イラン政府公認の新型コロナ診断アプリ「AC19」に国民監視の目的があるとして問題に

診断できない上にリアルタイムな位置情報の提供が求められるという

中田ボンベ(Bonbe Nakata)
中田ボンベ(Bonbe Nakata)
2020年03月16日, 午後 07:30 in COVID-19
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ATTA KENARE/AFP via Getty ImagesついにはWHOが「パンデミック(世界的な流行)状態にある」との声明を発表したように、新型コロナウイルスの感染は世界規模で広がっており、各国が対応に追われている状況です。

そんな中、2020年3月3日(現地時間)に、イラン政府が「このアプリをインストールするように」と国民に向けてお達しを出した政府公式アプリが問題視されています。このアプリは「AC19」という名前で、コロナウイルスに感染しているかどうかをアプリで診断できるというもの。

ただ、アプリでは感染しているかどうか診断することはできず、さらには診断する前にリアルタイムな位置情報を送信する必要があるという非常に怪しいツールだったため、多くのイラン国民が「監視ツールなのでは」と懸念を抱きました。

また、AC19を製作したSarzamin Housmandには、自らが製作した無料チャットアプリで得た情報を、イラン政府に提供した疑いがかけられたことがあります。これもAC19が国民監視アプリなのではという疑問を加速させた要因です。

問題となったAC19は、現在も専用のサイトからダウンロードできる状況です。ただ、Google Playストアにアップされていたアプリは2020年3月9日(現地時間)に削除されています。Googleなどテック企業は現在新型コロナに関する怪しい情報を除外する方針を採っているため、「診断アプリではない」と判断されて削除されたとみられています。

実際にイラン政府が悪用する目的で配布したのかは不明ですが、いくら感染拡大を防ぐ目的があるとはいえ、位置情報などの個人情報の取り扱いは難しく、反発が起こる可能性もあります。

例えば、イスラエル政府は、感染者と接触した人を見つけるために、電話やネット通信などの履歴を追跡する、対テロリスト用の技術を導入すると発表しました。さすがにやりすぎとの声が挙がっています。イランやイスラエルなど、国内情勢が不安定な国だと反発は起きやすいのかもしれません。

 

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