に消費者を助けるよりも損をさせることになると声明を出しています

 
 

 

TechCrunch 注目記事「新型コロナのソーシャルディスタンス(社会的距離戦略)を強力に支援するビデオチャットアプリ8選

新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]
関連キーワード: business, eu, europe, european commission, european union, gadgetry, gadgets, gear, green, mobile, personal computing, personalcomputing, politics, right to repair, tomorrow
0シェア
FacebookTwitter

Sponsored Contents